「K A R Y Y N」と一致するもの

Shuhari × ALTZ.P - ele-king

 2008年に結成され、海外公演も多くこなしてきた東京のインストゥルメンタル・バンド= Shuhari が活動休止を決定、その最後となるライヴを8月12日に表参道 WALL&WALL にておこなう。ポストロックやアンビエントなどを折衷する彼らの競演相手に選ばれたのは、大阪から独特のディスコ・ダブを編み出してきた ALTZ によるバンド・プロジェクト= ALTZ.P (今年頭にアルバム『La Toue』をリリース)。いまたまたま手元に2006年の『リミックス』誌があるのだけど、そこでアルツは「あっち(東京)がああなら、こっち(大阪)はこうだ」と、熱く語っている。両者の掛け算でいったいどんなマジックが生まれるのか?? DJとして hiro と eRee の2組も参加するとのことで、夏休みは WALL&WALL へGOです。

インストゥルメンタルバンド Shuhari の活動休止前ラストライブが競演に ALTZ.P を迎え表参道WALL&WALLにて実現!!

都内ライブハウスを中心に、カナダ・台湾・北京など海外でのツアーや野外イベント「剣乃舞」の主催など精力的に活動してきたインストゥルメンタルバンド、Shuhari。
奇しくも WALL&WALL 初登場であるこのライブを以て無期限の活動休止を発表した。

彼らの新たなる始まりを共に彩るのは、奇才ALTZによるフルバンドユニット、ALTZ.P。
リリースしたばかりのフルアルバム『La Toue』を引っ提げてのステージとなる予定だ。

さらにはDJとして都内クラブや音楽フェスなどでも活躍する hiro と eRee が加わり、空間や時間帯の枠を取り払ったダンスフロアへと誘う。

【公演情報】
- Shuhari x Altz.P -
日時:2019年8月12日(月、祝日)18:00開場/開演
前売り券:2,500円(1D別)https://t.livepocket.jp/e/0812wallwall
当日券:3,000円(1D別)

出演:
LIVE: ALTZ.P / Shuhari
DJ: hiro / eRee

WALL&WALL: https://wallwall.tokyo/schedule/shuhari-x-altz-p/

会場:WALL&WALL (https://wallwall.tokyo/)
東京都港区南青山3-18-19 フェスタ表参道ビルB1F(表参道交差点)

Félicia Atkinson - ele-king

 ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)とは、さまざまな心地よい音をヘッドフォンやイヤフォンで聴くことで「脳が溶けるような」感覚を得ることを指す。たとえばタッピング音、囁くようなヴォイス、雨の音、川の音、水の音、紙を丸める音、炭酸水の音、エアコンの発する音、工場の音などなどASMRで摂取される音の種類はさまざまだ(なかには咀嚼音や髪を洗う音まである)。ユーチューブにはそれらの音・動画が無数にアップされていて、自分の好みの音(動画)をみつけることで、たとえば就寝時などに摂取・聴取することで快楽を経て安眠を得たりするらしい。さらにはスマートフォンのアプリにもASMRを摂取/聴取できるアプリがある。ASMRが人気のいま、「どんな音楽を聴いているのですか?」という質問に、「ビリー・アイリッシュです」ではなく、「チョコレートを食べるときの咀嚼音です」とかいう返答も帰ってきても不思議ではない。つまり一音へのフェティシズムを喚起することで快楽を得る聴取行為なのだ。エクスペリメンタル・ミュージック・ファン/リスナーであれば、例えばフィールド・レコーディングやアンビエント、ノイズなどの聴取を思い浮かべるかもしれない。音それ自体への快楽である。
 しかしエクスペリメンタル・ミュージックが「意志と方法論と技法の結晶」=「音楽作品」として流通していることに対して、ASMRはそのような「音楽」ではない。ASMRの聴き手はただ脳が溶けるような音の快楽を求めている。おそらくスマートフォンの普及により(ということはネットのイヤフォン聴取の普及)、ノイズやエクスペリメンタル・ミュージック・リスナーではない層が、「音の快楽的摂取」に接する機会が増えた結果と思うのだが、同時に現代のリスナーのサウンド嗜好や音響の聴取に対する重要なヒントがあるような気がする。(私見だが)ビリー・アイリッシュ(ばかり例に挙げてしまって恐縮だが)の囁くようなヴォーカルとミニマル・トラックにもイヤフォンで聴くことから生まれる音の気持ちよさは、つまりASMRからの影響もあるのではないか、とか。

 トーマス・アンカーシュミットイーライ・ケスラーKTLJABブラック・ゾーン・ミス・チャントなどのエクスペリメンタル・ミュージック・アルバムをコンスタントにリリースし、まさに現在絶好調ともいえるフランスの電子音楽/エクスペリメンタル・ミュージック・レーベル〈Shelter Press〉だが、同レーベルの中心的アーティストであり、かつレーベル・オーナーでもある電子音楽家フェリシア・アトキンソンの音楽作品は電子音響の現在形だが、ときに「ASMR的」とも評される(じじつレーベルもそう紹介している)。その音は囁き声や細やかなノイズ音が交錯するものだが、ASMRと関連付けられていることは興味深い。
 そんなフェリシア・アトキンソンの『Hand In Hand』以来、2年ぶりのソロ・アルバム『The Flower And The Vessel』がリリースされた(2018年〈Shelter Press〉はジェフリー・キャントゥ=レデスマとのコラボレーション・アルバム『Limpid As The Solitudes』をリリース)。本作はレーベルにとって重要作であるだけではなく、音響音楽の現在形を考える上で極めて重要なアルバムだ。理由はノイズとミュージックの交錯と融解と聴取の快楽性の問題である。

 実はフェリシア・アトキンソンの経歴は長い。2008年にシルヴァン・ショヴォーとの共作『Roman Anglais』、2009年に〈Spekk〉からソロ・アルバム『La La La』をリリースして以来、ジェフリー・キャントゥ=レデスマとのコラボレーション作品を含めてコンスタントに9枚のアルバムをリリースしてきた。本作『The Flower And The Vessel』は記念すべき(?)10作目のアルバムである。じっさい本盤『The Flower And The Vessel』には、フェリシア・アトキンソンの音楽技法の粋を集めた傑作に仕上がっていた。声、電子音、ピアノなどが端正に、かつ逸脱的に重なりあい、それぞれが別の時空間から呼応しているようなサウンドを生成・構成しているのだ。
 前作『Hand In Hand』よりも、2015年の『A Readymade Ceremony』的な音に思えるが、その音響はさらに繊細になりつつ、ミュジーク・コンクレートを継承するような大胆なコンポジションも同時に展開する。エレガントなムードのなか不穏さすらも感じさせるサウンドは見事の一言。しかも今回はピアノが大きく取り入れられており、電子音とノイズとピアノの静謐なレイヤーはとにかく美しい。またゲストに『Life Metal』をリリースしたばかりである Sunn O))) のスティーヴン・オマリーが19分におよぶ“Des Pierres ”に参加。まるで KTL にフェリシア・アトキンソンが参加したような硬質かつ静謐な音響作品になっていた。本作の重要曲だ。
 ほかにもピアノの断片的な旋律と高音の電子音が絡み合う“Moderato Cantabile”、アンビエンスなギターとヴォイスが白昼夢のようにレイヤーされる“Shirley To Shirley”、砂時計のごとき電子音の粒子と声が流れ落ちる“Un Ovale Vert”、繊細なエレクトロニクスと不協和音を奏でるピアノに、童謡のような不安定な声が重なる現代音楽的な“Linguistics Of Atoms”、ライヒ的なミニマルなマリンバ音と細やかに蠢く“Lush”、複数の声と言葉がエディット/レイヤーされるサウンド・アート的な“L'Enfant Et Le Poulpe”など、アトキンソンは独自の音響美学と方法論によって、美麗かつ逸脱的なサウンドを繊細に組み上げらる。中でも“Un Ovale Vert”は、声と電子音とミニマルなフレーズが揺らめく光のカーテンのようにレイヤーされ、本作を代表する曲に思えた。

 本作『The Flower And The Vessel』で展開されるサウンドの緻密さ、繊細さ、運動性、多層性、そして気持ち良さは、2000年代以降のコンピューター内でノイズやサウンドを生成する電子音響作品の系譜を継ぐものだ。電子音響などのコンピューター生成音響音楽は00年代以降のもっとも革新的な音楽のひとつだが、それらがいわゆるエレクトロニカとして大衆化した現在、ゼロ年代初頭の革新性を継承するアーティストは稀になった。
 アトキンソンの音楽はピエール・シェフェール~リュック・フェラーリの音を継承するフランスのミュジーク・コンクレートの現在形だが、00年代以降のコンピューター生成の電子音響、10年代的な音の快楽的(ASMR的)聴取という二つのモードもレイヤーされているのだ。彼女の音響音楽の重要性はそこにある。音楽が音響のなかに融解する感覚が横溢している。
 この00年代から10年代は、インターネットによって情報量が増大化きた結果、音楽とノイズとの境界線が少しずつ溶けていっていった時代であった。ASMRの人気もそれに付随するものだろう。フェリシア・アトキンソンの新作『The Flower And The Vessel』は、そんな現代のリスニング・モードに呼応するアルバムに思えてならない。

OOIOO - ele-king

 日本でもっともオルタナティヴなバンド、ボアダムスの一員であり、昨年はロバート・アイキ・オーブリー・ロウ、スージー・イバラとともに素晴らしいライヴ録音盤『Flower Of Sulphur』を発表している YoshimiO。彼女の率いるバンド OOIOO が6年ぶりにアルバムをリリースする。タイトルは『nijimusi』で、10月10日に〈SHOCHY〉より発売。年明けには〈Thrill Jockey〉よりワールドワイドで発売されることも決定している。また、それに合わせて全国ツアー《OOIOO 滲ム ON 2019》もスタート、京都・大阪・宮城・東京をまわる。もしあなたが刺戟的なサウンドを求めているなら、この機会を逃してはならない。

OOIOO 滲ム On 2019

Thursday 3 October
In KYOTO @ Club Metro

京都市左京区川端丸太町下ル下堤町82 恵美須ビルB1F
B1F Ebisu Bldg. 82 Simodutsumi-cho Kawabata Marutamachi Sagaru Sakyoku Kyoto Japan
京阪・神宮丸太町駅2番口直通

Open 18:30 / Start 19:15
adv. 3000yen / door 3500yen (+1Drink)

w / 山本精一 & アリマサリ Seiichi Yamamoto and ARimasaLLi
α area (Sojirou from Abraham Cross)
DJ ALTZ

sound / kabamix

total info.
Kyoto Club Metro
phone: 075-752-4765

ticket
・ mail reserve
件名に「10/3 OOIOO 前売予約」と記入し、枚数、代表者さまのお名前と連絡先をお書きの上、ticket@metro.ne.jp に送信してください。*基本的にキャンセルはご遠慮くださいませ。
・ チケットぴあ (Pコード:159-428)
・ ローソンチケット (Lコード:56003)
e+

Friday 4 October
In OSAKA @ NOON+CAFE

大阪市北区中崎西3-3-8JR京都線高架下
3-3-8 Nakazakinishi Kitaku Osaka Japan

Open 18:00 / Start 19:00
adv. 3000yen / door 3500yen (+1Drink)

w/ α area ( Soojiro from Abraham Cross )
CROSSBRED
DJ YAMA

sound / kabamix

food : WOOST engine meals
アジアの食卓と地球エネルギーをイメージして、今の気分と食感のリズムを大切にお料理する亜細亜的移動食堂屋

total info.
NOON+CAFE
phone: 06-6373-4919
email: info@noon-cafe.com

ticket
・ mail reserve
件名に「10/4 OOIOO 前売予約」と記入し、枚数、代表者さまのお名前と連絡先をお書きの上、info@noon-web.com に送信してください。*基本的にキャンセルはご遠慮くださいませ。
・ ローソンチケット (Lコード:55265)
e+

Sunday 6 October
In MIYAZAKI @ Wandern

宮崎県都城市中町1-9
1-9 Nakamachi Miyakonojo Miyazaki

Open 18:00 / Start 19:00
4000yen (Includes 1drink)

live / OOIOO
sound / kabamix

total info. & ticket
・ tel.reservation
phone: 090 4601 8653 (セキ リョウタロウ)
・ mail reserve
件名に『OOIOO』と記入し、お名前・枚数・連絡先を書いて、wwd.ryotaro518@gmail.com に送信してください。確認後、返信メールをお送りします。
*電話 / eMAIL 予約、いずれの場合もキャンセルされる場合は必ずご連絡をお願い致します

Thursday 7 November
In TOKYO @ O-WEST, Shibuya

東京都渋谷区円山町2-3 2F
2-3 2F Maruyamachi Shibuya, Tokyo

Open 18:30 / Start 19:15
早割 early bird rate 2500yen / advance 3500yen (+1drink)

abura derabu 2019
live / GEZAN, FUCKER, OOIOO
sound / ZAK

ticket info
early bird rate O-WEST店頭早割 2019/7/21 13:00 - 2019/8/5 17:00 (03-5428-8793)
advance 一般販売 2019/8/10 11:00 e+

total info
シブヤテレビジョン 03-5428-8793 (mon to fri 12:00-18:00)

Bon Iver - ele-king

 先日新たに“Jelmore”と“Faith”の2曲が公開され、ますますニュー・アルバム『i, i』への期待が高まっているボン・イヴェールですが、なんと、新作の全世界同時先行試聴会が催されることになりました。日本では渋谷 Galaxy - Gingakei にて8月7日に開催。2019年の代表作になりそうな1枚をいち早く試聴する絶好の機会です。予定の空いている方はぜひ足を運んじゃいましょう。

Bibio - ele-king

 春先に喚起力豊かなニュー・アルバム『Ribbons』をリリースしたばかりのビビオが、未発表の新曲“Spruce Tops”を公開した。同作に収録されたサックスの映える素敵な1曲“The Art Of Living”のシングルカットに伴い、B面として採用された次第である。フルートとギターの対比がじつに麗しい。ビビオの旅路はまだまだ続くのだ……

BIBIO

最新アルバム『Ribbons』未収録の新曲“Spruce Tops”をカップリングした2曲入りシングル「The Art Of Living」をリリース!

聴く者の記憶や、心に浮かぶ情景に寄り添う心温まるサウンドで幅広い音楽ファンから支持を集める Bibio が、待望の最新アルバム『Ribbons』に収録された“The Art Of Living”に、アルバム未収録の新曲“Spruce Tops”をカップリングした2曲入りシングルをデジタル・ダウンロードとストリーミングでリリースした。

The Art Of Living
https://youtu.be/NMZ7NKj0wMw

Spruce Tops
https://youtu.be/Q41voFN0e5c

Bibio ことスティーヴン・ウィルキンソンは“The Art Of Living”を制作した際のインスピレーションを次のように語っている。

人生は目的のない旅だ。経験が素晴らしい師となり得る。その経験が辛いものであればあるほど。感動っていうのは、自分の足元にあるものだ。最もインスピレーションを与えてくれるものは、シンプルで身近にあるものだと思う。僕らの体や心には、順応し、回復する機能が備わっている。人生の旅っていうのはAからBに行くっていうようなものではなくて、もっと大きくて、曖昧なものなんだ。それは音楽に関しても言える。この曲は、個人的な経験や観察、そして哲学の教え、詩、その他の僕に影響を与えた色々な考え方を通して感じた可能性というのを反映している。 ──スティーヴン・ウィルキンソン (BIBIO)

新曲となる“Spruce Tops”は、控えめで美しいギターのサウンドが、それとは対照的に優雅なフルートのサウンドと重なり合った、瞑想的でのびのびとしたグルーヴを感じるインストゥルメンタルの楽曲だ。

作曲作詞はもちろん、歌唱、そしてほぼすべての楽器を自ら演奏する Bibio だが、最新作『Ribbons』はさらに独学で学んだマンドリンやバイオリンなどにも挑戦し、作品に新たな色を与えている。国内盤にはボーナストラック“Violet”が追加収録され、歌詞対訳、さらに本人によるセルフライナーノーツを含む解説書が封入される。

電気じかけのサイケデリックな田園空間が花開いていく。家にいながらにして春を味わえる1枚。 ──rockin'on

ビビオのつくりだす手工芸品のような細部は聴くものを魅了し、その儚くも美しい世界がたしかに存在するのを感じさせる ──intoxicate vol:139

フォークミュージックと西海岸のドリーミーさを詰め込んだ力作~。 ──POPEYE 5月号

美しく詩情ゆたかなサウンドは、新たらしい季節をより鮮やかに彩ってくれる ──FUDGE 5月号

label: WARP RECORDS
artist: Bibio
title: The Art Of Living
release: 2019.08.02 FRI ON SALE


label: WARP RECORDS/BEAT RECORDS
artist: Bibio
title: Ribbons

【CD】
cat no.: BRC-593
国内盤CD ボーナストラック追加収録/解説・歌詞対訳冊子封入
2019.04.12 FRI ON SALE

【カセット】
cat no.: BRC-593CS
国内盤カセット ボーナストラック収録
2019.04.12 FRI ON SALE

BEATINK.COM: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10210

反緊縮候補たちの参院選 - ele-king

 反緊縮候補たちの参院選が終わった。
 選挙結果と今後の反緊縮ポピュリズムの動きを考える。


 参院選が終わった。選挙前の予測どおり大勢に影響はなかったと言えるだろう。自民党の議席は微減し、立憲民主党は議席数を倍増させた。しかし、この立憲の躍進に見える結果も、実情は比例票を約300万票も減らす形で、16年の参院選前に民進党の保有していた議席が立憲と国民民主党とに割り振られたかっこうになっただけとも言える。依然として参議院での過半数は与党に抑えられ、「ねじれ国会」を作るには至らなかった。(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201907/CK2019072202000321.html

 メディアから「台風の目」とも称された反緊縮・れいわ新選組は、山本太郎代表はどうなっただろう。れいわ新選組は228万票を獲得し政党要件を獲得、山本氏自身も99万もの比例票を獲得したが、新設された特定枠で擁立した重度障がい者の2人を優先的に当選させ、3議席目を得られなかったため落選した。01年以降の現行選挙制度で落選者の最高得票も更新した形となり話題を呼んだが、 山本氏は自分の保身のための参議院での1議席など、ハナから捨てる覚悟でいたんじゃないかとも感じる。彼が次期衆院選について、「政権選択なので、立候補者100人ぐらいの規模でやらなければいけない」と発している(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190722-00000009-mai-pol)通り、「本丸」はあくまで政権奪取であり、現在は「一の門」である参議院の門を突破したに過ぎない。実際に、欧州の反緊縮ポピュリズム政党は、結党からわずか数年で政権の座に手をかけるほどに急速に巨大化していて、れいわに限っても非現実的な目標と言い切れないのだ。

 選挙結果を伝える各テレビ報道でも、リベラル系メディアはこぞって当選した重度障がい者の舩後靖彦氏と木村英子氏を特集した。元郵政・金融大臣の亀井静香をして「戦術家」と言わしめる山本氏の作戦勝ちだろう。山本氏が「障がいのある政治家を国会に送り込むことが、障害に関連する政策を進めるための効果的な一歩になる」とロイター・国際版に語った(https://www.reuters.com/article/us-japan-election-disabled/japan-disabled-challenge-stigma-barriers-to-run-for-upper-house-seat-idUSKCN1UC0ZL)ように、この世界初の試みは、国会のバリアフリー化のみならず、社会福祉分野への財政拡大に繋がる経済政策ともなりえる。人口の8%にも及ぶ身体的および知的障がい者の代表の誕生が、山本氏の掲げる「生産性で人間の価値をはからせない世界」の構築にどう影響を与えるか、今後の活躍が期待される。

 さて、今参院選では不名誉な記録も作られた。投票率が48.8%で戦後2番目の低さになった(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190722/k10012002661000.html)というのだ。マスコミ報道によると「関心がなく盛り上がりに欠ける選挙」だったそうで、「与党支持に大きな広がりはみられないものの、低投票率に支えられた」そうだ。しかしこの低投票率と無関心、与党の安定を支えたのは、「大本営発表」とも揶揄されるマスコミ自身であることは言うまでもない。(https://www.asahi.com/articles/DA3S14102991.html

 「スポンサーであるグローバル企業や大企業の顔色を伺い、忖度をすることによるスピンコントロールが行われている」とは、投開票日の山本太郎氏の言だ。筆者の知る限り、これほど国民対マスコミの対立が表面化した選挙は他に類を見ない。既得権者たるマスコミは、ネットユーザーから「上級国民」と疎まれるが、この構造も欧州のポピュリスト政党をめぐる状況とよく似ている。投開票日における、れいわ新選組の候補者たちによるマスコミ批判(https://www.youtube.com/watch?v=5Fr8h28yPYE)が大変興味深かったので拾ってみたい。

 新聞やテレビなどの主流メディアが、れいわ新選組を扱わない状況について、マスコミの記者から質問された山本氏は「メディアもガチンコで喧嘩してほしい。明らかにおかしな報道が続いている。言葉を選ばずに言うと、“どこまで自民党のお尻を舐めるんだろう”みたいな。争点がまったく見えない、それだけを観ていれば自民党に入れてしまうような報道」と表現し、れいわ候補の安冨歩氏(東京大学教授)も「インターネットの力がなかったられいわは2議席取れなかった。メディアの皆さんの存在基盤がまもなく失われることを認識してほしい」と続いた。

 同党候補で、財政・金融システムに詳しい大西つねき氏(元J.P.モルガン銀行)は「メディアのみなさんは、税収で借金を返済したらどうなるかわかりますか? それを理解していない。私たちが消費税ゼロと言ったときにはちゃんとロジックがある。皆さんの仕事は真実を知って暴くことだが、その根本的な能力が足りていない。なぜアメリカからMMTのようなものが出てきたのか皆さん理解してないでしょう? それでよく報道機関だといえますよね。お金の発行の仕組みを知ることが日本を、世界を良くすることにつながる。レクチャーするのでぜひ取材に来てください」と発破をかけた。

 同じく候補で、コンビニのブラック問題で闘う三井よしふみ氏は、「コンビニ問題を、長年マスコミの人に話していますが、現場ではわかったと言いながら、なんで本社に帰ったら話が消えるんですか?皆さんはジャーナリストになった時には真実を伝えたいと思ってこの職業を選んでないですか?いつからサラリーマンになっちゃったんですか。コンビニの本部はマスコミなんかいくらでも操作できると思っている、ナメられてるのは貴方たちだ。俺たちと世界を変えようじゃないか」と奮起を促した。

 筆者も現場で一部始終を見守っていたが、彼らが本気で政権を取り、このぶっ壊れた日本を変えようとガチンコでケンカをしかけているのだと再認識した次第だ。こうして「天才!たろうの元気が出る選挙・シーズン1」は幕を閉じることになったが、いかに批判者が冷笑し、誹謗中傷を加えてもれいわ新選組の躍進は止まりそうにない。MMTのファウンダーの1人、L・ランダル・レイの言葉を引用する。「現代貨幣理論(MMT)は、3つの段階を経るだろう。まず、馬鹿にされる。 第二に、激しく反対される。 第三に、それが自明のものだと認められる。 MMTの教義の多くは、すでに第三段階に入っている。元批評家達は現在、それらを”最初から知っていた”と主張している」。MMTに対する評価に限らず、れいわの評価も同じ道を歩むことが予想される。

 さて、他野党の反緊縮候補たちはどうなっただろう。反緊縮候補を認定・推薦する団体、薔薇マーク・キャンペーンによると、認定した反緊縮候補の50人中10人が当選(https://rosemark.jp/2019/07/22/02-19/)した。その中でも注目したいのが立憲民主党の石垣のりこ氏だ。石垣氏は野党統一候補として挑み、自民現職の愛知治郎氏との接戦を制し、1人区で立憲の公認唯一の当選者となった。選挙戦中も党議拘束になかば反する形で「消費税ゼロ」の主張を発し続けたが、皮肉にも、国民生活の底上げを訴えるその声が有権者に届くかっこうとなり、当選を成し遂げたといえるだろう。山本太郎氏と行ったジョイント街宣では、仙台駅西口を1000人以上もの聴衆で埋め尽くした。「1枚目の投票用紙(選挙区)には石垣のりこと、2枚目の投票用紙に(比例)は山本太郎とお書きください」と訴えた石垣氏、山本氏双方の演説が、野党共闘のうねりをより大きく共振させた。従前の参院・衆院選の結果から野党が強い土壌であることは知られるところだが、経済評論家の池戸万作氏は「野党が東北の4県を制したのはこの街宣の影響が大きい」と評している。

 前回コラムで、筆者が注目していた社民党の相原りんこ候補は、激戦区・神奈川で健闘したが、惜しくも敗れた。選挙中もブレることなく財政出動、消費減税を訴え続ける姿勢は、多くの反緊縮派から賞賛を得たが、社民党の脆弱な組織力も背景に、望みどおりの選挙戦を闘うことができなかった印象だ。選挙後、筆者がヒアリングしたところ、本人は反緊縮活動を行うため新たな道を歩むということだったが、多くのネット市民からは、1年以内に行われると予想される衆院選には、れいわからの出馬を望まれているようだ。

 薔薇マークを認定された候補も、その認定自体が当選に結びついたとは言えず、まだまだ反緊縮が市民権を得るような状況には至ってはいない。しかし反緊縮の波は確実に拡がっている。今年の初めから、立命館大学教授・松尾匡氏の薔薇マークをはじめ、京都大学大学院教授・藤井聡氏の主宰する「令和の政策ピボット」、山本太郎氏のれいわ新選組などの反緊縮グループが次々に立ち上がり、2019年は日本での反緊縮元年といえる年になった。年初からわずかながらではあるけど、メディア報道も増えていった。まさか、MMTerのランダル・レイ教授やステファニー・ケルトン教授が、テレビのゴールデンタイムで特集されようなど、つい半年前まで想像さえしていなかった状況だ。イタリアの反緊縮ポピュリズム政党・五つ星は、結党からわずか9年で政権の座についたが、このトレンドが止まることはないだろう。次の衆院選が勝負となる。

 今回、反緊縮派候補やれいわの躍進を支えたのは、大衆だ。普段政治に興味のなかった層が初めて自発的に投票したという話も聞く。しかし、日本では、民主主義とは投票行動のことであり、国会での多数決のことだと勘違いしている人たちも多い。首相自らが「憲法は国の理想を語ったもの」だと、誤った認識にもとづく発言を重ね、テレビはそれを無批判に垂れ流すような国だ。

 今後、消費増税で消費が落ち込み、オリンピック特需も終了、さらには外国人労働者の流入や働き方改革により、労働者全体の賃金が引き下げられるような事態にならないとは限らない。まだまだ状況を楽観視することなどできないが、掃き溜めにえんどう豆の芽が顔を出し、沼地にも蓮の葉が育とうとしていることに希望を見出したい。

Tohji - ele-king

 今年3月に公開された新曲“Rodeo”が大きな注目を集め、その後の主催イヴェント《Platina Ade》は WWW の動員記録を塗り替えるなど、いまもっとも勢いに乗っているラッパーの Tohji が、待望のファースト・ミックステープをリリースする。《Platina Ade》に訪れたオーディエンスの大半が未成年だったという事実は、彼が若い世代から支持を得ていることの力強い証拠だけれど、そんな次世代のホープによる初のまとまった作品集はわたしたちに、いったいどんな表情を見せてくれるのだろう。リリースの8月7日まであと1週間、来る衝撃に備えるべし。

東京を席巻する新たな熱狂の象徴 Tohji、待望の 1st Mixtape 『angel』リリース

既成概念を軽々と更新し続ける圧倒的な存在感で同世代から強く支持され、シーンの垣根を超えた注目を集めるラッパー・Tohji の 1st Mixtape 『angel』が8/7にリリースされる。

Tohji が本作で提示するのは、穢れのない天使像とは異なる、時代の閉塞感を絶ち切る希望の象徴としての「angel」。Tohji の手にする壮大なパレットを駆使して作り上げられた本作は、常に新たな景色を切り拓く Tohji のネクストステージを予感させる内容となっている。

クレジットには、KOHH や BAD HOP にも楽曲提供を行っている MURVSAKI、Kano や AJ Tracey を手がけるUKのトッププロデューサー Zeph Ellis など、錚々たるトラックメーカーが名を連ねる。客演は、Keith Ape との共作“It G Ma”や、Frank Ocean 『blonde』の制作にも携わったことでも知られる Loota。アートワークは、Post Malone や Rejjie Snow を手がけるロシア人アートディレクター Anton Reva によるもので、ビジュアル面からも Tohji の新境地が垣間見える。

8月中に本 Mixtape からミュージック・ビデオを2本公開予定(全4本を予定)。8/8リリース予定となる“HI-CHEW”のミュージック・ビデオを手がけるのは、ベトナム・ハノイを拠点とする気鋭の映像制作チーム ANTIANTIART。8月後半にリリースされる“Snowboarding”を担当するのは、アートワークも手がけた Anton Reva。Tohji のクリエイティビティは、すでに国境を越え全世界へと広がっている。

◆About Tohji

Tohji/アーティスト

ハードとメロウを併せ持つ奔放な音楽性で、東京のユースを中心に熱狂的な支持を集める。

2018年末、主催するコレクティブ「Mall Boyz」としてepを発表。収録楽曲がストリーミングプラットフォームの公式プレイリストに多数ピックアップされ、2019年にリリースしたシングル「Rodeo」は「SoundCloud Japan All genre music chart」で1位を獲得。同年3月には渋谷WWW にて主催イベント「Platina Ade」を実施し、550人のオーディエンスを集め動員記録を更新。6月にはULTRA KOREAへ出演するなど、その勢いは留まることなく、さらに大きなステージへと向かっている。

8月には制作やライブ出演を兼ねたロンドン滞在を予定している。8/9には NTS Radio で自主企画の放送、8/16 にはパーティークルー Eastern Mergins 主催のサウンドクラッシュにヘッドライナーとして参加するなど、今後の展開にも目が離せない。

Twitter:https://twitter.com/_tohji_
Instagram:https://www.instagram.com/_tohji_/

◆商品情報

アーティスト:Tohji
タイトル:angel
リリース日:2019年8月7日

各種配信サービスにてリリース
Spotify: https://open.spotify.com/album/71f01ZBORjdXl61uvZElCN
Apple: https://geo.itunes.apple.com/jp/album/1473784456?mt=1&app=music&at=10l7qr
iTunes: https://geo.itunes.apple.com/jp/album/1473784456?app=itunes&at=10l7qr

◆トラックリスト

01. intro
02. Snowboarding
03. Rodeo
04. mamasaidloveme
05. HI-CHEW
06. Jetlife feat. Loota
07. トウジ負傷
08. on my own way
09. miss u

WWW & WWW X Anniversaries - ele-king

 渋谷を代表するヴェニューであり、精力的に尖ったイベントを開催し続けている WWW と WWW X が、今年もアニヴァーサリー企画《WWW & WWW X Anniversaries》を大展開。WWW はオープン9周年、WWW X のほうは3周年とのことで、相変わらず興味をひく公演ばかりです。
 9/20は《Local X5 World》としてツーシン(Tzusing)とキシ(Nkisi)待望の初来日公演が開催。9/23は D.A.N. の主催する《Timeless》にデンマークから Erika de Casier が参加。10/5は幾何学模様のライヴ、10/12はシカゴからジャミーラ・ウッズの来日公演。10/18は《Emotions》に KID FRESINO と釈迦坊主、そして先ほどミックステープのリリースがアナウンスされたばかりの Tohji が出演する。今年の秋も WWW と WWW X はすごい!

[8月29日追記]
 本日、情報公開第二弾として、新規公演と追加ラインナップが発表された。詳細は下記を。

「WWW & WWW X Anniversaries」追加ラインナップ
※太字が第二弾発表分

●9/20(金・深)「Local X5 World」@ WWW X
 出演:Tzusing / Nkisi / GAIKA / Fuyuki Yamakawa / Yousuke Yukimatsu / Mars89 / Mari Sakurai / speedy lee genesis
●9/23(月・祝)「Timeless #5」@ WWW X
 出演:D.A.N. / Guest Act: Erika de Casier (from Denmark)
●10/5(土)「Kikagaku Moyo JAPAN TOUR 2019」@ WWW X
 出演:幾何学模様 / Kikagaku Moyo / SPECIAL GUEST: OGRE YOU ASSHOLE
●10/12(土)「Jamila Woods」@ WWW X
 出演:Jamila Woods
10/14(月・祝)「In&Out」@ WWW
 出演:Deca Joins (from Taipei) and more
●10/18(金)「Emotions」@ WWW / WWW X / WWWβ
 出演:dodo / KID FRESINO / LEX / 釈迦坊主 / Tasho Ishi / Tohji / SPARTA / YamieZimmer & Friends / DJ: speedy lee genesis and more (A to Z)

 以下は、第一弾発表分です。

WWW & WWW X Anniversaries ページ
https://www-shibuya.jp/news/011281.php

熱狂のアジア&アフロ・ディアスポラ! ハードに燃え盛る中国地下の先鋭 Tzusing とコンゴ生まれ、ベルギー育ちのアフリカン・レイヴ/IDMなロンドンの新鋭 Nkisi (UIQ) を初来日で迎え、世界各地で沸き起こる“第3の力”をテーマとした WWW のシリーズ・パーティ〈Local World〉がアニバーサリーとして開催。圧倒的な“強さ”を誇る全8組のフル・ラインナップにも乞うご期待!

WWW & WWW X Anniversaries "Local X5 World - Third Force - "
日程:2019/9/20(金・深)
会場:WWW X
出演:Tzusing [Shanghai / Taipei] / Nkisi [UIQ / Arcola / London] / and more
時間:OPEN 24:00 / START 24:00
料金:Early Bird ¥1,800@RA *枚数限定 / limited | ADV ¥2,300@RA | DOOR ¥3,000 | U23 ¥2,000
チケット:https://www.residentadvisor.net/events/1298708

公演詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/011423.php
https://localworld.tokyo


毎回国内外の多彩なゲストを呼んで開催される、D.A.N. によるレギュラーイベント "TIMELESS"、#5 の開催が決定! 今回のゲストは、デンマークから初来日となる新星アーティスト・Erika de Casier。コペンハーゲンのハウス・シーンと密接に繋がる彼女のアディクティブなトラックと繊細でセンチメンタルなヴォーカルはコアな音楽ファンの間で大きな話題に。作品毎にチャレンジを続け進化するD.A.N. による、まさにダークホースなゲストを迎えた Timeless をお見逃しなく。

WWW & WWW X Anniversaries "Timeless #5"
日程:2019/9/23(月・祝)
会場:WWW X
出演:D.A.N. / Guest Act: Erika de Casier
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
料金:ADV ¥3,800(税込 / ドリンク代別 / オールスタンディング)
チケット:
■先行予約:受付期間:8/3(土)12:00~8/18(日)23:59 ※先着
https://eplus.jp/wwwx-timeless5/
■一般発売:8/24(土)10:00~
e+ / ローソンチケット / チケットぴあ / LINE Ticket / iFlyer

公演詳細: https://www-shibuya.jp/schedule/011417.php

世界各国でソールドアウト公演を連発する幾何学模様/Kikagaku Moyo の2年ぶりとなる日本ツアーが決定! 最新作『マサナ寺院群』は「Discogs で最も集められた日本産レコード 2018/2019前半」の首位を獲得し、今年はアメリカ最大級の音楽フェスティバル「Bonnaroo」、ヨーロッパ3大フェスの1つ「Roskilde」などへの出演に加え、King Gizzard & The Lizard Wizard や Khruanbin といった現在の欧米インディーシーンをけん引するアーティストたちとの交流も深く、まさに日本のサイケデリアを代表する存在となりつつある幾何学模様/Kikagaku Moyo。後日発表となるスペシャルゲストにもご期待ください!

WWW & WWW X Anniversaries "Kikagaku Moyo JAPAN TOUR 2019"
日程:2019/10/5(土)
会場:WWW X
出演:幾何学模様/Kikagaku Moyo + Special Guest: TBA
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
料金:ADV¥4,000(税込 / ドリンク代別 / オールスタンディング)
チケット:発売中
e+ / ローソンチケット[L:76545] / チケットぴあ [P:159-853] / iFLYER / WWW店頭

公演詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/011360.php

シカゴの知性“Jamila Woods”来日公演決定!
今年5月に絶大な評価を獲得した前作『Heavn』から約3年振りとなる待望の2ndアルバム『LEGACY! LEGACY!』をリリースし、自らのルーツやアイデンティティを深く掘り下げ、詩的に表現して、その評価を決定づけたシカゴのシンガー・詩人“Jamila Woods”の来日公演をお見逃しなく!

WWW & WWW X Anniversaries "Jamila Woods"
日程:2019/10/12(土)
会場:WWW X
出演:Jamila Woods
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:ADV ¥6,000 / DOOR ¥6,500 (税込 / ドリンク代別 / オールスタンディング)
チケット:
■先行予約:8/3(土)10:00~8/18(日)23:59 ※先着
https://eplus.jp/wwwx-jamilawoods/
■一般発売:8/24(土)10:00
e+ / ローソンチケット[L:72345] / チケットぴあ[P:161-087] / WWW店頭 / iFLYER

公演詳細: https://www-shibuya.jp/schedule/011424.php



WWW・WWW X・WWWβを舞台に様々な感情や価値観が集い、多様性豊かに彩るフライデーナイトパーティーシリースズ 「Emotions」。出演者第一弾はフリーフォームかつジャンルにとらわれない柔軟な活動が注目を集め、先日の FUJI ROCK FES でもヒップホップの可能性を拡張させるような圧倒的パフォーマンスを披露した“KID FRESINO”、耽美でサイケデリックな世界観を最新型のトラップミュージックとして表現し、自身が主催するイベント「TOKIO SHAMAN」は毎回超満員で狂信的人気を博す“釈迦坊主”、既成概念を軽々と更新し続ける圧倒的な存在感でユースを中心に熱狂的な支持を集め、本日同時に待望の1st Mixtape『angel』の8/7リリースが発表された“Tohji”がラインナップ!
後日発表となるジャンルレスな追加出演者にも乞うご期待!

WWW & WWW X Anniversaries "Emotions"
日程:2019/10/18(金)
会場:WWW / WWW X / WWWβ
出演:KID FRESINO / 釈迦坊主 / Tohji / and more (A to Z)

詳細後日発表

公演詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/011425.php

Jlin - ele-king

 もともとの出自たるフットワークの領域をはるかに逸脱し、意欲的な挑戦を続けているジェイリン。彼女は昨年、振付師ウェイン・マクレガーのコンテンポラリー・ダンス作品『Autobiography』のためにスコアを書き下ろしていたけれど、今度はなんとヴィデオ・ゲームである。
 今回ジェイリンがサウンドトラックを手がけることになった『Songs Of The Lost』は、カナダのゲーム・デザイナー、パロマ・ドーキンスが芸術祭《マンチェスター・インターナショナル・フェスティヴァル》の委嘱により制作したマジックリアリズム的ゲームで、プレイヤーは「アポカブリス」なる安全地帯を目指して高速道路を歩き回ったり国境を越えたり森を散策したり、得体の知れない人物と遭遇したりするらしい(ゲームじたいはこちらからダウンロード可能)。
 最近ではホーリー・ハーンダンのアルバム『Proto』への参加も話題となったジェイリン。今後もその動向から目が離せそうにない。

Shinobi, Epic & BudaMunk - ele-king

 ビートメイカーとしてLAのアンダーグラウンド・シーンにて活動しながら、のちのLAビート・シーンを築く面々とも交流し、日本への帰国後は〈Jazzy Sport〉や〈Dogear Records〉などを基盤にソロや様々なプロデュース・ワークを生み出しながら、5lackISSUGI とのユニットである Sick Team や mabanua との Green Butter など幾つものコラボレーションによるプロジェクトを手がけてきた、ヒップホップ・プロデューサーの BudaMunk。その彼が、新たに Shinobi と Epic というふたりのラッパーと組んで完成させたのが、本作『Gates To The East』だ。実の兄弟という Shinobi と Epic のふたりは、過去にも BudaMunk の作品にたびたび登場しており、今回、満を持してのアルバム・デビューとなる。横須賀を拠点に活動していたという彼らのラップは基本的に英語がベースであるのだが、本作はなんとも不思議なオリエンタル感がアルバム全体に漂っているのが興味深い。過去にはLA時代の盟友であるラッパーの Joe Styles と100%英語のリリックによる、LAアンダーグランドのフレイヴァ溢れるアルバムをリリースしている BudaMunk だが、本作の雰囲気は明らかに異なる。当然、ごく僅かながらリリックに挟み込まれる彼らの日本語もスパイス的に作用しているであろうが、決してそれだけではない。言葉では明確には表現できない“わび・さび”のような感覚が、このアルバムの空気感を作り上げているように思う。
 90年代、2000年代のヒップホップをベースにしながら、それをいまの感覚でアップデートした上での“ブーンバップ・ヒップホップ”が、BudaMunk のサウンドの軸になっているわけだが、本作でもその軸は全くブレていない。フィルターの効いたサンプリングのウワモノやドラム、ベースとの組み合わせが、心地良さとドープネスを同時に生み出し、さらに絶妙な揺らぎが独特なグルーヴを生み出す。そして、そのサウンドに、同じ温度感を持った Shinobi と Epic のレイドバックしたラップが実に見事にフィットしている。兄弟ということもあってか、多少の声の高低の違いはあるものの、ふたりのラップの質感は似ている部分も多い。それゆえにフィーチャリング・ゲストが入ることで生まれる変化の振れ幅は非常に大きく、ISSUGI が参加した本作のメイントラックでもある“Mystic Arts”の破壊力の凄まじさがそれを物語っている。一方、ある意味、飛び道具的な“Mystic Arts”に対して、アルバム全体は実にいぶし銀の仕上がりだ。しかし、ひとつひとつの曲を聴き込めば聴き込むほど、そのトラックとラップが実に複雑に絡み合い、共鳴していることが分かるだろうし、2019年の最先端のストリート・サウンドが本作には充満している。
 アメリカやヨーロッパなどにも着実に根付いているブーンバップ・ヒップホップのムーヴメントだが、BudaMunk こそがこのムーヴメントの中で、日本を代表する存在であることを改めて認識させてくれる作品だ。

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