「K A R Y Y N」と一致するもの

OG from Militant B - ele-king

ルードモンスターファーム2015秋

DJ ZAZENBEAT (DPT) - ele-king

レコードでかけたい10曲

Japanese House - ele-king

 フランス人DJ/プロデューサーのブラウザ、そして東京在住のアリックスクンのふたりは、ここ数年、主に90年代の(そして主にNYガラージに影響を受けた)ジャパニーズ・ハウスを掘り続けている。その成果が来るべき11月、いよいよ1枚のコンピレーション・アルバムとなってお目見えする。

 以下が公表されているトラックリスト。

A1 T.P.O. - Punk Inc. (Hiroshi's Dub)
A2 Katsuya - I Need Luv
B1 The Ecstasy Boys Ft. Shiro Amamiya - Chi Chi Chi Gan Kanon
B2 Jazzadelic - I Got A Rhythm (1991 original mix)
C1 Akiko Kanazawa - Sawauchi Jinku (Terada mix)
C2 Yutsuko Chusonji - Blessing (Magic Ware Remix)
C3 YPF - Trance of Love (Tokyo Offshore Mix)
D1 Yukihiro Fukutomi - It’s Gonna Be Alright
D2 Hiroshi Matsui - Crazy Miracle Dub
E1 Takeharu Kunimoto - Home (6 a.m. mix)
E2 Violets - Sunset
E3 GWM - Deep Loop (edit)
F1 Fake - Square
F2 Hiraku Nagasawa - Matrix Track
F3 Dan K - Turquoise Love

 そして以下は、コンパイラーのひとりであるアリックスクンからのメッセージ。

 本コンピレーションは、ジャパニーズ・ハウスの歴史、そして世界中での普及を考えて日本のアンダーグラウンドハウスプロデューサーの作品を紹介する観点からすると初めてのものです。クラシックな曲から、とんでもなくレアな曲まで、Brawther&Alixkunが本コンピレーションの曲を選び、そのジャパニーズハウスサウンドの基礎であるディープなグルーヴや素直なメロディをしっかりと取り入れました。
 レジェンドに近い存在の寺田創一、福富幸弘、The Ecstasy Boysと共に、忘れられたハウス・ヒーローであるTakecha, Magic Ware、ひだのかつみなどが揃っています。
 そして本コンピレーションでは、ハウスミュージック好きな人をはじめ、もっと幅広く日本の音楽シーンに興味を持っている人のことまで考えています。
 初期ジャパニーズ・ハウス・シーンへの入門編として、本コンピレーションはジャパニーズ・ハウス・シーンの誕生についてさまざまな謎を解き、新しい観点からジャパニーズ・ハウスの歴史を音楽で語っています。

Yomeiriland - ele-king

 マムダンス&ノヴェリストといえば、いまやUKグライムの最強のタッグ。マムダンスは、今年はロゴスとの共作アルバムを出したトラックメイカー、そしてノヴェリストは期待大の若手MCだ。夏前には、彼らは正式にコンビを組んでXLから12インチを出している。
 そのふたりの2014年のコラボ曲“Take Time”を、なんと日本の3人組ラップ・グループ、嫁入りランドがカヴァー。先日SoundCloudで発表すると、さっそくFACT MAGは、「当然ながらブリリアントである」と賛辞を寄せている。
 ※引用訳につきまして「驚きはしないが、ブリリアントである」を「当然ながらブリリアントである」に訂正いたしました。関係の皆さま読者さまにお詫び申し上げます(2015.9.25)

 ちなみに、こちらがマムダンスのオリジナル。

 で、こちらが嫁入りランドのカヴァー。

ルビー・ローズ、ガリポリ、安保法案 - ele-king

 またしてもネットフリックスが当てた海外ドラマ『OITNB(オレンジ・イズ・ザ・ニュー・ブラック)』(囚人服のこと)の「シーズン3」で一般的にも完全にブレイクを果たしたルビー・ローズは、日本で人気のミランダ・カーと同じくオーストラリア出身のファッション・モデル。ローズの全身にはタトゥーが入っていて、ハイエイタス・カイヨーテのナイ・パームといい、さすがオーストラリア、『マッド・マックス』みたいなキャラが次から次へと出てくるなーと思っていたら、なんと、彼女はガリポリの戦いで生き残ったオーストラリア兵の子孫だという。オーストラリア軍は全滅したと思っていたので、生存者がいたことにも驚き、その子孫が「髪を切ったらジャスティン・ビーバー」などと言われて、いまやレズビアンのアイコン的存在になっているとはなかなか言葉もない。

 100年前、イギリス軍がトルコに上陸するためにオーストラリア兵を人間の楯として使ったのが、いわゆる「ガリポリ」で、ハリウッド進出前にピーター・ウイアーが『MASH』や『キャッチ22』と同じ手法で映画化している。要するに前半は兵士たちがふざけているだけ(邦題はなぜか『誓い』)。『マッド・マックス』と同じ主演のメル・ギブスンは、最初は戦争に行くことを拒否している。「パッとしないから」という理由で志願する友人たちに非国民とそしられても彼は「僕たちの戦争じゃない」「イギリスが勝手に」といって取り合わない。しかし、「ハクがつく」という理由で彼も宗主国であるイギリスとオーストラリアの合同作戦に志願。しまいには「♪イギリスさんが困ったら~ 僕たちがかけつける~」と陽気に合唱し、自分たちがイギリス軍の下部組織であることに大した自覚は持っていない。そして、彼らを取り巻く事態は急変する。イギリス軍が全員無事に上陸し、「お茶でも呑んでいるころ」にオーストラリア軍は上官も含めて全部隊が敵の銃弾に向かってダッシュしていく。エンディングは凄絶なものがある(ブライアン・メイとジャン・ミシェル・ジャールの音楽がいまとなってはかなりダサい)。

 衆参両議院で安保法案について審議されている間、僕の頭には「ガリポリ」が何度もよぎってしまった。前線と後方支援ではまったく意味が異なるし、自衛が人間の楯として使われるという局面が訪れるとはさすがに思わないけれど、実質的には自衛隊が米軍のパシリになるという法案にしか思えなかっただけでなく、最高責任者がどちらの軍に心を寄せているのかという部分でも「ガリポリ」と安部政権は正反対を向いていたとしか思えなかった。僕はずっと安倍は、イランでいえばホメイニ以前のパーレビみたいな存在だと考えていたこともあって、今度のことも独立性の面では右翼の方々が怒ってしかるべき法案ではなかったかと思えたし、スイスなど一国平和主義の国防意識を引き合いに出す賛成派も右翼の不在を過剰なレトリックとして使っていたに等しく、安保法案に関心を示していたテンションの高さに対して、それこそ安倍内閣の答弁はあまりにゆるゆるで、「♪アメリカさんが困ったら~ 僕たち皆がかけつける~」という鼻歌程度のものとしか考えていないような印象さえあった。日本が戦後の方針を大転換させるにしては、なんというか、理屈も弱いし、パッションも低いし、女性の口説き方でいえば「いいじゃん、ちょっとぐらい」とか「先っぽだけ」に近い感触で言い寄られたような法案だったというか。

 政府ではなく、法案に賛成する人のなかには耳を傾けてもいい意見はあった。賛成派にも反対派にもバカな意見というのはもちろんあって、とくに賛成派でも保留派でもバカバカしかったのは個別的自衛権と集団的自衛権を取り違えているもの。影響力が大きい人では、松本人志や田村淳などお笑いで、それが目立ったのはちょっと気になった。アメリカのコメディアンにはリベラルが圧倒的に多く、とはいえ、政治家をからかう時には民主党であれ共和党であれ、とにかく容赦がない。近年で最大のヒットといえばティー・パーティ後ろ盾にして出てきたサラ・ペイリンをまずはティナ・フェイが完コピし、さらにはペイリンが言いかねない政策を先回りして吹きまくるというものがあった。

 ヘタをすれば政治家のスタッフ・ライターになれる域である(ティナ・フェイのサラ・ペイリンが見たいばかりにティー・パーティに復活して欲しいぐらいだと思っていたらドナルド・トランプに呼応して、先週、「私がエネルギー大臣!」とブチあげてペイリンが復活してきました。いやー、お笑い的には面白くなるかも~)。
 ティナ・フェイが辞めた後に「サタデー・ナイト・ライヴ」のヘッド・ライターに就任したセス・マイヤーズがホワイトハウスのディナー・スピーチでドナルド・トランプを叩き潰した瞬間もなかなかのものがある。カメラに抜かれたトランプの表情は完全に固まっていた。

 ジミー・ファロンやクリス・ロックなど、この辺りは例を挙げれば切りがない。本誌15号でも取り上げたようにウィル・フェレルとスティーヴ・カレルが右翼報道で知られるフォックスTVを笑いのめす映画
『俺たちニュースキャスター』も最高でした。

 お笑いが政治にコミットするというのはこういうことであって、一国民として政治に振り回されるのではなく、個別的自衛権と集団的自衛権の区別がついてから、それを笑いのネタにしてもらいたいものだと思うばかりである。

 話を戻そう。賛成派のなかで耳に残ったというか、僕にもそういう気持ちがあるのは国際貢献である。かつて国境なき医師団(以下、MSF)はルワンダで武力行使を要請した事があり、それを聞いて僕は非常に葛藤を覚えたことがあった。MSFというのは目の前にケガ人がいれば黙々と救援活動を行うだけで、それ以上のことはしないと思っていたのに、最近の政治用語でいえば僕が思っていたよりも「積極的」だったのである。
 そして、そのことによって多数を救うことができると彼らは早期に判断し、実際には国連が武力行使どころか、ほとんど黙って見ていたために、MSFが恐れていた通り、市民同士の虐殺はマックスへと登りつめていく。ジャン=ステファーヌ・ソヴェール監督『ジョニー・マッド・ドッグ』(『憎しみ』のマチュー・カソヴィッツがプロデュース)のような展開を経て現在のルワンダがIT大国として飛躍的な経済成長を遂げたという後日談を知ると、これもまたなんともいえない気持ちにはなるけれど、100万人以上の死者を見過ごしたことはたしかであり、自衛隊がその主体になることはないにしても、国連軍が武力行使をする時に日本が何をできるのかということは、以来、気になり続けていた。
 今回の安保審議では、論点が米軍との連携に集中し、PKOが具体的にどう変わるのか、僕にはよくわからなかった。政府が「国際情勢の変化」というならば、イエメンの内戦やムガベの横暴、あるいはネパールやウクライナでは今年、憲法改正をめぐって暴動や警官の殺害まで起きているし、ISISの空爆に踏み切ったトルコはついでにクルド人まで空爆し始めるなど世界のどの部分を見ても「国際貢献」をしたいという気持ちを掻き立てられた人は少なからずだったのではないだろうか。安陪内閣の答弁を聞いていると、40%前後の支持率のうち、どれぐらいを占めているのかはわからないけれど、そういった真面目に国際貢献をしたいと思う人の気持ちは完全に裏切られていると僕には思えたし、それこそアメリカのニーズに応えて日本政府が憲法を破るというなら、アメリカのニーズがあれば日本国民も刑法や民法を破っていいのかな~と、法に支配される国民としての方針も大転換させたくなってしまう。


 多ジャンルで活躍するルビー・ローズはこのところDJとしてもめきめき評価を上げている。

 ジェンダー・フリーを呼びかけるルビー・ローズからのメッセージ・ヴィデオ。

interview with MIKRIS - ele-king


MIKRIS
6COFFIN ReBoot

THE DOG HOUSE MUSIC

Hip Hop

Amazon

 MIKRISというアーティストは危険……いや“MAD"だ。
“MAD" と冠のついた連作(まだ完結作は出ていないから、いまからでもその話題に乗る事をお勧めしたい)のリリースしていたMIKRISという存在は、当初は本文中にも出てくるように44 BLOXのメンバー、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのサイドMCとしての印象が強く、現在持っている文字通りの“UNDERGROUND"なイメージとの距離はかなり遠い。
3rdアルバムである『6 Coffin』は、強烈な静と動がMIKRISの言葉とそれを固めるトラックにより“MAD"な棺桶が浮かび上がる。アルバム、ZINEとMIX CD、リミックス・アルバム 『6 Coffin ReBoot』によって完結するこの三部作は、20年近い彼のキャリアのなかでもここ数年が異質であることを示している。
彼が歩んで来た“MAD"な道のり、これから彼が魅せてくれるであろうさらなる“MAD"な世界の扉が開かれる。

ある日いきなり、一生懸命ダンスの練習してて。しかも、団地の駐輪所の暗がりのライトのとこで。それを発見しちゃって。かっこよくて。俺以外にもこの音楽はまってる人がいるってなって。

SAWADA(以下、S):訊いたことなかったけどMIKRISという名前の由来って?

MIKRIS(以下、M):俺、親父の名字がミキで、母親の名字がクリスなんですよ。それでミキクリス、それで、MIKRIS。10代の頃はMC MIKK(ミキ)でやっていて、DELIさんが(NITRO MICROPHONE UNDERGROUND)さんがデビューするってときに言いづらいから名前を変えたほうが良いという話になって、自分で決めました。

S: MC MIKKの頃の音源ってあるんですか?

M:たしか1999年ぐらいに千葉のラッパー、Mr.OMERIさんのTAPE ALBUMはその名義で参加してると思います。

S: 最近は東京でライヴというとBEDが多いけど、昔は渋谷が多かったイメージがあるけど、どうですか?

M:そうですね。昔は渋谷の円山町とかでのライヴが多かったけど、いまはもっぱら池袋(IKB)ですかね。10代の頃はあまり地元でのそうゆうCOMMUNITYなかったから、よく東京でライヴしましたよ。六本木とか、マダムカラス(池袋)とかで。

S: マダムカラスは池袋近辺で活動してる人はだいたい出演したことのある場所ですよね(笑)。自分も何回かハードコア/ パンクのレコードかけてDJさせてもらったことあります。

M: ハードコアといえば、俺、最近知ったMinor Threatの曲の歌詞がとてもささりました。

 MIKRISには千葉 ( CHIBA POWER ) の印象も強くある。千葉ではヒップホップはレゲエ、テクノやハードコア……さまざまな音楽が交差している。
 同世代の盟友であり、かの地で混ざり合うさまざまな事象を千葉の文化として叫び続けるラガマフィンソルジャー、SOLDIERの1stアルバム『邁進』において、千葉を代表するラッパー、E.G.G. MANとともに"CHIBA POWER" という曲に参加している。
 SOLDIERとともに開催するイベント〈AWAKE〉"は千葉のカルチャーを担う本物のショップで、SOUL ASSASINSとも深いつながりをもつWANNABESの地下にある、〈LIVE SALON WANNABES〉にて行われている。 ---


< DESFOGATE LIVE映像 >

S: MIKRIS君がハードコアに出会ったきっかけって、〈WANNABES〉ですか?

M:そうですね。あとは小岩の〈BUSHBASH〉ですね。DESFOGATEのコウスケ君の影響が大きいですね。

S: 自分もコウスケ君と親交あってMIKRIS君のことは聞いてました。 でも最初はMIKRIS = 44BLOCKのイメージがあったから、ずっと松戸とか柏の人だと思ってて。

M:それはよく言われますね。昔44でツアーやるってときに、「JBL(常磐線沿線)に住んでないですけど大丈夫すか?」てDELIさんに相談したら「お前は大丈夫 」って言われたんで、それでジョイントしてる。俺は千葉市のほうの出身です。さっきの昔やってた場所の話につながるんだけど、10代の頃は錦糸町の〈Nude〉とか潜り込んこともあります。PRC(元SOULSCREAM)とかやってたパーティがあって。

S: じゃあ、ヒップホップというカルチャーに最初に触れたのはどこになりますか?

M:実は小学生のころは北海道に住んでて、TVでダンス甲子園とかあったじゃないですか。姉とか従兄弟がいるんですけど、洋楽しか聴かない人だったんですよね。そういうなかでヒップホップに触れて、なんだこの魅力的で興奮する音楽はーってなって聴いてたんですよ。そしてら、同じ団地にすんでる3歳上のヤンキーのにいちゃんががいて、元々ヤンキーなんですけど(笑)。ダンス甲子園がやってるときに、ある日いきなり、一生懸命ダンスの練習してて。しかも、団地の駐輪所の暗がりのライトのとこで。それを発見しちゃって。かっこよくて。俺以外にもこの音楽はまってる人がいるってなって。来ましたね。

S:ちなみに、そのとき、そのヤンキーのにいちゃんはどういう格好してたんですか?

M:それはもう、ダンス甲子園って格好になってて(笑)。すげーなって、子供ながらに思いましたね。

S:というか、北海道住んでたことがあるのが、自分は驚きです。

M:俺は元々千葉県の生まれですけどね。親父は兵庫 お袋は茨城です。それで親父が千葉に移り住んで。それが、うちの一家の歴史の始まり。

S:なんか俺のイメージですが、MIKRIS君て国籍不明な感じですよね。 顔の濃い感じも。

M:純粋な日本人です(笑)。

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一応ターンテーブル持ってる奴がいて、そいつが持ってるレーコドをかけて、みんなでテレコを真んなかに置いて、一発録りして曲作ってました。MTRの存在も知ってたんですけど、誰も扱えないし、買えないし(笑)。


MIKRIS
6COFFIN ReBoot

THE DOG HOUSE MUSIC

Hip Hop

Amazon

S: 話横に行っちゃいそうなんで戻しますね。何でラップをやろうと思ったんですか?

M:そのヤンキーの兄ちゃんとかの影響で、ブラック・ミュージックをずっと聴いていて、その流れで日本語でラップして人たちの存在を知って、聴いてみたんですよ。でも、当時の俺が思ってるヒップホップと違うって思って。 なら俺がラップしたほうが絶対かっこいいと思っちゃったんですよね(笑)。それで自分でリリックを書いてテレコで録ってみてってのがはじまりですね。

S: 初めはどんな感じだったの?

M:中学校の時から仲いい奴がいて、そいつとまず曲を作ろうてなりましたね。高校で、その頃スケボーを一緒にやってた奴とか、仲いい奴とかみんなで勝手にラップ・グループ作って。俺がMCネームを全員決めてやってました。10人ぐらいいたかなあ。一応ターンテーブル持ってる奴がいて、そいつが持ってるレーコドをかけて、みんなでテレコを真んなかに置いて、一発録りして曲作ってました。MTRの存在も知ってたんですけど、誰も扱えないし、買えないし(笑)。

S:

M:19歳ぐらいのときに耐えかねて(笑)。メンバーの奴が挑戦して、MTRとMPCを買って、オリジナルトラックを作くるって言い出して。初めてちゃんとデモ作ってかんじですね。

S: その時作った曲名覚えてます?

M:たしか“太平洋"って曲作ったような。

S: CHIBAだから太平洋なんですね。

M:(笑)。

S: そのときのメンバーはいまは?

M:一番初めから一緒のやつはまだ千葉でDJやってますよ。いまはヒップホップていうか、違う感じの好きみたいだけど。

 現在、松戸の市会議員をつとめ、千葉を代表するラッパーであるDELI は、MIKRISにとって大きな影響を及ぼす。DELIはMIKRISにとってその路を開き、何だって出来ると思わせてくれた最重要なラッパーである。DELIなくしてMIKRISというラッパーの存在は生まれていない。

< DELI, MIKRIS, MACKA-CHIN feat. TINA "シャボン玉" >

S: MIKRISにとって重要な存在のDELIさんとはいつ知り合ったの?

M:俺、元々曲もなかったんで、フリースタイルでライヴとかしてて。 いろいろ都内とか、横浜とかのオープンマイクとかラップ・コンテストとかどうにか探し出して出てて。 ある日どこかの店でオープンマイク有りのフライヤーを見つけて。しかも千葉で俺の地元じゃんってなって、 行ったのがDELIさんとかREAL IMPACTがやってるイベントで。GORE-TEXやK- BOMBとか居て。なんでこんなとこにいるんだ! てなって。

S:デモはそのとき渡したの?

M:持ってたけど渡さなかったすね。その後に、当時、〈市川GIO〉って市川の駅前にあったライヴハウスでやってた〈LOCAL MOTION〉ってイベントに出て。それはいろんなアーティストが都内から来てたみたいですね。その頃、ちょうどDELIさんがニトロはじめる直前みたいな感じ。ソロでも曲出すみたいになってて、すげー盛り上がってましたね。そのイベントは、箱のキャッシャーから駅を挟んで逆のロータリーまで人並んだときもありましたね。本当に、日本のヒップホップってすごいって思うようになってましたね。

S: 当時はバンドしかやってなかったけど気になってましたね 。ヒップホップとバンドとヒップホップでやってたイベントもあったけど、正直あまりうまく混ざれななかった印象があります。2000年前くらいで。なんか、みんな無駄にとんがってたみたいな。認め合いが難しかったというか。それは感じましたね。自分が見れてなかった部分もあると思うんですけど。

M:それはありますね。いまの混ざり合ってる感じはないですね。

 MIKRISは数多くのミックステープをストリートに落として来た。宇田川の伝説のミックスCDストリートショップ〈BOOT STREET〉 や数多くのストリートショップがそのミックステープを拡散していく。千葉、茨城、東京にとどまらず、大阪のアーティストとも共作するなど、その動きは、ミックスCDが並ぶショップでは強い存在感を放っていた。
その一部は、MIKRISの運営する〈THE DOGHOUSE RECORS〉のBANDCAMPで確認が可能だ。< https://thedoghousemusic.bandcamp.com/ >

S: 話が変わりますけど、MIKRIS君ってミックステープを大量に出してますよね?

M:1stアルバム出して、いろいろステップアップしたいけど、いい方法が浮かばないで足踏みしてる時期があって。それでも新しい曲は録ってるから、これを正規盤じゃないStreet Shitとして出そうと思って出してました。たぶん10枚ぐらいある。お金にもなったし

S:その話もっと聞きたいですね。

M:もともと2003年にデビューして、2005年に44BLOXのツアーのときに1st(『M.A.D. 』)出して。その前もずーとDELIさんやDABO君、XBSさんのSideとして全国ツアー連れてってもらってて。それで初めていった日本全国の土地土地でコミュニティがあったり、お店があったり、その都市のアーティストやO.Gの人とかがいて。すごく世界が広がって。そしてイベンターの方たちやお店の方にも歳が若いから可愛がってもらってて。
そのなかでの付き合いで、自分のCDも直で置いてもらえたら、そこで少なからず俺のこと気になってくれた人が聴いてくれんじゃないかと思って。それで当時毎日のように遊んでたJBMやDJ NOBU a.k.a. BOMBRUSHやKGEやSESAMEたちと制作をはじめました

S:それから2ndアルバム『M.A.D.2』(2011年)のリリースですか?

M:いやその前にストリート・アルバムとして『STREET MADNESS』を初めて正規の流通で、自分のインディー・レーベル〈THE DOG HOUSE MUSIC〉から出して(2010年)。その年にMARSMANIEとのジョイント・アルバム『M's UP!』もうちから出しました。それで『M.A.D.2』ですかね。

S:〈THE DOG HOUSE MUSIC〉の由来は?

M:俺、THE DOG(ジ・ドック)ってユニットをKGEとSESAMEと組んでて。まあ頓挫しちゃうんですけど、その流れで俺が考えた名前だし、その屋号を自分のレーベルの名前に引き継いで。ほんとはこのスペルだと“ザ・ドック”になるんだけど、知ってる奴だけ“ジ”と読む。みたいな。俺そうゆうの好きなんですよね。

S:〈ジ・ドック・ハウス・ミュージック〉なんですね(笑)。それからが、“M.A.D.2”ですね? 俺はたぶん、M.A.D.2とM.A.D.Xのあいだに一度会ってますね。ROCKASENのパーティで。挨拶程度しかしてないですよね。

M:俺、初対面の人と上手く喋れないですね。すいません田舎者なんで(笑)。

S:それから、B.D.のILLSONのリリース・パーティですね。その頃やっとちゃんと喋った気がする

M:俺はじめILLSON SHOWCASEのフライヤーに〈WDsounds〉て入ってて、B.D.にこの〈WDsounds〉ってなに? って訊いたこと覚えてます。BROBUS時代からB.D.のILLSONまでは、作品に全部誘ってもらってますね。俺の作品も彼は全部はいってるし。

S:BULLDAWGS(B.D. / JBM / KGE THE SHADOWMAN / MIKRIS )って昔から聴いてない人にとっては謎のグループじゃないですか? 音源も出してるわけでもないし。どうゆう経緯なんですか?

M:2007か8にMUROさん監修の『TOKYOTRIBE 2』のアニメのコンピレーションの曲があって。それがこのメンツで。けっこういい感触で、このままこの4人でオールMUROプロデュースでアルバム作ろうてなって。たしか。それでまずBULLSて候補があったんですが、DOGをつけてBULLDOGS。でも少しいなたいから“DOGS"を“DAWGS"にかえてBULLDAWGSになって。まあ、その話は流れたんですけどね(笑)。

S:俺はその当時変な言い方じゃなくて、MIKRIS君のイメージはなんか渋谷というか、ニトロ(NITRO MICROPHONE UNDERGROUND)っていうか、日本語ラップのオーバーグラウンド的な感じがあって。日本語ラップて二分してたじゃないですか、当時? NITROのようなオーバーグランド的な感じの日本語ラップと、MSCや韻踏のようなアンダーグランドな感じの日本語ラップと。

M:そうですね。俺は気にしてなかったけどありましたね。

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俺、元々ホラー映画とかそうゆうB級なものが好きで。USでもクレイヴ・ディガスとか それこそデビュー当時のウータンとかモブディープとかとてもホラーな感じがして。あの当時の雰囲気を日本でやろうと思ってデビューからやってるんですよ。


MIKRIS
6COFFIN ReBoot

THE DOG HOUSE MUSIC

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 『6 Coffin』と題されたアルバムは、ILLICIT TSUBOI、BUSHMIND、GOLBY SOUNDといったトラックメーカー陣の凄まじいまでの世界観に白と黒が似合う様なダークな世界がこれでもかと言わんばかりにMIKRISの口から吐き出されている。
リリシストとしてもライム巧者としても定評のあるMIKRISは、いままでもMADなラップをしてきたが、この作品に関しては異質のものだと言い切れる。

S:それゆうなかでのMIKRIS君は、『M.A.D.2』まではそういうイメージがあって。そこから『6 Coffin』(2013年)になって、がらっと変わるじゃないですか?

M:俺のなかで『M.A.D.2』までがいままでの自分のイメージの一番目の集大成で。それでワンマンライヴをやって一区切りじゃないですけど。それで次に何作るかとなり、『6 Coffin』ですね。『6 Coffin』については一番の転機じゃないですけど、ちょうど世の中の世相もあり。一番は世相だったかもしれません。

S:いままでのCDのジャケットっと並べて見ても、『6 Coffin』はちょっと異質じゃないですか。これはどう思ってほしいのかと?

M:そうですね。よく言われます。「どう思ってほしい?」って。これは俺が悪いかもですが。俺、元々ホラー映画とかそうゆうB級なものが好きで。USでもクレイヴ・ディガスとか それこそデビュー当時のウータンとかモブディープとかとてもホラーな感じがして。あの当時の雰囲気を日本でやろうと思ってデビューからやってるんですよ。だって俺のデビューEPはホッケーマスクかぶってますからね。

S:なるほど。そうゆうことで言えば、昔BUSHMINDと一緒に車乗ってて、これ聴いてよって言ってBUSHMINDにMIKRIS君の曲聴かせてもらって。俺はリリックがMADだと思ったけど、正直なんのこと歌ってるか全くわからなくて。これはこうゆうことを歌ってるってBUSHMINDに説明されて。テーマが複雑なんだよねって。そのあとからはちゃんとリリックが入ってくるようになって(笑)。『6 Coffin』は、ほんと圧倒的。トラックからキテるじゃないですか。

M:あれ、誰にも歌わせたくなかったからインストは公開してないです。まず、俺以外の人は歌えないし、俺の望む歌詞は他人には書けないと思ってました。で、ひとりでやったんですよね。

S:そのなかでリミックス作ろうってなったのはどうしてですか?

M:それはもうT.O.P.もそうだし、MEGA-GもそうだしJ.COLUMBUSもそうだし 客演陣は このラッパーたちなら書けると思って、お願いしました。チャンネルが合うかなと思って。

S:DELIやE.G.G.MANとの曲は?

M:これは正直、前作『6 Coffin』を作ってるときに作ってて。全体をまとめるときに少し違うかなと思って入れなかった曲です。

S:なんか今回の『ReBoot』(『6COFFIN ReBoot』)はリミックスとなってるけど、別モノになってる気がするんですよ。ほんと、このパッケージにしなくてもシングルとして出してもいいんじゃないかなぐらいの出来で。まあジャケットは続きモノですけど。今回のリミックスを聴いて、また次のタイトルが出たときに繋がる感じなのかなと?

M:この『6 Coffin』の続編はこの『ReBoot』、これで完結です。この作品/プロジェクトのテーマは漢字で言えば 反抗なんですよ。アート的反抗。続きでいうと映画は三部作なんで『M.A.D.3』は出したいと思ってますけど。
3部作って、まず1作目にこうゆうものがあると提示して、2作目にまた肉付けしたスケールアップしたものになり、3作目は好きなやつだけついて来い的な感じだと思ってて。

S:話が戻るんだけど、『6 Coffin』という作品はジャケットもそうなんだけど、なんかジャームッシュの『デッドマン』みたいな感じがあって。

M:俺は日本人のアート感覚でホラーとか奇妙な感じを音楽に落とし込みたいのがあって。

S:だから白黒なんだ

M:イエス。

S:“ STRAY SHEEP (Remix) ”とか聴くとほんと『デッドマン』みたいなイメージ。

M:あのJ.COLUMBUSのバースは俺も気に入ってます。ああゆうバースこそみんな理解しようとして頭おかしくしてもらいたい。

S:あれは作ってても頭おかしくなりました(笑)。あと。MATRIXについては、他と違って色があるかなと。

M:あの曲については奇跡で。もともと違う感じのトラックで録ってたんですが、最終段階で自分の予想をはるかに時空ごと飛ばした曲でした。もともと俺のラップ・キャリア初のスタジオ・レコーディングのエンジニアがILLICUT TSUBOIさんで。DELIさんの“クラッシャ”て曲で。そのときこんな変態な方がいるなんて思いました(笑)。それでいつか一緒に曲作りたいとはじめから思ってて。最高なのができました。

S:BUSHMINDのリミックスもまた別物になってていい感じにでしたし。

M:個人的にはラップとかアートとかって、みんなに理解されないとただのマスターベーションていう人もいるけど、俺は逆でマスターベーションにこそ金を払ってほしい。それが一番純粋な動機かと思うんです。

S:MIKRIS君はDJもやらないしトラックメークもしないし、ラップだけしかしないじゃないですか。ラッパー、MIKRISとしてまた作品だしたりライヴしたり、すると思うんですけど、最終的にどうしていきたい、どうなりたいとか、展望はありますか?

M:日本人がやる日本人のアンデンティティのもと作り出す世界のヒップホップをやりたい。強いて言えば千葉県の田舎者がやるを付け加えたいですね。学びの途中ですね。 精進。

S:学びは最後までが学びですからね。精進ですね。

M:間違いないと思います。

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押忍 = 押して忍ぶ / 自我を抑え我慢する
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 都内某所でのライヴの前に飲みながら話を聴いたあと、翌朝を迎える前に行われたライヴは相当狂っていたことも加えておく。

vol.77:NYのラフ・トレードは良いところ - ele-king

 雨の木曜日、リトル・ウィングスを見ようとラフ・トレードにやって来た。リトル・ウィングスは、カイル・フィールドのバンド名。サンフランシスコ在住のアーティスト、サーファー、自由人。2年前にケーキ・ショップで初めて見たときから、この人は存在が伝説、と密かに追い続けてきた。ビル・カラハン、ボニー“プリンス”ビリー、ニュートラル・ミルク・ホテル、そしてボブ・ディランなどを思い起こさせる、ブルージーでフォーキーなシンガー・ソングライター。
 リトル・ウィングスは、今年5月に、ウッシストから11枚目のアルバム「エクスプレインズ」をリリースした。ショーではリアル・エステイトのメンバーが参加したり、場所によって自由にバンドを変形する。
 会場は、8割入りぐらいで年齢層は30代~。グリーンポイント辺りに住んで、サーフィンが好きそうな男女が目立った。カイルは優しい息遣いのする歌を話しかけるように歌い、ときには観客に話しかける。彼の歌を聞くというより、流れに任せる彼の生きざまを聴く感じである。

 共演は、〈メキシカン・サマー〉から作品をリリースしているウェイス・ブラッド。彼女はジャッキー・オー・マザー・ファッカーのメンバーとしてツアーしたり、アリエル・ピンクの『マチュア・シームス』でヴォーカルを披露している女の子である。本名ナタリー・マーリング、見た目も歌も、ゾラ・ジーザスを思い起こさせるが、こちらはもう少し浮遊感があり隙がある。

 着いたときはウェイス・ブラッドの真っ最中だったが、外のレコード・ストアはまだ空いていて、意外にも購買意欲を奮い立たせた。N9ストリートの川岸にあり、繁華街からは少し離れ、不安になったところでサインが現れるこのお店は、雨とライヴだからか人は少なく、ひとりの店員とお客さんが雑談している中で、黙々とアイホンを眺めるユダヤ人のおじさんや、リトル・ウィングスまで時間潰しをしているカップルなどがいた。
1週間後の週末に戻ると、ライヴの合間を埋める人や、メインドラッグ・コーナーで機材を試す人、真剣にレコードを選ぶ人など、ボチボチ賑わっていた。95パーセントが男子。
店を一周してみたら、アザー・ミュージックでは見つからないような、イギリスのバンドのレコードも多く(ロイヤル・へディック、フートン・テニス・クラブ、アーリー・マンマルなど)、広さもありかなり楽しい。
インディ・ロック、ヒップホップ、エレクトロニック(イースト・インディア・ユース、ミリー・アンド・アンドレア、ボーズ・オブ・カナダ)、ニューウェイヴ、ポストパンク(あるいはクラフトワーク、ゲイリー・ニューマン)、ジャズ、フォーク、カントリー(クリス・ポッター、スティーブ・ガン)、ソウル(ディアンジェロ、アル・グリーン)、ラフトレ・エッセンシャル(リバティーンズ、MC5、スリント)などジャンルに分かれ面だしになっていて、古いものから、定番、最新リリースまでほど良く抑えている。
トートバッグやTシャツなどのグッズも何気なくおいてあり、試聴に使うヘッドフォンはbowers& wilkinsで、周りのノイズを完璧にシャットアウトし、聴こえの違いにすぐに欲しくなる。もちろんその場で購入できる。今時レコード屋で試聴なんて誰がする、と思いなかれ。このヘッドホンで聴くと、いつも聴いている音楽が何倍にも輝く。

 2Fは本のコーナーで、アート本、音楽本、有名人インタヴュー本、文学物、アート、音楽雑誌、プロテスト、アウトドア、豆知識、セックス、ドラッグ、ロックンロールコーナーなど興味深い品揃え。本を見ていると、店内音楽より、隣のバックルームのバンド演奏が丸聞こえなのだが。

 ラフ・トレードでは、バワリープレゼンツがショーをブックし、カスピアン、ユース・ラグーン、マリタイム、ジュリア・ホルターあたりのバンドがブックされていて、土曜日のお昼や、ランダムな夜にはプロモーション・イベントもやっている。イベントのときは人も多いが、普段はひっそりしているので、真剣にレコードを選びたい人にはお勧め。カフェもあるし、フォト・ブースもあるし、アート・ギャラリーも、NYとロンドン気分が一度に味わえる秘密の隠れ家。この立地(駅から結構遠い)だが、来る価値は十分にあり。

www.roughtradenyc.com

Morrissey - ele-king

 ロック・バンド、スミスの元フロントマンであるモリッシーの小説『リスト・オブ・ザ・ロスト』が、9月24日にイギリスで発売される。版元は小説、ノンフィクション、思想書など幅広く手がける、イギリスの老舗出版社ペンギン・ブックス。今作は執筆に2年を要したという。
 モリッシーのファンサイトによれば、物語は1970年代アメリカのリレー競技チームについて。チームは偶然にも貧相な悪漢を殺害してしまうのだが、その人物が実は悪魔であり、登場人物たちはその悪魔から呪いをかけられてしまうという設定だ。
 英紙『ガーディアン』に掲載されたマイケル・ハンのコメントによれば、「小説としては優れてはいないが、モズの古典的な言い回しが見て取れる」内容だという。またハンは、本作には会話だけでは登場人物を特定できないような手法や、リレーというモチーフと、モリッシーがかつて才能溢れるランナーだったことの関連性などを指摘している。
 モリッシーは2013年に同じくペンギン・ブックスから自伝『オートバイオグラフィー 』を発表しており、初週の売上が3万5千部を記録している。
現在、日本では『リスト・オブ・ザ・ロスト』はアマゾンなどで購入が可能

出典:Factmag
https://www.factmag.com/2015/09/24/morrisseys-debut-novel-is-about-a-1970s-relay-racing-team-cursed-by-a-demon/

 そう、あの集団のことだ。現在はツアーまっただ中で、明日には東京公演を控えている。昼はワークショップ形式ということだから、オープンリールに触れたりするのだろうか……?
音楽好きも、そんなに音楽には興味がないという人も、何かライヴに行きたいという人も、ただデートの行き先が見つからないという人も、まるごと楽しませてくれるのがOREだ!
新作アルバム『Vocal Code』から冒頭の奇曲"”のMVが公開されたということだから貼っておこう。ぜひライヴに参加されたし!


Open Reel Ensemble - 帰って来た楽園 with 森翔太

ツアー真っ只中!!
旧式のオープンリール・デッキと現代のコンピュータをドッキングさせた圧倒的なパフォーマンスで見るものを熱狂させ世界中から注目を集めるコンテンポラリーアート楽団、Open
Reel Ensembleが”声”をテーマにしたニュー・アルバム『Vocal
Code』から、「仕込みiPhone」の動画等でメディアアートでも注目を集める映像作家・パフォーマーの”森翔太が歌っているコラボ曲「帰って来た楽園」のMVが公開された。

映像はカメラ周りの360度全方位の風景を、撮影・共有・視聴できる「360度動画」に対応しており、PCでは画面左上に表示される矢印を、動かしたい方向にクリックすることでアングルを変更でき、スマートフォンからは本体を動かすことで映像が見れるので、実際にその場にいるような体験ができる。出演しているのは、ディレクターの森翔太の他、本物のご両親や親族も出演している。

また「帰って来た楽園」は、60年代に同じくオープンリールを使って作られたザ・フォーク・クルセダーズのあの名曲をOpen Reel
Ensembleが勝手な続編として作った曲とのことで、異色のコラボとそのコンセプトに注目が集まる。

9/20(日)には渋谷7th Floorで昼・夜2部構成でそれぞれ違う内容の東京公演が開催される!

【動画】
Open Reel Ensemble - 帰って来た楽園 with 森翔太

【LIVE】
Open Reel Ensemble presents 『巡回』~「Vocal Code」Release Tour 東京公演~

9月20日(日)東京 渋谷7th Floor
昼公演
OPEN/START 13:30/14:00
Act:Open Reel Ensemble, 市原えつこ×菅尾なぎさ
Add3,500yen+D 全席自由
Door4,000yen+D 全席自由
チケット取扱・問い合わせ先:
7th Floor 03-3462-4466, https://7th-floor.net/

夜公演
OPEN/START 18:00/18:30
Act:Open Reel Ensemble, 市原えつこ×菅尾なぎさ
Add3,500yen+D 全席自由
Door4,000ye+D 全席自由
チケット取扱・問い合わせ先:
7th Floor 03-3462-4466, https://7th-floor.net/

注>>>昼公演と夜公演は内容が異なります。


【作品】
Open Reel Ensemble
Vocal Code
2015/09/02 release
PCD-25180
定価:¥2,500+税
https://p-vine.jp/music/pcd-25180

01. 帰って来た楽園 with 森翔太
02. 回・転・旅・行・記 with 七尾旅人
03. 空中特急
04. ふるぼっこ with クリウィムバアニー
05. Reel to Trip
06. 雲悠々水潺々
07. Tape Duck
08. アルコトルプルコ巻戻協奏曲 with 神田彩香
09. NAGRA
10. (Life is like a) Brown Box with Jan
11. Tapend Roll
12. Telemoon with Babi

 はっきり言って今年は当たり年です。とくに、いままでは日本で観られなかったヨーロッパの映画作家の作品が続々入ってきていて、しかも水準の高いものばかり。だからそれらを映画館で体感することは僕たちにとって幸福でしかなく、連休はあの暗闇のなかで旅をしましょう……ということで、公開中の作品と公開予定の作品を。

■EDEN/エデン

監督 / ミア・ハンセン=ラヴ
出演 / フェリックス・ド・ジヴリ、ポーリーヌ・エチエンヌ、ヴァンサン・マケーニュ 他
配給 / ミモザフィルムズ
2014年 フランス
新宿シネマカリテ、立川シネマシティ ほかにて、全国公開中。
© 2014 CG CINEMA – FRANCE 2 CINEMA – BLUE FILM PROD – YUNDAL FILMS

▼Side A 野田努
 映画のオープニングが最高。初めてクラブ・カルチャーを体験した青年は、お店が終わり人がいなくなったフロアにひとり残って、レコードを仕舞っているDJに歩み寄る。青年は、彼にとってその晩もっとも印象に残った曲が何という曲だったのかをDJに問う。DJはその曲のジャケを青年に見せる。画面に大きく写されるその美しいスリーヴ。そして曲がかかり、タイトルが出てオープニングがはじまる……。
 その曲名をここで明かしてしまうと見る楽しみが半減するので言わないでおくけれど、しかし、90年代初頭のクラブ・カルチャーを体験している人がこれを見たら、まず泣くだろう。ハウス/テクノの名盤中の名盤、「エデン」というタイトルに相応しい曲だが、ぼくはまさかのこのオープニングに涙した。クラブ・カルチャーが好きな人は、最初の30分のためだけにこの映画を見ても損はない。
 オープニングの次は、主人公の青年が親に嘘をついてウェアハウス・パーティに出かけるところだ。そこも時代をうまく描写している。いわゆるレイヴのシーンだが、かかっている曲はジ・オーブの“ラヴィング・ユー”と、まあ、わかっている選曲だ。
 そして時代は進み、90年代のクラブ黄金時代が描かれる。映画のなかでは、その時代その時代のアンダーグラウンドのヒット曲が流れてる。90年代以降のクラブ・ミュージックを聴いていた人は、クレジットを見なくてもほとんどの曲名がわかるだろう。
 ダフト・パンクの“ダ・ファンク”がかかるところも良い。あの曲は、当時は誰もが狂喜した完璧なアンダーグラウンド・ヒットで、多くのクラブ・ミュージック好きの耳をパリに向けさせる契機となった1曲だ。

 とはいえ、この映画は「フレンチ・タッチ」を描いているものではないし、パリのクラブ・カルチャー史を描いているものでもない(ロラン・ガルニエもDJディープも出てこない)。語られているのは、クラブ・カルチャーに心奪われDJとなったひとりの人間の、およそ20年の人生だ。
 90年代はよかった。が、移りゆく季節のなかで物事は思うようにはいかなくなっていく。時代に歓迎されたセンスも、時代が更新されるなかでズレていく。当たり前のことだ。ターンテーブルはCDJへと、そしてPCへと変わる……。

 残念なのは、この映画がDJカルチャー/ダンス・カルチャーのラジカルなところにはまったく無頓着な点だ。初期のクラブ・カルチャーの、未知の世界に繫がる扉を開けてしまったかのような興奮よりも、恋人との世知辛い別れや金銭的な現実が前景化されていくわけだが、実際のクラブ・カルチャーに関わっている多くの人たちはもっとタフに生きている……し、じつは現実にはもっとおもしろい話がいっぱいあるのだよ(長生きしたら、書いたる!)。
 せっかくこれだけの素晴らしいオープニングを作ったのだから、もったいなかったというか、話をもっと膨らませてもよかったのに……。まあ、それでも最初の30分は最高だけど。そう、オープニングですべてを許そう。

 これは自慢だが、ぼくは映画の舞台となったシャンゼリゼ通りのリスペクトに当時行ったことがある。DJはジェフ・ミルズとディミトリ・フロム・パリスだった。最高のメンツだ。行って、朝までそこにいて──外国のクラブであのときほど女性から声をかけられたことはなかったので、「俺はパリならいけるのかも!」と思っていたら、友人からパリではこれが当たり前だと言われた。主人公もぼくのように大勘違いをしたのだろう──、まあ、とにかくリスペクトではずいぶん気をよくして、最後のひとりとしてそこを出た。通りから細い路地に入ると、いっしょに行ったフランス人は「ここがジャン=ポール・ベルモンドが『勝手にしやがれ』で倒れた場所だよ」と教えてくれた。(野田努)

▼Side B 木津毅

 オリヴィエ・アサイヤス一派であるミア・ハンセン=ラヴの映画では、残酷なほどにあっけなく過ぎていく時間がつねに描かれていた。ミアの兄であるスヴェンがDJとして経験したことがもとになっている本作では、90年代前半からのパリ、フレンチ・タッチ・シーンがその勃興から描かれる……のだが、「シーン」以上にここで映されるのは時間の経過そのものである。つまり、ガラージに夢中だった大学生がDJとなり、音楽仲間たちとパーティを開き、ドラッグをやっていくつかの恋をして、そして……それらをひとつひとつ失っていくまでを。おそらくこの映画の観客が期待するような、ポップ史に刻まれるドラマティックな出来事はここではほとんど起こっていない。だが、ハンセン=ラヴ監督の『あの夏の子どもたち』(2009)において映画プロデューサーの自殺がすべてのその横を通り過ぎていく人びとの人生を少しずつ変えたように、重ね続けられるパーティの夜は主人公たちとその恋人たち、友人たち、仲間たち……の人生を動かしていく。それは「栄光と挫折」なんて華やかなものではけっしてなく、ディスコとハウスの名曲が連投される横で、ちょっとした、しかし取り返しのつかない失敗ばかりが積み重なっていく。
 映画のなかでダフト・パンクはほんの少しだけ実名で登場するのだけれど、きわめて象徴的な存在としてそこにいる。彼らが巨大になっていくいっぽうでポール(=スヴェン)の人生からはありとあらゆるもの――人間関係だけでなく、音楽への情熱や未来への眼差しといったことも含めて――が退場していき、そして彼自身も「そこ」からの撤退を余儀なくされる。だからこれはフレンチ・タッチ版『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』(https://www.ele-king.net/review/film/003843/)だが、余韻は本作のほうがはるかに切ない。
それでもこの映画を観た僕たちは知っている……彼らがたしかにそこにいたことを。『あの夏の子どもたち』で流れた“ケ・セラ・セラ”に涙したように、エンド・クレジットのパーティの映像には目頭が熱くなる。だって僕たちもまた、その夜が二度と戻らないことを身を持って知っているのだから。 (木津毅)

予告編



■夫婦の危機

監督 / ナンニ・モレッティ
出演 / シルヴィオ・オルランド、マルゲリータ・ブイ 他
配給 / パンドラ
2006年 イタリア
下高井戸シネマにて、特集上映〈Viva! イタリア! Vol.2〉中の一作として公開中。また、全国順次公開。

 イタリア映画祭で上映されたきり、この映画が日本に入ってこないことをナンニ・モレッティ・ファンの僕はずっと怒っていた。が、この2015年の日本でこの映画がようやく正式上映されることに何か宿命めいたものを感じてしまう……なぜなら本作は、ベルルスコーニ政権下、イタリアの政治の危機に向き合って撮られた映画だからだ。原題は『カイマーノ』――強欲を暗示する「ワニ」のことだ。僕が今年日本で観るべき映画は何かを問われれば、絶対に本作を挙げるだろう。

 とはいえ、この映画は単純なベルルスコーニ批判の映画ではなく、きわめて複雑な構造を取っている。まず、主人公は冷え切った夫婦関係に頭を悩ませ、また財政的にも窮地に陥っているB級映画のプロデューサー。そんな彼のもとに若い女性からある脚本『カイマーノ』が持ち込まれるのだが、斜め読みして企画を進めたら、なんてこった、ヒットなんてしそうもないベルルスコーニ批判の映画ではないか……。そもそも彼は「政治的な人間」ではない。だが気がついたときは映画制作は始まっている。何もかもうまくいかない――夫婦仲は悪化するいっぽうで、息子のサッカーの試合の応援にも行けない、映画の資金は集まらない、肝心のベルルスコーニ役は見つからないし、お土産のジェラートを買うことすらままならない。だが映画制作は動き出している。こんな映画を撮ったからって、経済も政治も生活も、何が解決するわけではない。だが、もう映画を作ることでしか何も始まらない。もう映画からは逃げられない。
 本作は政治映画であると同時にコメディでありメロドラマであり、それに映画と映画制作への愛の告白である。ナンニ・モレッティはとくに90年代の作品においてエッセイ的に「映画とともに生きる」ことを体現していたが、本作においてそれは徹底したテーゼになっている。映画は主人公ブルーノにとって仕事であり生活であり、悩みのタネであり災厄であり希望そのものでもある。自身の監督作に(それこそウディ・アレンのように)よく主演するモレッティが「今回はチョイ役だなー」と思っていたら、詳しくは書かないが、ラストで彼が映画そのものをすべて背負ってしまう様には感動を通り越して完全に打ちのめされてしまった。監督の映画作家として負った責任の重さがそこにはあり、と同時にこの映画が素晴らしいのは、撮影現場で叫ばれる「アクション!」を聞く瞬間を待つ喜びに満ちているからだ。意味があるか、勝てるかなんてわかりっこない。だけど、この映画でモレッティと向き合った僕たちは、とにかくやるしかないのだ。 (木津毅)

予告編(〈Viva! イタリア! Vol.2〉)


■わたしに会うまでの1600キロ

監督 / ジャン=マルク・ヴァレ
出演 / リース・ウィザースプーン、ローラ・ダーン 他
配給 / 20世紀フォックス映画
2014年 アメリカ
全国公開中。
©2014 Twentieth Century Fox

 女はひとりで南はメキシコ国境から北はカナダの国境まで約1000マイル歩くというバカな旅をしている。くじけそうになった瞬間に歌を口ずさみつつ、ひとり呟く。「ねえブルース、いっしょに歌って」……すると、そこにブルース・スプリングスティーンの“タファー・ザン・ザ・レスト”がほんの数秒重なってくる。いいシーンだ。いいシーンだし、音楽好きなら身に覚えのある光景だろう。
 本作はシェリル・ストレイドによる〈パシフィック・クレスト・トレイル〉の踏破体験の映画化であり、シングルマザーの母を喪い悲しみに暮れるあまりヘロインと行きずりのファックに溺れていた彼女が自分に向き合った旅を描いている。であれば、(邦題にあるような)自分探しの旅の映画だと思われがちだろうが、原題が『Wild』であることからもわかるように、それよりも「荒野」に出ることで「野性」を取り戻しつつ荷物を減らすことについて語られている。冒頭、立ち上がれないほどの荷物を背負っていた彼女は自身の記憶とともに旅をし、いくつかの出会いを通じて、少しばかり身軽になるだろう。
 過去の記憶がシームレスにフラッシュバックする映像はヴァレ監督らしい繊細な演出だが、そこでポップ・ミュージックが次々に流されるのもポイントだろう。とくにローラ・ダーン演じる母親との思い出はいつもサイモン&ガーファンクルの“コンドルは飛んでいく”とともにあり、だから気がつけば過酷な旅の道程でそのフォークロアのポップ・ヴァージョンが大音量で流れている。iPhoneではなく、記憶から音楽が流れ出す旅についての映画。観終えたら爆音でサイモン&ガーファンクルを聴きたくなる。それから荒野に旅立ってもいいだろう。 (木津毅)

予告編



■アメリカン・ドリーマー 理想の代償

監督 / J・C・チャンダー
出演 / オスカー・アイザック、ジェシカ・チャステイン 他
配給 / ギャガ
2015年 アメリカ
10月1日(木)より、TOHOシネマズ シャンテ 他にて全国公開。
© 2014 PM/IN Finance. LLC.

 70年代のニューヨークを描いた優れたギャング映画の空気を彷彿とさせつつ、本作は1981年のニューヨークを舞台として『もっとも暴力的な年』とのタイトルを持っている。つまり、燃料業界で成り上がることを夢見た男の物語でありながら主役は「その年のニューヨーク」に他ならず、フレームの外で起こっていること――「時代」そのもの――に翻弄され、あがき続ける人間たちのドラマである。監督は1971年生まれの気鋭J・C・チャンダーで、だからリアルというよりは彼が憧憬した街の荒涼さが画面に充満している。実際にはドンパチやるギャング抗争映画ではなく、30日間の期限のなか資金を集めるために奔走するという大変地味な話なのだが、それでもグラフィティだらけの電車のなかで追跡劇があったりとどうにもスリリングだ。
 『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』で浮上したオスカー・アイザックの弱々しい発話が印象的で、貪欲に成功を追いながらもそのこと自体に疲弊しているようにも見える。その両義性がアメリカということなのだろう。 (木津毅)

予告編


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