「K A R Y Y N」と一致するもの

Fat White Family - ele-king

 これは次世代のスリーフォード・モッズか!? ジャズだけでなくロックも活況を呈するサウス・ロンドンから、またも強烈なバンドが現れた……といってもすでに2枚のアルバムを発表しているので新人というわけではないのだけれど、今回はなんとあの〈Domino〉からの新作ということで、期待せずにはいられない。「太った白人家族」なるバンド名からして皮肉が効いているし、ネオナチを諷刺したようなビデオの数々もインパクト大。過去には“I Am Mark E Smith”なんて曲も発表している(ちなみに前作収録の“Whitest Boy On The Beach”は『T2 トレインスポッティング』でも使用された)。ガッツあふれる彼らの前途に期待しよう。

FAT WHITE FAMILY

群雄割拠のサウス・ロンドンから真打登場!
シェイムからゴート・ガールまでが憧れる史上最凶のカリスマ
〈Domino〉移籍第1弾アルバム発売決定!


Photo: Ben Graville

キング・クルール、トム・ミッシュ、ジョルジャ・スミスを筆頭に才能あふれるタレントを次々と輩出する一方で、ジャズからパンクまで様々な音楽が渦巻き、新たなカウンター・カルチャーの震源地となっているサウス・ロンドンから、史上最凶のカルト・ヒーローとしてシーンへ絶大な影響を与えるファット・ホワイト・ファミリーが、最新アルバム『Serfs Up!』のリリースを発表!

最新シングル「Feet」が現在公開中。
Fat White Family - Feet (Official Video) (Explicit)
https://youtu.be/avXN2a0WJ5U

アークティック・モンキーズやフランツ・フェルディナンドを擁する〈Domino〉移籍第1弾作品となる本作は、まるでジム・モリソン、スーサイド、アフリカ・バンバータが激突したかのような、代名詞であるアナーキーな姿勢はそのままに、60年代のトロピカーナから、ヴェルヴェッツやデヴィッド・ボウイの妖艶さとスター性、80年代のダンスホール、デヴィッド・アクセルロッドを彷彿とさせるフュージョン、ペット・ショップ・ボーイズのシンセ・サウンド、アシッド・ハウス、PIL以降のダブなど、実に多彩な音楽要素を発露し、アルコール臭キツめのサイケデリアにドブ漬けした怪作となった。またイアン・デューリーの息子で、独特のヴォーカル・スタイルで人気を集めるバクスター・デューリーもゲスト参加している。

ファット・ホワイト・ファミリーの最新作『Serfs Up!』は、4月19日(金)に世界同時リリース! 国内盤CDには、ボーナストラック“Waterfall”を追加収録。iTunes でアルバムを予約すると、公開中の“Feet”がいち早くダウンロードできる。

label: Domino / Beat Records
artist: Fat White Family
title: Serfs Up!
cat no.: BRC-597
release date: 2019/04/19 FRI ON SALE

BEATINK.COM: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10130

[TRACKLISTING]
01. Feet
02. I Believe In Something Better
03. Vagina Dentata
04. Kim’s Sunsets
05. Fringe Runner
06. Oh Sebastian
07. Tastes Good With The Money
08. Rock Fishes
09. When I Leave
10. Bobby’s Boyfriend
11. Waterfall (Bonus Track For Japan)

仙人掌 - ele-king

 昨年6月にリリースされ、各所で話題を集めた仙人掌のセカンド・アルバム『BOY MEETS WORLD』。NY在住のプロデューサー DJ SCRATCH NICE による全面サポートのもと制作された同作のリミックス盤が登場! 今回は BudaMunk をはじめ日本のビート・シーンで活躍する凄腕のビートメイカーたち10人がリミキサーとして参加。デジタルで先行発売されたものとは異なるリミックスや、仙人掌の新曲“TBA”も収録されるとのこと。オリジナルを踏まえたジャケも良い感じです。リリースは3月20日。心して待て!

仙人掌のマスターピースなセカンド・アルバム『BOY MEETS WORLD』の楽曲をビート・シーンで活躍する先鋭ビートメイカーたちが再構築した珠玉のリミックス・アルバム! 待望となる新曲“TBA”も収録!

◆ 2016年リリースの初となるオフィシャル・ソロ・アルバム『VOICE』に続き、2018年6月にNY在住のプロデューサー、DJ SCRATCH NICE とのジョイントでリリースしたマスターピースなセカンド・アルバム『BOY MEETS WORLD』も高評価を獲得。全国4都市をまわる《BOY MEETS WORLD 4 CITY TOUR》でも満員御礼の各会場を沸かせた仙人掌の次なるリリースは、その『BOY MEETS WORLD』のリミックス・アルバム!

◆ 仙人掌主導による本リミックス・プロジェクトは日本のビート・シーンをベースに、世界レベルでその名が知られている先鋭のクリエイターたちが集結! 仙人掌とも幾度となくコラボしている BudaMunk を筆頭に、ILLSUGI、BUGSEED、Aru-2、CRAM、RLP、EYTREG、dhrma、JUN NAGAOSA、YOTARO の10名のビートメイカーたちがラインナップ!

◆ 仙人掌を中心にその BudaMunk や ILLSUGI らが出演した DOMMUNE での本リミックス・プロジェクトとの連動スペシャル・プログラム「BEAT MEETS WORLD」や参加リミキサー勢が J-WAVE の夜を6日間ジャックし、スペシャル・ミックスをお届けした「TOKYO M.A.A.D SPIN」とのジョイント企画、さらには10週連続での先行デジタル・シングルのリリースも大きな話題に!

◆ また本アルバム用に、先行デジタル・リリースしたものとは異なるリミックス/ミックスも幾つか収録。そして、仙人掌による待望の新曲“TBA”(Prod by NARISK)も収録!

◆ オリジナルの『BOY MEETS WORLD』のジャケットをオマージュした今作のジャケットは JELLY FLASH の手によるもの。

[アルバム情報]
アーティスト:仙人掌 (センニンショウ)
タイトル:BOY MEETS WORLD - REMIX (ボーイ・ミーツ・ワールド:リミックス)
レーベル:WDsounds / Dogear Records / P-VINE
品番:PCD-24794
発売日:2019年3月20日(水)
税抜販売価格:2,400円

[TRACKLIST]
1. 99'Til Infinity (dhrma REMIX)
 Remixed by dhrma
2. Boy Meets World (KO REMIX)
 Remixed by Yotaro
3. Penetrate (CRAM REMIX)
 Remixed by CRAM
4. Darlin' feat. jjj (EYETREG REMIX)
 Remixed by EYETREG
5. Water Flow (Junnagaosa REMIX)
 Remixed by Junnagaosa
6. Bottles Up (Aru-2 REMIX)
 Remixed by Aru-2
7. Rap Savor feat. MILES WORD (ILLSUGI REMIX)
 Remixed by ILLSUGI
8. Show Off (BudaMunk REMIX)
 Remixed by BudaMunk
9. So Far (Bugseed REMIX)
 Remixed by Bugseed
10. World Full Of Sadness (RLP REMIX)
 Remixed by RLP
 Additional Vocal by SOGUMM
11. TBA
 Prod by NARISK

The Concept of The Remix Album is Made by BudaMunk & 仙人掌
All Mixed and Mastered by Aru-2

[仙人掌 - PROFILE]
MONJU / DOWN NORTH CAMP のメンバー。東京最高峰のMC。
吐き出すバースの危険さは数々の楽曲で証明済み。今までにストリート・アルバム、メンバーズオンリー・アルバム、オフィシャル・ファースト・アルバム『VOICE』(2016年)、2018年には3月にEP『Word From ...』、6月にセカンド・アルバム『BOY MEETS WORLD』をリリース。

Stereolab - ele-king

 90年代におけるクラウトロック再評価の筆頭、ステレオラブ。そのポップかつアヴァンギャルドなサウンドがいまの時代とリンクしていると考えたわれわれは昨年、レティシア・サディエールへのインタヴューを試みたわけだけれど(英語版はこちらから。日本語訳は紙エレ22号に掲載)、どうやらその読みは外れていなかったようだ。2009年の活動休止以降、ティム・ゲインもレティシアも精力的に活動を続けてきたのはご存じのとおりだけど、なんとこの5月、彼らはふたたび集い合い、ステレオラブとして10年ぶりに活動を再開する。それにあわせて、旧譜7タイトルがリイシューされることも発表された。第一弾として5月3日にセカンド『Transient Random-Noise Bursts With Announcements』とサード『Mars Audiac Quintet』が発売される。ステレオラブ自身の主宰する〈Duophonic〉と〈Warp〉との共同リリースとなっている点も感慨深い(熱心なファンなら、かつて『Aluminum Tunes』が〈Warp〉から出ていたことを思い出すだろう)。新たにデモ音源なども収録されるそうなので、すでに持っている人も要チェックです。

STEREOLAB

10年ぶりに再始動をしたオルタナティヴ・ミュージック界の皇帝、
ステレオラブの7タイトル再発キャンペーンがスタート!

90年代に結成され、クラウトロック、ポストパンク、ポップ・ミュージック、ラウンジ、ポストロックなど、様々な音楽を網羅した幅広い音楽性でオルタナティヴ・ミュージックを語るのに欠かせないバンドであるステレオラブ。代表作のひとつとしてあげられる『Emperor Tomato Ketchup』というタイトルが示す通り、まさにオルタナティヴ・ミュージック界の皇帝とも言える彼らが、10年ぶりに再始動を果たし今年のプリマヴェーラ・サウンドにジェームス・ブレイクらと並びヘッドライナーとして発表されたニュースに続き、7タイトル再発キャンペーンを開始した。今回の再発は〈Duophonic〉と〈Warp〉の共同リリースとなっている。

トレーラー映像
https://youtu.be/nYDtWdyIUiQ

その第一弾リリースとして、リマスターが施された本編とボーナス音源の2編から構成された『TRANSIENT RANDOM-NOISE BURSTS WITH ANNOUNCEMENTS [Expanded Edition]』(1993年)、『MARS AUDIAC QUINTET [Expanded Edition]』(1994年)の2タイトルが2019年5月3日にアナログ、CD、デジタルと各種フォーマットでリリースされ、CDは帯付き国内仕様盤でリリースされることとなった。

2枚のアルバムはメンバーのティム・ゲインが監修を行い、電気グルーヴのマスタリングも手掛ける Bo Kondren (Calyx Mastering, Berlin)の手によってリマスタリングが施され、ボーナス音源には別ヴァージョンやデモ音源が収録されている。

また、初回生産限定アナログ盤は3枚組のクリア・ヴァイナル仕様となり、ポスターとティム・ゲイン本人によるライナーノートが封入される。また、スクラッチカードも同封されており、当選者には限定12インチがプレゼントされる。

今後は『Emperor Tomato Ketchup』、『Dots and Loops』、『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky night』が2019年8月、『Sound-Dust』、『Margerine Eclipse』が2019年11月にリリースされることが予定されている。

label: Duophonic / Warp Records / Beat Records
artist: Stereolab
title: Transient Random-Noise Bursts With Announcements [Expanded Edition]
release date: 2019/05/03 FRI ON SALE

https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10128


[TRACKLISTING]

Disk 1
01. Tone Burst
02. Our Trinitone Blast
03. Pack Yr Romantic Mind
04. I'm Going Out Of My Way
05. Golden Ball
06. Pause
07. Jenny Ondioline
08. Analogue Rock
09. Crest
10. Lock-Groove Lullaby

Disk 2
01. Fragments
02. Jenny Ondioline [7"/EP Version - Alternative Mix]
03. Drum - Backwards Bass - Organ [Jenny Ondioline Breakdown Full Version]
04. Analogue Rock [Original Mix]
05. Pause [Original Mix]
06. French Disco [Early Version Mix]
07. Jenny Ondioline Part 2 [Breakdown Mix]
08. Fruition - Demo
09. I'm Going Out Of My Way - Demo
10. French Disco - Demo
11. Lock Groove Lullaby - Demo
12. Jenny Ondioline - Demo
13. Pause - Demo

label: Duophonic / Warp Records / Beat Records
artist: Stereolab
title: Mars Audiac Quintet [Expanded Edition]
release date: 2019/05/03 FRI ON SALE

https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10129


[TRACKLISTING]

Disk 1
01. Three-Dee Melodie
02. Wow And Flutter
03. Transona Five
04. Des Etoiles Electroniques
05. Ping Pong
06. Anamorphose
07. Three Longers Later
08. Nihilist Assault Group
09. International Colouring Contest
10. The Stars Our Destination
11. Transporte Sans Bouger
12. L'Enfer Des Formes
13. Outer Accelerator
14. New Orthophony
15. Fiery Yellow

Disk 2
01. Ulan Bator
02. Klang Tone
03. Melochord Seventy-Five [Original Pulse Version]
04. Outer Accelerator - [Original Mix]
05. Nihilist assault Group - Part 6
06. Wow and Flutter [7"/EP Version - Alternative Mix]
07. Des Etoile Electroniques - Demo
08. Ping Pong - Demo
09. The Stars Our Destination - Demo
10. Three Longers Later - Demo
11. Transona Five - Demo
12. Transporté Sans Bouger - Demo

People Under The Stairs - ele-king

 昨年10月27日、LAのヒップホップ・デュオ、ピープル・アンダー・ザ・ステアーズ(以下、PUTS)のセス・ワンがインスタグラムにて、突如ポストした引退宣言。そして、同時に PUTS のラスト・アルバムとしてアナウンスされたのが、今年2月1日リリースの本作『Sincerely, The P』だ。いまから約10年ほど前になるが、LAの南部、サンペドロというエリアにあるセス・ワンの自宅スタジオでインタヴュー取材をしたり、あるいは彼らのプロモーション・ヴィデオにちょい役で出演させてもらったりと、個人的にも思い入れの深いグループであっただけに、彼らの引退宣言には正直複雑な思いもある。とはいえ、すでに20年以上にわたって活動を続け、本作を含めてフル・アルバムを10枚も発表してきたセス・ワンとダブル・Kの二人が、すべてをやりきったという満足感と疲労感のなかで、ファンのためにもちゃんと引退を宣言し、アーティスト活動を終える決意をしたことも理解できる。

 彼らがファースト・アルバム『The Next Step』をリリースした90年代後半といえば、ジュラシック5のデビューや日本でも人気の高かったリヴィング・レジェンズの活躍、あるいは〈ストーンズ・スロウ〉の初期の盛り上がりなどとも重なり、LAだけではなく、サンフランシスコ/ベイエリアも含めた、カリフォルニア全体のアンダーグランド・シーンに注目が集まりはじめた時期でもあった。日本のヒップホップ・ヘッズからすると、PUTS もそんなシーンのなかのひとつとして捉えられていたが、彼らはクルーのような形で徒党を組むようなタイプでなかったこともあり、実際は少し浮いている存在でもあったという。彼らの初期のアルバムがエレクトロニカなどをメインとしていたサンフランシスコのレーベルである〈オム〉からリリースされていたことも、当時の立ち位置を物語っている。そんななか、彼らはアメリカ国内よりも先に、ヨーロッパなど国外で人気を獲得することに成功。さらに、その後も地道にライヴ活動や作品のリリースを重ね、気がつけば、LAシーンのなかでもベテラン・アーティストとしてリスペクトされる存在となっていった。そんな20年以上の活動の結晶が、このラスト・アルバム『Sincerely, The P』というわけだ。

 デビュー・アルバム『The Next Step』の収録曲である彼らの代表曲“San Francisco Knights”のライヴ音源からスタートする1曲目“Encore”から、タイトなブレイクビーツの“Reach Out”という頭の流れだけで、PUTS ファンは即座に心を掴まれるに違いない。サンプリングをメインにして作られたトラックにセス・ワンとダブル・Kによる絶妙な掛け合いによるラップが乗り、オールドスクールなフレイヴァのなかに、単なるノスタルジーだけではない、純粋なヒップホップ・カルチャーの芯の部分が彼らの楽曲には宿る。前半から中盤にかけて“Reach Out”、“Hard”、“The Red Onion Wrap”、“Streetweeper”、“We Get Around”といった緩急つけた様々なスタイルの曲のなかで披露される、デビュー時から変わらない PUTS のポジティヴなパーティ感。もちろん20年間以上、絶え間なくアップデートし続けた上で、しっかりと2019年のサウンドにもなっているのは言うまでもない。

 アルバム後半につれ、セス・ワンが実の息子に捧げたソロ曲“Letter to My Son”や“Family Ties”といった心の内面へ訴えかける曲が主軸となっていくことで、徐々に終焉感が漂いはじめ、本作が彼らのファイナル・アルバムであることを、いやが上でも意識せざる得なくなってくる。そして、デビュー当時の彼らをサポートしたLAローカルのDJであるロブ・ワンやダスクといった故人へのシャウトアウトも込めた“The Sound of a Memory”でアルバムの幕は閉じられ、彼らは人生の次のタームへ旅立っていく。PUTS の二人がこれまで届けてくれた、素晴らしい作品と思い出に感謝したい。

Shinichiro Watanabe - ele-king

 一昨年『ブレードランナー ブラックアウト2022』でフライング・ロータスとコラボし話題をかっさらったアニメ監督の渡辺信一郎、これまで『カウボーイビバップ』や『サムライチャンプルー』といった名作を送り出し、昨年は〈ブレインフィーダー〉10周年を特集した『別冊ele-king フライング・ロータスとLAビートの革命』にも登場していただいた彼が総監督を務める新作アニメ『キャロル&チューズデイ』が4月より放送されます。AIが音楽を作るようになった時代に、生身のミュージシャンである主人公のふたりが風穴を開けていくという、じつにタイムリーな物語になっているとのこと。詳細は下記をご確認いただきたいですが、無類の音楽好きとしても知られる渡辺監督だけに、主題歌や劇伴にもそうとう力を入れている模様です(音楽はモッキー)。現在、新たなPVが公開中。放送が楽しみです。

キャロル&チューズデイ

総監督:渡辺信一郎、アニメーション制作:ボンズ、キャラクター原案:窪之内英策ら強力なスタッフ陣が挑む
全世界の音楽を愛する人に捧げる、2人の少女が起こした奇跡の物語。

きっと忘れない。
あの、永遠のような一瞬を。
あの、ありきたりな奇跡を。

ボンズ20周年×フライングドッグ10周年記念作品として総監督・渡辺信一郎、キャラクター原案・窪之内英策を迎えアニメ史を塗り替える、全世界に向けた音楽作品
TVアニメ『キャロル&チューズデイ』の制作発表会が都内にて行われ、第2弾キービジュアル、新プロモーション映像及びメインキャスト・主題歌アーティストが発表となった。
主役のキャロルとチューズデイには島袋美由利(キャロル役)、市ノ瀬加那(チューズデイ役)の2人のフレッシュな女性キャストを起用。
また、大塚明夫(ガス役)をはじめ、入野自由(ロディ役)、上坂すみれ(アンジェラ役)、神谷浩史(タオ役)、宮野真守(アーティガン役)といった早々たる顔ぶれが脇を固める。
また、音楽にも強い拘りがある本作は海外アーティストからの楽曲提供が多く、さらに劇中歌及び主題歌は全て外国語で歌唱される。主題歌は全世界オーディションにより選ばれた2人のアーティスト Nai Br.XX(ナイ・ブリックス)、Celeina Ann(セレイナ・アン)がキャロル・チューズデイのWキャストとして曲を歌唱することが発表となった。

4月10日よりフジテレビ「+Ultra」、NETFLIX ほか各局にて2クールでの放送が予定されているTVアニメ『キャロル&チューズデイ』。世界規模で話題を呼んでいる本作に是非ご期待ください。

《キャロル&チューズデイとは?》

ボンズ20周年×フライングドッグ10周年記念作品。
総監督に『サムライチャンプルー』・『カウボーイビバップ』・『アニマトリクス』・『ブレードランナー ブラックアウト2022』ほかを手掛け国内外においてカリスマ的な人気を誇る、渡辺信一郎。
キャラクター原案に、日清食品カップヌードルCM「HUNGRY DAYS 魔女の宅急便篇」、「「HUNGRY DAYS アルプスの少女ハイジ篇」などのキャラクターデザインで人気を博している窪之内英策。
この強力タッグのもと、アニメーション制作は『「COWBOY BEBOP 天国の扉」』・『鋼の錬金術師』・『交響詩篇エウレカセブン』・『僕のヒーローアカデミア』など数多くのヒット作品を世に送り続けるボンズ、物語の主軸となる音楽は『カウボーイビバップ』・『マクロス』シリーズなど数々のヒットアニメーション音楽を作り出すフライングドッグが担当する。
劇中音楽はカナダ出身のアーティスト Mocky が手掛け、主題歌は全世界オーディションによって選出された Nai Br.XX(ナイ・ブリックス)、Celeina Ann(セレイナ・アン)がキャロル・チューズデイのWキャストとして曲を歌唱する。音楽にも強い拘りがある本作は海外アーティストからの楽曲提供が多く、さらに劇中歌及び主題歌は全て外国語で歌唱される。
オープニングテーマ「Kiss Me」は現在、男女問わず絶大な人気を誇る Nulbarich(ナルバリッチ)。エンディングテーマ「Hold Me Now」はオランダを代表するポップの才人・Benny Sings(ベニー・シングス)が担当。

また、劇中ボーカル曲参加コンポーザーとして、ノルウェー出身の音楽プロデューサー・ミュージシャンの Lido、オランダを代表するポップの才人・Benny Sings、エレクトロポップデュオ《The Postal Service》への参加でも知られるUSインディー界の歌姫・JEN WOOD、女性4人によるロックバンド・《赤い公園》でギターを担当する津野米咲、ビヨンセやリアーナ、ジェニファー・ロペスなど超大物アーティストに楽曲を提供している Evan "Kidd" Bogart、現在活動停止中ではあるがロック・ファンにはなじみの深い Keane(キーン)の Tim Rice-Oxley、コーネリアスやファイストなどとのコラボも話題となったノルウェー出身のグループ、Kings of Convenience(キングス・オブ・コンビニエンス)の Eirik Glambek Bøe といったこちらも早々たる面子が音楽で本編を彩る。

2019年4月からのオンエアに向けて本編、音楽ともに絶賛鋭意制作中!
他に類をみない本作品に乞うご期待!!!

《あらすじ》

人類が新たなフロンティア、火星に移り住んでから50年になろうという時代。
多くのカルチャーはAIによって作られ、人はそれを享楽する側となった時代。
ひとりの女の子がいた。
首都、アルバシティでタフに生き抜く彼女は、働きながらミュージシャンを目指していた。いつも、何かが足りないと感じていた。
彼女の名はキャロル。
ひとりの女の子がいた。
地方都市、ハーシェルシティの裕福な家に生まれ、ミュージシャンになりたいと思っていたが、誰にも理解されずにいた。世界でいちばん孤独だと思っていた。
彼女の名はチューズデイ。
ふたりは、偶然出会った。
歌わずにいられなかった。
音を出さずにいられなかった。
ふたりなら、それができる気がした。
ふたりは、こんな時代にほんのささやかな波風を立てるだろう。
そしてそれは、いつしか大きな波へと変わっていく───

《スタッフ・キャスト情報》

[メインスタッフ]
原作:BONES・渡辺信一郎
総監督:渡辺信一郎
監督:堀元宣
キャラクター原案:窪之内英策
キャラクターデザイン:斎藤恒徳
メインアニメーター:伊藤嘉之、紺野直幸
世界観デザイン:ロマン・トマ、ブリュネ・スタニスラス
美術監督:河野羚
色彩設計:垣田由紀子
撮影監督:池上真崇
3DCGディレクター:三宅拓馬
編集:坂本久美子
音楽:Mocky
音響効果:倉橋静男
MIXエンジニア:薮原正史
音楽制作:フライングドッグ
アニメーション制作:ボンズ

[メインキャスト]
キャロル:島袋美由利
チューズデイ:市ノ瀬加那
ガス:大塚明夫
ロディ:入野自由
アンジェラ:上坂すみれ
タオ:神谷浩史
アーティガン:宮野真守

《主題歌情報》

オープニングテーマ「Kiss Me」
作詞・作曲・編曲:Nulbarich
歌:キャロル&チューズデイ (Vo. Nai BrXX & Celeina Ann)

エンディングテーマ「Hold Me Now」
作詞・作曲・編曲:Benny Sings
歌:キャロル&チューズデイ (Vo. Nai BrXX & Celeina Ann)

《放送情報》

2019年4月10日よりフジテレビ「+Ultra」にて毎週水曜日24時55分から放送開始予定
NETFLIX にて4月10日配信開始予定。2話~毎週木曜日配信予定(日本先行)
ほか各局にて放送予定
(関西テレビ/東海テレビ/テレビ西日本/北海道文化放送/BSフジ)

公式HP: https://caroleandtuesday.com/

Courtney Barnett - ele-king

 昨年5月にセカンド・アルバム『Tell Me How You Really Feel』をリリースしたコートニー・バーネット。そのときのインタヴューで「日本にまた行ける日が待ち遠しくて仕方ない」なんて言っていた彼女ですが、なななんと、実現しちゃいました! 来る3月、コートニー・バーネットが東京・名古屋・大阪にやってきます。現在、その来日公演にあわせて2016年のフジロックでのパフォーマンス映像が公開中。これを観て本番を楽しみに待っていましょう(3月9日にはタワレコ渋谷にてサイン会もあるそうですよ~)。

コートニー・バーネット、フジロックフェスティバル’16のライヴ映像を公開! 来日公演は3/8より! 3/9はサイン会実施!

セカンド・アルバムとなる最新作『テル・ミー・ハウ・ユー・リアリー・フィール』を昨年5月にリリースし、3月にジャパン・ツアーを行うコートニー・バーネットが、2016年に出演したフジロックフェスティバルのライヴ映像を公開した。曲は初期の名曲“Avant Gardener”。

■FUJI ROCK FESTIVAL'16 “Avant Gardener”
https://youtu.be/nU6fs5jIlYQ

また来日中の3月9日(土)にはタワーレコード渋谷店にてサイン会を行う。

■サイン会概要

・開催日時:3月9(土)15:00~
・会場:タワーレコード渋谷店 6F
・参加方法:以下の対象商品をご購入のお客様にイベント参加件を配布いたします。
・詳細:https://towershibuya.jp/2019/02/07/130913
(問)タワーレコード渋谷 03-3496-3661

■公演概要
日時/会場

東京
3/8 (Fri) SHIBUYA TSUTAYA O-EAST
open18:00 / start 19:00 ¥6,500 (前売 / 1ドリンク別)
Information: 03-3444-6751 (SMASH)

名古屋
3/10 (sun) Electric Lady Land
open18:00 / start 19:00 ¥6,500 (前売 / 1ドリンク別)
Information: 052-936-6041 (JAILHOUSE)

大阪
3/11 (Mon) UMEDA CLUB QUATTRO
open18:00 / start 19:00 ¥6,500 (前売 / 1ドリンク別)
Information: 06-6535-5569 (SMASH WEST)

チケット発売

東京: e+ (pre:11/16 12:00-19 23:59)・ぴあ(P:131-173) / 英語販売あり・ローソン (L:71252)・岩盤 (ganban.net)
名古屋: e+ (pre:11/16-19)・ぴあ (P:134-665 ) 英語販売あり・ローソン (L:42925)
大阪: e+ (QUATTRO web: 11/17-19, pre:11/17-19)・ぴあ (P:134-638) 英語販売あり・ローソン (L:55208)・会場

お問い合わせ:SMASH 03-3444-6751 smash-jpn.com smash-mobile.com

■コートニー・バーネットまとめ
https://trafficjpn.com/news/cb/

■1stシングル「Nameless, Faceless」(日本語字幕付き)
[smartURL] https://smarturl.it/cb_jpn
[YouTube] https://bit.ly/2Kv613i

■期間限定スペシャル・プライス盤
来日を記念して、オリジナル・アルバム2作(国内盤CD)が期間限定スペシャル・プライスで発売中!

デビュー・アルバム『サムタイムス・アイ・シット・アンド・シンク、サムタイムス・アイ・ジャスト・シット』(期間限定スペシャル・プライス盤)
スペシャル・プライス:1,500円(税抜)/ TRCP-182Z

セカンド・アルバム『テル・ミー・ハウ・ユー・リアリー・フィール』(期間限定スペシャル・プライス盤)
スペシャル・プライス:1,800円(税抜)/ TRCP-230Z

[smartURL] https://smarturl.it/cb_jpn
[amazon] https://smarturl.it/cb_jpn/amazonmusiccddvd
[Tower Records] https://smarturl.it/cb_jpn/tower
[HMV] https://smarturl.it/cb_jpn/hmv
[iTunes/ Apple Music] https://apple.co/2EsIthe
[Spotify] https://spoti.fi/2Hgdoem

■プロフィール

1988年、豪生まれ。2012年、自身のレーベルMilK! Recordsを設立し、デビューEP『I’ve got a friend called Emily Ferris』(2012)をリリース。続くセカンドEP『How To Carve A Carrot Into A Rose』(2013)は、ピッチフォークでベスト・ニュー・トラックを獲得するなど彼女の音楽が一躍世界中に広まった。デビュー・アルバム『サムタイムス・アイ・シット・アンド・シンク、サムタイムス・アイ・ジャスト・シット』(Sometimes I Sit and Think, Sometimes I Just Sit)を2015年3月にリリース。グラミー賞「最優秀新人賞」にノミネート、ブリット・アウォードにて「最優秀インターナショナル女性ソロ・アーティスト賞」を受賞する等、世界的大ブレイクを果たし、名実元にその年を代表する作品となった。2018年5月、全世界待望のセカンド・アルバム『テル・ミー・ハウ・ユー・リアリー・フィール』をリリース。2019年3月、2度目の単独来日公演を東名阪で行う。

https://courtneybarnett.com.au/

Stephen Malkmus - ele-king

 思い返せばペイヴメントも、いわゆるオルタナのくくりで語られることが多かったような気がする。だがスティーヴン・マルクマスの背景はもっと違うところにあるのであって、それがマルクマスの音楽の分類の難しさもとい魅力にもなっていたわけだけれど──ともあれ彼はめでたく新しいアルバムを完成させた。今回はエレクトロニックに寄った内容になっている模様。現在、スーパーオーガニズムのメンバーが手がけたという新曲“Rushing the Acid Frat”のMVが公開されている(スーパーオーガニズム→スピーディ・J→「アシッド」……ってのは深読みしすぎか)。きっとマルクマスの第一声を聞いただけで往年のファンは悶えることだろう。発売は3月15日。

STEPHEN MALKMUS

ペイヴメントでの活躍でも知られるスティーヴン・マルクマス、3月15日に発売を控える最新アルバム『Groove Denied』から新曲をMVとともに公開! スーパーオーガニズムのメンバーが手掛けたポップでサイケなアニメからは目が離せない! 国内盤のみに収録されるボーナストラックも決定!

過去の音楽の単なる焼き直しではなく、これまでの歴史を守りつつ、自分たちのアイデンティティーを保ち、常に楽しみながら制作を続けてきたスティーヴン・マルクマス。昨年発売されたスティーヴン・マルクマス&ザ・ジックスのアルバム『Sparkle Hard』は Pitchfork、Rolling Stone、SPIN などの多数のメディアでアルバム・オブ・ザ・イヤーを獲得している。

〈Matador Records〉から3月15日にリリースされる新作アルバム『Groove Denied』は、スティーヴン・マルクマス曰く「(人々に)受け入れられなかった」作品で、マルクマスならではのエレクトロニック・アルバムに仕上がっている。

80年代のニュー・ウェイヴ・シーンなどの影響を感じさせる同アルバムから今回、新曲“Rushing The Acid Frat”がMVと合わせて公開された。マルクマスは、大学時代の友人との思い出からインスパイアされたという新曲を「スター・ウォーズに出てくるバーのシーンのサウンドトラック」だと表現している。同時に解禁された新曲のアニメMVは、スーパーオーガニズムの映像担当ロバート・ストレンジが手掛け、マルクマスが「トリップ」して幻覚を見ている様子を描いたサイケでポップな仕上がりとなっている。

待望の最新アルバム『Groove Denied』は、3月15日(金)に発売される。国内盤CDにはボーナストラックとして“Funeral Bias”と“Moog Police”の2曲が追加収録され、歌詞対訳と解説書が封入される。現在 iTunes Store でアルバムを予約すると、既に公開されている“Viktor Borgia”と今回公開された“Rushing The Acid Frat”がいち早くダウンロードできる。

Stephen Malkmus - Rushing The Acid Frat
https://youtu.be/LDiqO5VhFPw

Stephen Malkmus – Viktor Borgia
https://youtu.be/YlC8uz47qGo

おかしなポップの世界へと道を外れた心躍る作品 ──Rolling Stone

“Viktor Borgia”は80年代初めのポスト・パンクの影響を受けたシンセの要素が散りばめられ、一風変わった実験のよう ──NPR

たるんだ中年の米国人は、ギターを置いたエリートのロック・ミュージシャンというより、エレクトロニック・ミュージックに浸っている ──Vulture

label: Matador / Beat Records
artist: Stephen Malkmus
title: Groove Denied
cat no.: OLE14333
release date: 2019/03/15 FRI ON SALE

[TRACKLISTING]
01. Belziger Faceplant
02. A Bit Wilder
03. Viktor Borgia
04. Come Get Me
05. Forget Your Place
06. Rushing The Acid Frat
07. Love The Door
08. Bossviscerate
09. Ocean of Revenge
10. Grown Nothing
11. Funeral Bias (Bonus Track For Japan)
12. Moog Police (Bonus Track For Japan)

マイ・ブックショップ - ele-king

 いつも女性たちの地味な戦いを描いているスペインのイザベル・コイシェによる新作。1959年のイギリス。戦争で夫を失ったフローレンス・グリーン(エミリー・モーティマー)が本屋のない街で小さな本屋をオープンする話。2000年に没したペネロピ・フィッツジェラルドの原作(未訳)を元にサフォーク州ハードボローという架空の港町を舞台とし、原作にあったスピリチュアルな要素はすべて省いての映画化だという。50年代のイギリスの港町というと、どうしてもデヴィッド・リーランド『あなたがいたら 少女リンダ』(87)を思い出してしまうけれど、あのように破天荒で、保守的な人たちと真正面から戦う話ではなく、進んでいるのか進んでいないのかよくわからないテンポで話は進み、その点では初期の作風に戻った感がある(最近、ちょっとハリウッドっぽくなっていたので、ひと安心)。銀行で開店資金を貸してもらえない場面からスタート。それでもなんとか開店にこぎつけるまでが前半のストーリーながら、どういうわけか街の人たちはあまり協力的ではない。街の実力者であるヴィオレット・ガマート夫人(パトリシア・クラークソン)が街に芸術センターをつくろうと画策していて、同じ物件に目をつけていたからだということがだんだんとわかってくる。弁護士が遅々として手続きを進めてくれない一方、少年たちが改装の手伝いをしてくれ、ようやく開店した店には「本は一冊も読まない」という小学生のクリスティーン(オナー・ニーフシー)が店番などで手伝ってくれることに。空っぽの棚に本が並べられ、少しずつ本屋ができていく過程はなかなか心が躍る。そして、本はこの街に様々な変化を引き起こしていくことになる。

 屋敷に引きこもって人前には姿を現さない老人エドモンド・ブランディッシュ(ビル・ナイ)から面白い本があったら送ってくれという手紙が届く。グリーンはレイ・ブラッドベリ『華氏451度』などを選んで送る。ブランディッシュは本のセレクトにいたく感心し、グリーンをディナーに招待し、街で囁かれている彼の身の上話がまったくの嘘で、真実がどうであったかを語り出す。一方、ガマート夫人は書店が順調ににぎわっていることを苦々しく思い、あの手この手で書店をつぶしにかかる。そんな折りにウラジミール・ナボコフ『ロリータ』が英訳され、これを読んだグリーンは、この本を売るべきかどうかブランディッシュに相談し、彼の後押しを得て大量に仕入れることにする。ポルノか文学かという論争を当時のイギリスで引き起こしていた『ロリータ』を見るだけ見ようとして群衆が店に詰めかけ、ガマート夫人は公共の秩序を乱したとして訴えを起こし、ついには……。フローレンス・グリーンは未亡人なので、いわゆるロリータではないけれど、ブランディッシュとの年の差はそれに近いものがある。むしろ年齢的に釣り合うのはガマート夫人の方で、しかし、ブランディッシュとガマート夫人は文化的に共鳴するところがなく、彼女がつくろうとしている芸術センターというのも具体的な説明はなく、おそらく箱物行政でしかないということは大体察しがつく。空っぽの建物だけをつくって満足しようとする地方自治の話は日本でもよく耳にするし、それよりもたった一軒の本屋が街を変えてしまうかもしれないという潜在的な影響力をこの作品は強調し、本は時に爆弾にも等しいことを教えてくれる(次から次へとele-king booksのカタログ数を増やしまくる野田努などはさしずめ現代の爆弾魔に等しい)。

 本屋を舞台にした映画というとノーラ・エフロン『ユー・ガット・メール』か岩井俊二『四月物語』ぐらいしか思い出せないけれど、それらとは違って『マイ・ブックショップ』には政治性が濃厚に塗り込められ、それどころか『マイ・ブックショップ』にはストレートに『華氏451度』が重ね合わされている。トリフォー版の『華氏451度』(66)は文字のない世界を印象付けるためにナレーションが多用されており、『マイ・ブックショップ』でも同じ手法が取られている上に、そのナレーションは『華氏451度』でリンダとクラリスの二役を演じたジュリー・クリスティが担当している。『華氏451度』にはナボコフ『ロリータ』が燃やされるシーンがあり、『マイ・ブックショップ』に並べられた本はあらかた『華氏451度』に出てくる本でもある。また(以下、ネタバレ)ラスト・シーンで本屋を燃やしてしまうのはそのものズバリといってよく、これは一種の思想統制の可能性も示唆している。しかし、本嫌いだったクリスティーンはその後、本屋を開店するまでになり、最後まで観るとフローレンス・グリーンは少なくともひとりには「伝えた」というところが本作の肝となっている。本を読まないと知っててグリーンがあえてクリスティーンに薦めた本はリチャード・ヒューズ『ジャマイカの烈風』という冒険小説で、異質なものの同居をテーマにしているという意味では彼女たちの関係をそのまま表した作品だと言える。『華氏451度』でも『マイ・ブックショップ』でも「本」と言った時に、それが思想書を指すのではなく小説を対象としているところがまた面白いところで、やはりそれは様々な解釈ができることに「読む」価値を置いているからだろう。ブラッドベリはラブクラフトの系譜だと「解釈」したブライアン・オールディーズの説を思い出す。

 アメリカを舞台にしたジョン・クローリー『ブルックリン』(15)やトッド・ヘインズ『キャロル』(15)と同時期の女性像を描いた作品でもあり、80年代につくられることが多かった「理想化された50年代」とは正反対に、50年代の不快な面を引きずり出すという傾向もここには散見できる。そう、『グリース』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の50年代はここにはない。50年代を「政治的に正しく」描くということは抑圧の主体をはっきりさせることであり、カウンター・カルチャーへの道筋をつけるということにもつながっていくのではないだろうか。2018年、ゴヤ賞受賞作。

(『マイ・ブックショップ』予告編)

天才キンテリ(湯村輝彦)の真骨頂!

お待たせしました! 天才キンテリ(湯村輝彦)の真骨頂! ビーチに溢れる数多の楽しい人物が1年中冬でも狂い咲き! カレンダーが出来上がりました。目を凝らしてよーく見ると、あら、あの人が!? こんな姿で!?

こんなに賑やかで楽しくみんながハッピーなるカレンダーは一家に一枚の必需品です。

平成(2019)の最後となる4月から続・平成(新年号)2020年の3月まで。













闘魂 2019 - ele-king

野田努

 最後の“Weather Report”がまた素晴らしかった。ceroとフィッシュマンズの共通点のひとつは、まあ、そう、あくまでもそのひとつは、リズムの魅力ということなんだろうけれど、「闘魂 2019」という夢の一夜から2日経った現在、ぼくのなかではceroが最後に演奏した“Poly Life Multi Soul”とフィッシュマンズがceroを交えてた最後に演奏した“Weather Report”がミックスされている。ライヴが終わって家に帰ってからこの2曲を聴いてしまったので、ライヴの残響はぼくのなかで都合よくアレンジされ、ミックスされているというわけだ。
 歳を取ると涙もろくなる。数年前に同じくZepp Tokyoで見たフィッシュマンズには泣けてくるばかりだった。が、そのときよりも、ceroが出演した「闘魂 2019」はなごんで見れたような気がする。
 ceroは、軽やかだった。彼らの前向きなヴァイブが伝わる、好感の持てるステージだった。ぼくなりの解釈でいえば、彼らのホワイトヘッド的な哲学(世界のそれぞれがそれぞれの動きで動いている感覚)がうまく具現化されていた。つまり、その感じが素直に入ってくる。とくに“Poly Life Multi Soul”におけるポリリズミックな演奏は、ぼくにはハウス・ミュージックに聴こえたほどで、結局、ceroのライヴ中はずっとカラダを揺らしていた(その間身体に流し込んだビールは3杯、完全にクラブのりだ)。話は逸れるが、ぼくはこのライヴの前日の夜、阿佐ヶ谷のROJIに行って、オシリペンペンズが作ってくれたハイボールを飲んだのだった。
 フィッシュマンズに関しては、三田格の原稿にゆずろう。が、思ったことをいくつか。○誰もが思ったことだろうけれど、バンドの絶対的中心が不在の演奏だというのにここまでリアルというのは奇跡というほかない。佐藤伸治抜きのフィッシュマンズとしてはいままでいちばん良かったと思えるほど。○クラフトワークのライヴではないが、楽曲たちが時間を超越している。すなわち永遠。○原田郁子は素晴らしい。○ceroとはもう一回ぐらいはやってもいいんじゃないだろうか。
 ライヴが終わって外に出ると、お台場のフェイク感満載の風景が目の前に広がる。フェイクな街のフェイクなエリアのフェイクな展示場のなかの、最高に気持ちのいい夜だった。ぼくにとってフィッシュマンズは哲学的なバンドで、ときが経てば経つほど哲学的なバンドになっている。ただ、フィッシュマンズの泥臭いところ、いまひとつスマートになりきれないところがぼくは好きなんだなとあらためて思った。

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三田格

 休憩時間を挟んで後半はフィッシュマンズ。茂木欣一(ドラム)、柏原譲(ベース)、HAKASE-SUN(キーボード)に小嶋謙介(ギター)を加えたオリジナル・メンバーでまずは1曲「あの娘が眠ってる」。作詞・作曲とも小嶋の曲で、シャカシャカとしたギターのストロークがいきなり気持ちよく、ヴォーカルが入ると声が低いのでややずっこける。フィッシュマンズの曲としてはスタンダードな雰囲気を持ってる曲だなと改めて思っていると、パッと手を挙げて小嶋はこれだけで退場。余韻もなく“Oh SLime”へ。自分でも何を考えているんだろうと思うけれど、続いて木暮晋也(ギター)がステージに出てきた時、佐藤伸治が出てきたと思ってしまい、そんなことあるわけなのにひとりで真っ青になってしまった。しかも、たったいま「そんなことあるわけないのに」と思ったばかりなのに、さらに反対側からダーツ関口(ギター)が出てきた時も佐藤伸治だと思ってしまい、完全に頭がおかしくなっている。「ダーツ関口は元スーパーバッド」と心の中で3回ぐらい唱えて動揺を鎮める。「ザ・フィッシュマンズ!」と茂木が叫ぶ。客席が湧く。茂木は「ザ・フィッシュマンズ!」としか言わないのに、それだけで広大な世界観が広がっていくような気がする。それこそ会場全体で空中キャンプに乗り込んだような気分。茂木のMCが上手いとか技があるとかではなく、押し寄せるような期待と幻想が境界線を失い、誰かにコントロールできるような事態ではないのかもしれない。よくわからない。こういうことは佐藤伸治がいた頃にはなかった。佐藤伸治がいた場所が真空のようにして空いてしまったから、むしろ成立する感覚なのではないか。悪く言えば天皇制のようなものかもしれない。中心を失ったはずなのに凝集力があるというのはそういうことではないのだろうか。「ザ・フィッシュマンズ! ザ・フィッシュマンズ!」、ドラムを叩きながら茂木はコールを続け、いつも通りメンバー紹介へなだれ込む。上記のメンバーに加え、ヴォーカルの原田郁子とハナレグミ、そしてZAKの名前がコールされる。インドネシア式に「ホンジ」と「ヴォーカル佐藤」もコールされる。インドネシアでは誰が死んでもその人はどっかに行ってしまうとは考えない。そこにずっといるということになっている。
 8人編成のオープニングは“ナイトクルージング”。ややテンポダウンし、ヴォーカルは茂木。この曲はライヴで聴くとあまり透明感がない。20年前もそうだったけれど、ギャップの方に意識が行きやすく、もうひとつ入り込めない。もしくはもうちょっと後半で聴きたかったなというか。続いて“なんてったの”。ヴォーカルはハナレグミ。キーボードのリフだけで軽く持っていかれ、転調だけでじわっと来てしまう。心に張り巡らしていた鎧がどんどん剥がれていくというか。フィッシュマンズがやっているのは「ありきたりのポップ・ソング」で、だからいいんだろうなと思う。“土曜日の夜”“頼りない天使”“ひこうき”と曲は進む。「ありきたりのポップ・ソング」がそして、気がつくと奇妙なブレイクや間奏に切り替わっていて、ありきたりがありきたりではなくなってしまう瞬間がフィッシュマンズは実に上手い。彼らの曲がレコードだけではなく、こうしてライヴとして再現される必要があるのはそれを体験するためだろうと思えてくる。それは佐藤伸治が生きていた頃とまったく変わらない。“ひこうき”で茂木が「いつでも あの日のまま」と繰り返すたびに「あの日のまま」というのは「佐藤伸治が生きていた頃のまま」という意味に聴こえてしょうがなかった。“ひこうき”はこの日のベストだったんじゃないだろうか。
 ヴォーカルがハナレグミ&原田郁子に変わって“Smilin’ Days, Summer Holiday”。ゴージャスなアレンジと粘っこいグルーヴを叩きつけられて「これしかないのさ」と言われればそうですとしか言いようがない。途中でちょっと演奏がズレたように感じ、その時だけ最初からかかっていたマジックが消えたような気がしたものの、すぐに持ち直す。この曲はいくらでも聴いていられるなと思っていたので、いつも通りにやったと思うけれど、早く終わった気がしてしょうがない。それでも音楽を聴いていてこれだけ満ち足りた気分になったのは久しぶり。生まれてきて良かったなーと思ってしまう。続いて“MELODY”と、前期フィッシュマンズで埋め尽くすのかと思いきや、次は“すばらしくNICE CHOICE”かと思ったら“ゆらめき IN THE AIR”。佐藤伸治にとって生前、最後となった曲である。ヴォーカルはテープ=佐藤伸治。誰が歌っても佐藤伸治が不在だという思いは逆説的に強く感じられてしまうものの、意外にも僕はこの時が最も彼の不在を強く感じてしまった。映像でも流してくれればまだしもだったのかもしれないけれど、テープで佐藤伸治の声を聴くのはとっても悲しかった。そして「夕暮れがやってこない」という歌詞がいつにも増して引っかかった。“Smilin’ Days, Summer Holiday”で「これしかないのさ」と歌われていたはずの「日差しを終わらせるものとしての夕暮れ」を待ち望んでいるようにも聞こえたり。「君が今日も消えてなけりゃいいな」の「君」というのは、この曲をつくった当時、フィッシュマンズから離れると決めたZAKと柏原譲のことなんだろうか。テープで聴く佐藤伸治の声は悲鳴のようだ。それまでの7曲と何もかもが違っていた。この曲を聴いている間は僕はピクリとも動けなかった。
 “いかれたBABY”で元に戻った。辛い気分に背を向けられた。なのに、これがラスト・ナンバー。「フィッシュマンズの代表曲!」と茂木は紹介し、終わってもステージから引き上げるそぶりも見せずにそのままCEROと合体。ヴォーカルの高城昌平とキーボードの角銅真実が呼び込まれ、お互いに選曲が一致したという“JUST THING”へ。23年前に初めてフィッシュマンズにインタヴューした時も茂木は「JUST THINGが、JUST THINGが……」と繰り返していたので、かなり思い入れがあるのだろう。これもややテンポ・ダウンし、ビートはずっしりと重みを増した印象。高城昌平や原田郁子が滑らかに踊る様子を見て、そういえば佐藤伸治はビートに合わせず、ちぐはぐな体の動きをする人だったことに思い当たる。「みんなでポリドールの株を買おう!」とか訳のわからないMCもさることながら、予測がつかなかった佐藤伸治の妙な体の動かし方ももう見られないんだよな。つくづくヘンな男だったよな。そして、茂木は去年からこの企画を温めてきたという経過を話した上で「まだ終わりたくない!」と叫んで“Weather Report”へ。フィッシュマンズでも最もビートフリークな曲で終わりとはかえって酷でしょう! 最後の最後にまたフィジカルを煽るとは! ここまで来るとしかし、ノスタルジーとか現代にも通じるといった考え方さえバカバカしく思えてくる。そのような時間の概念からも自由になれた3時間が終わりを告げた。残ったのは広大な開放感と驚くほど優しい気持ち。帰りの混雑さえ余韻を温めてくれるような気までして。
 この日の功労賞はやはり茂木欣一だろう。彼は一片のエゴも挟まず、佐藤伸治がつくった曲を残すため、ただそれだけのために身を捧げていた。それは痛いほど伝わってきた。あの日、会場にいた誰もが叶わずとも、いつか茂木欣一だけは天国で佐藤伸治に会えたらいいなあ。

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