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PINCH & SHACKLETON
Pinch & Shackleton
HONEST JONS / UK
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NO BOUNDARIES
Modular Pursuits (Daphni Remixes)
PLANET E / US
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TOFU PRODUCTIONS
Trabalhador
SUNDANCE / GER
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MIKE HUCKABY
Tresor Records 20th Anniversary (国内仕様盤)
TRESOR / JPN
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NINA KRAVIZ
Ghetto Kraviz
REKIDS / UK
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TROPICS OF CANCER
End Of All Things
DOWNWARDS / UK
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GERALD MITCHELL
Family Property
(GMI Productions / CD)
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PSYCHEMAGIK
Heelin' Feelin'
(Psychemagik / 12inch)
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V.A
Sound Sampler Vol. 1
(Soundsampler / 12inch)
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LATECOMER
Cosmic Cart
(Mcde / 12inch)
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DVS1
Evolve
(Hush / 12inch)
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HEAVY DISCO / DARKSTARR
I Ain'T Hiding / Smiling Faces
(Modern Artifacts / 12inch)
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NINA KRAVIZ
Ghetto Kraviz
(Rekids / 12inch)
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A MADE UP SOUND
Take The Plunge
(A Made Up Sound/ 12inch)
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V.A.
Hortoug Edits
(Wah Dubplate / 7inch)
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Thee oh sees, total control, doomsday student, the beets
@285 kent ave
Nov.17.2011
Thee Oh Sees Carrion Crawler / Dream In the Red Records |
チケットはソールドアウトだし、最初はとくに乗り気でなかったというのに、午後10時ぐらいになると私は会場に向かっていた。会場に着くと、いちど入場して、そしてスタンプをもらった人までもが再入場できなくなっている。ドアの兄さんは、暴動が起こる寸前のようにみんなから文句の攻撃を浴びさせられていて、かなりかわいそうだった。いずれにしてもかなり大変な状態なのだろう。
仕方なく、私は隣の会場のグラスランズでひと休みする。このふたつの会場は隣合わせで私はよく行ったり来たりしている。
そこでのライヴを見いつつ15分ぐらいが経って、もういちどトライしようと外にでる。するとドア付近で怒っていたかたまりが、いち列にきちんと並んでオーガナイズされているで。少しずつ列は動いているようだ。罵声を浴びさせていたキッズのひとりは、入るときに「さっきは怒鳴ったりしてごめん」とお兄さんに謝っている。よく見ると、その日のオーガナイザーのトッドPが入場を規制している。さすがだなと思っていると、彼はウィンクしながら私をこっそり裏から入れてくれた。
場内はサウナかと思うほどの熱気だった。何も見えないので、とりあえず頑張っていちばん前に行こうする。が、人が多すぎて動けない。
すると場内をウロウロしているトッドPがいたので、彼の背中についてなんとか最前列まで行けた。そしてトータル・コントールの最後の演奏がが少し見れた。
というか、この状態でひとつのバンドの演奏が保つのだろうかと思うぐらい場内は息苦しい。そして案の定、ジ・オー・シーズ(Thee Oh Sees)がはじまった瞬間には集団は大揺れに揺れ、スピーカーは倒れ、人が上から降って来る。危険な状態だ。私はなんとか壁際に移動する。それでも人がどんどん攻撃的にぶつかってくる。後方を見ても大変な数の人だ。ライトニング・ボルトの観客と同じようなタイプだが、もう少し若いし、圧倒的に男が多い。
ジ・オー・シーズ(theeohsees.com)は、最近(5月ぐらい)新メンバーとしてインテリジェンスのラーズ・フィンバーグを迎え、5ピースになった。ニューアルバム『Carrion Crawler/ The Dream』も11月15日に〈In the Red〉から、リリースされたばかりだ。マーチ(物販)テーブルには、そのリリース以外にシルクスクリーンのツアー・ポスター($20)、ゲロをはいてる(?)ジ・オー・シーズのキャラのイエローとブラックTシャツ($15)、ライトに照らされたその先には、そのスマイル・キャラが浮かび上がっている。たしかすべてJPDのデザイン。ディテールは細かく、しかも可愛いので、思わず買ってしまう。
Photos by Eric Phipps for Impose Magazine |
ジ・オー・シーズの楽曲自体はそれほど攻撃的というわけではないのだが、どうしてキッズはこんなにエキサイトしているんだろう。トッドPは「何かあれば、すぐに音楽はストップする」とアナウンスしている。そのあいだにも暴れすぎているキッズを横目に、いまにも倒れそうな大型スピーカーを必死になって抑えているキッズがいる。ステージのJPDはあまりにもフロアがキチキチなので、「あがって来いよ」とキッズを煽っている。
そしてステージはキッズで溢れ、これって逆ライトニング・ボルト? と思わず笑ってしまう。しかしたしかに、フロアの威圧感が少々マシになった。JPDはステージから「ビールないかな?」と言っている。ステージからバーまでは、人が多すぎてまず行き来できそうにない。
いよいよスピーカーの音が出なくなった。しばらくその状態で演奏していると、手にビールを持ったトッドPがステージに颯爽と現れる。そして大急ぎでスピーカーの抜けたコードを探して、無事に音を戻す。フロアからは大声援だ。彼こそはインディー救世主。ジャンクヤード、クイーンズの端のダイブバー、工場スペース、冷蔵庫屋......どこでも普通にショーをオーガナイズしている。
7~8曲目で私は、暑さと危険感で外に出た。人を掻き分けて外へ出るのに余裕で5分かかった。外ではまだ人が待っている。そしてまだ人が入ってきている。物販をもういちど見に行こうとしても、そのまわりで踊っているキッズ達がいて、テーブルにも近寄れない。どういうことだ!
とにかく、ふたたび最前列には戻れない。隣のグラスランズに移動する。そこのスタッフたちとしばらくハングアウトしていると、トッドPが現れ、「キッズたちがナッツ(気が狂ってる)になってるの見たい?」と言う。
私は彼のあとについていく。道を回ってこう行くとここに出るのねと、285 kent aveのステージの真裏に来た。たしかにキッズが大暴れの真っ最中だ。ハラハラと、気が気でなかっただろう彼の顔にもやっと笑顔が見えていた。
ジ・オー・シーズのショーは何回も見ている。新しいとは思わないのだが、いつも見たくなる。彼らがニューヨークにいると聞くと、憑かれたようにショーにきている。今回何度も名前を出しているが、ライトニング・ボルトと同じように、何か大きな魅力がある。ちなみに彼らは同じ時期のRISD(ロード・アイランド・スクール・オブ・デザイン)出身。私は10年ほど前の同じ日に、偶然彼らに出会った。比べたくなくてもつい比べてしまう。この話は機会があればぜひ。
翌日(nov.18)はマンハッタンのル・ポワソン・ルージュでのショーだ。そして、それを終えると彼らは北へ向かう。今回のツアーは(w/トータル・コントロール、)11月4の日オースティンのファン・ファン・ファン・フェストを皮ぎりに、サウスを東へ、イーストコーストを北へ、ミッドウエストを通り、西海岸に戻るという丸1ヶ月強のツアー。サンクスギビング・デーはさすがに休んだそうだが、その前日(シカゴ、ダブルショー)も次の日(ローレンス)も演奏している。ジ・オー・シーズはほとんどツアーが生活である。1年に3~4回はツアーをしている。それがジ・オー・シーズというバンドなのだ。
「アンダーグラウンドのままでいよう。どうせ、ブロンクス以外でこんなものを聞きたがる奴なんていないんだから」(グランドマスター・フラッシュ)
だが......ヒップホップは世界中に拡がった。どんなにヒップホップを嫌悪する人間でさえ、『Arular』(M.I.A.、2005)が世に問われる頃には、その普及度を認めずにはいられなかった。たかだか30年の歴史ではあるが、サンプリング・ビートという特殊な構造を持つこの音楽は、理論的には無限のトラックを生み出すことが可能であり、また、この音楽特有のラップという手法も、あらゆる隙間を流れ、R&Bやロック、ポップスといったジャンルの半径を拡張させている。それは、ジャンル間での交流・交通を流動的に促し、ヒップホップそれ自体をも変えていった。もはや、それはヒップホップと呼べない、呼ぶべきではない、という声もある。しかし、カニエ・ウェストとジェイ-Zがビルボードの頂上からヒップホップのチャンピオンシップを宣言するような現在、それでもなお、変わっていく変わらないもの(changing same)がこの文化にはあり、すなわち、「優れたヒップホップは必ずアンダーグラウンドからやって来る」、ということだ。
そう、『ヒップホップはアメリカを変えたか?』(菊池訳、2008)の序盤で、この音楽の持つ種々の潜在性を軽視していた言葉として強調されている冒頭の、フラッシュによる自虐的なフレーズは、いまや、ヒップホップの持つべき矜恃をむしろ代弁している。あるいは、『いるべき場所』(ECD、2007)を思い出してもいい。この音楽にはこの音楽に相応しい場所があるのだ。しばしば、それが「どこからやって来たか」が、音楽以上に評価を決めることもある。この国のドメスティック・ラップは、商業的な規模にはいまだ恵まれていないが、そうした意味で、シーンのルールが一夜にしてひっくり返る、そうした可能性を孕んだ文化なのだ。具体的には、YouTube、SNSが音楽伝播の補助インフラとして機能する現在、王が城で高いびきをかく夜に、伏兵がひとつの鮮烈な動画を世界に問いかけ、一晩でシーンのルールを変えてしまうこともあり得る。"WALKMAN"(2009)は、いち部ではそのようなざわめきとともに迎えられた。
以降、準備は着実に進められてきており、じらすようにして各所で発表されたSIMI LABの断片は、すでに収集困難になりつつある。また、クルーの核となるQN(a.k.a Earth No Mad)は、各所でのインタヴューによればヒップホップ・クラシックに限らず広い射程で音楽を聴くというし、何人かの異なる趣向を持つビート・メイカーを抱えているわけだから、SIMI LAB名義でのアルバムがどのような内容になるのか、想像し難かった。が、結果から言えば、本作『Page 1 : ANATOMY OF INSANE』はどちらかと言えばこれまでの「伏線回収」の観が強く、個人的には『The W』(Wu-Tang Clan、2000)を思い出すなど、ひとまずはヒップホップの面子を立てた作品となった。Hi'Specによる、ハスラー・ラップばりに高圧的なトラックの上で堂々とマイクを回すクラシック・スタイルの"Show Off"が、それを象徴している。
思えば、アメリカのローカル・ミュージックが複雑な変換を伴って受容されるに際して、この国のドメスティック・ラップは様々な歪み、膿、しがらみを抱え込んできた。不毛な内紛もあった。また、先人らの奮闘の甲斐あり、90年代のうちに「何語でラップするか」という段階を越え、USのシーンとの時差を一挙に減らしながら、ゼロ年代には「何をラップするか」という次元に突入しつつも、結局、新しい季節に「何をラップするか」で再び躓いた。SIMI LABはいま、この国で日本語を使ってラップすることの不自由さをまったく感じさせない。むしろ、日本語と英語のあいだを自由にフロウしつつ、意味性に囚われることなく無意味性をも避け、武装よりは内省を好む彼らのラップは、絶妙なバランスの上でラップ本来の軽やかさを取り戻しているようでもある。また、ネット・ネイティヴなのだろう、YouTube、Twitterなどの拡散力を巧みに利用しつつも、隠すべきものは隠しており、Googleでどう検索をかけても、SIMI LABの全貌は見えない。彼ら・彼女らのそうした自由な振る舞いを見ていると、この国のドメスティック・ラップが新しい季節を通過していることがわかる。
正直、アルバムとしてはいささかムラのある仕上がりとなった。個人的には、QNにもう少し出しゃばりを期待していたが、それを含めてもやはり、SIMI LABはいずれの固有性をも拒絶し、物語性を排除することでアンダーグラウンドの掟を守ったのであり、敬意を込めて言えば、この音楽を好む人はまだ少ないだろう。にも関わらず、SIMI LABの周辺がにわかに騒がしくなってきた。そう、あらゆるジャンルにおいて、既存の価値観を問い直すような表現は、喝采ではなく常にざわめきとともに迎えられる。前例なきメンバー構成が成す魅力的なヴィジュアル・イメージも、極めてクールだ。このざわめきが聴こえるだろうか? プレスされたような息苦しいアンビエンス、不穏な金属音、淡々と進行するビート、各々のメランコリアを内破するような堂々たるマイク・リレー、いまの閉塞感に対するアンサーのようにもなったアンダーグラウンド・クラシック"The Blues"(pro by OMSB'Eats)は、この先もっと多くの聴き手にこのざわめきを届けるだろう。
何か良いことを言わなければならない、何か気の利いたことを言わなければならないというオブセッションがJラップにはあるんじゃないだろうか。それをいま議論したいわけではない。が、それがこのジャンルの自己啓発ないしは自己実現めいた傾向をうながしているとしたら、S.L.A.C.K.はそうした硬直さが目立つJラップのシーンにおいて「テキトーでさ」という逆説によってリスナーの気持ちを楽にしたラッパーだと言える。
「未来はない」と言うことで前向きになれるというパンクの使った逆説は、人に聞いたところでは3.11直後ではECDの「寄付しない」という言葉ぐらいしかなかったようだけれど、いま時分「希望」などということをもっともらしく主張するのは、よほどの三文役者か、大衆を舐めているように思えてしまう(エネルギーをめぐる議論もエコ・ブームのときと同じで、どうにも胡散臭さがつきまとうのが正直なところ)。だいたい3.11以降の「ポジティヴなメッセージ」という宣伝文句ほど白けさせるものはない。
それでも先日は下高井戸のトラスムンドで、D.O.による3.11へのリアクションとして実にエネルギッシュな新曲を教えてもらい、少しポジティヴな気持ちになれた。煙にむせながらはじまるその曲で、D.O.は政府をこき下ろし、そのふてぶてしい大らかさでリスナーの気持ちを楽にする。買うかどうかけっこう迷ったけれど、そのときあまり持ち合わせがなかったし、取り置きしてもらっていたS.L.A.C.K.の『この島の上で』1枚を買って帰った。
S.L.A.C.K.の『この島の上で』は、3.11以降の「ポジティヴなメッセージ」という宣伝文句で売られている。ネット検索すればそのような言葉がずらーっと目に入ってくる。これを先に見ていたら買わなかったんじゃないかと思うほど、僕はこの1年、気の利いたことの言えない音楽ばかりをよく聴いている。が、そんな人間でさえもこの作品を買うことに何の迷いはなかった。3.11直後に発表したパンピーとの共作には思慮深さを感じたし、何と言ってもS.L.A.C.K.のような自由な気風を持った若いラッパーがこの重たい主題と向き合っているという事実は避けがたい魅力だ。
実際の話、『この島の上で』はずいぶんと勇敢な作品なのかもしれない。主題もさることながら、誤解を恐れずに作ったとはまさにこれだろう。クローザー・トラックにアルバムのメッセージが集約されていると解釈するならば、シック・チームと作ったその曲"逆境"は、本人たちの意図にはないにせよ、マスメディアの「がんばれ日本」キャンペーンを補完しかねない。「つねにポジティヴ」「つねに前向き」といった身も蓋もない言い方はまだしも、曲からは「侍」や「日本刀」といったクリシェまで出てくる。これが彼らの誠実さから来たものだとしても、たとえばPJハーヴィーの『レット・イングランド・シェイク』で展開されるような、母国愛とその主体(誰にとっての共同体なのかという視点)についての確固たる説明がいまひとつ足りていないんじゃないかと思う。ゆえに"逆境"がなければ違ったアルバムに聴こえたかもしれないけれど、もし仮にそうだったとしても『この島の上で』がフレンドリーな作品だとは言えない。むしろアルバムの多くの場面においてS.L.A.C.K.は自らの内面の葛藤を露わにしている。
アルバムには彼のさまざまな感情が先走っている。ディストピックな"とまらない街"は、音と言葉で彼の混沌とした内面をさらけ出している。ディスコ・ビートの"日々の上"はそれとは対照的に、アップリフティングな曲だ。「でもLIFEはながいし、つまらないとつらい」「答えすらないよ、この星の未来」「ギャルくどきながらまた考えつくこのひらめき」――葛藤を抱えつつ、しかし曲は意気揚々と展開される。彼の音楽活動におけるDIY精神を見せつけるような"Hatugen on Skit"も肝の据わった曲だ(RAU DEFが客演している)。三味線のサンプリングを使ったこの曲はひときわ殺気だっているが、そうした責め立てるような感情、苛立ち、苦しみ、もしくは怒りのようなものは『この島の上で』の随所で見られる。東京のアンダーグラウンド・シーンの生気を描く"In The Day"にも彼の強い気持ちがにじみ出ている。それは考えるよりも先に吐き出されているようだ。収録された曲すべてがいままで以上に衝動的にも聴こえる。
そんなわけで『この島の上で』とは、リスナーを前向きにするような作品というよりも、3.11以降、いてもたってもいられず作ったある種の記録、ある種のドキュメンタリーのように思える。あるいは"逆境"で言うところの「異端ジャパニーズ」の将来は決して明るいとは言えないからこそ、2011年が終わらないうちに彼は出しておきたかったのだろうか......例によって何の前触れもなく、これは出た。アルバムのはじまりにある「とりあえずこれからでしょ」という彼のつぶやきは、そうした暗い現実に対して、同時に自分自身にも言い聞かしている言葉のようにも思える。この続きは、次に下高井戸のトラスムンドから「S.L.A.C.K.の新譜が入りました」というメールが来るまでの楽しみとしておこう。
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THE LIJADU SISTERS
DANGER / ORERE-ELEJIGBO
SOUL JAZZ / UK / 2011/11/21
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FAR OUT MONSTER DISCO ORCHESTRA
KEEP BELIEVING (CAN YOU FEEL IT) REMIXES
FAR OUT / UK / 2011/11/6
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Kではじまるクラスターからコンラッド・シュニッツラーが抜けてCではじまるクラスターになり、さらにメビウスの代わりにオンネン・ボックが参加してQではじまるクラスターに。あはは。ボックはレデリウスがメタル・ボウルなどの演奏で参加していたクリスチャン・キュービック(裏アンビエントP102)の人脈からフック・アップされたようで、ツァイトクラッツァー・アンサンブルの一員として活動するサウンド・インスタレイションの若手。
CとQは並行して活動を続けるらしく、それはつまり、レデリウスから溢れ出る創作意欲をメビウスだけでは受け止めきれないということなのか、いずれにしろレデリウスとクリント・イーストウッドはいまや暴走老人の域に達していることはたしか。2011年にレデリウス・ミュージックから配信されたコラボレイションの数は......とにかく多い(ちなみに寡作とはいえ、09年にリリースされたメビウスのソロ作『クラム』の評価もかなりのもの)。
Qではじまるクラスターも、デビュー作『フラーゲン』は東日本大震災の直後にリリースされ、年内にはライヴ・アルバム『ルーフェン』も間に合うというハイ・ペースぶり。モーガン・フィッシャーとのジョイント・アルバム『ネヴァーレス』や、とくにティム・ストーリーとの『インランディッシュ』で印象付けられたように、ここ数年、ニュー・エイジ色が強くなっていたレデリウスの嗜好をそのまま反映していたスタジオ作に対し、ライヴ・ワークでは緊張感を増した実験性が回復し、完成度では圧倒的にこちらを取りたい。あるいはニュー・エイジとサウンド・インスタレイションは、つい最近までは似ても似つかぬものだったのに、アンビエントという概念によってそれらは奇妙な融合を成し遂げ、低俗とアカデミズムはあっさりと横断されていくと聴くこともできるか。一部でミュージック・コンクレートとイージー・リスニングの境界が失われつつあるように、ロマンとアンチ・ロマンがせめぎ合うというのが時代の要請なのだろう(?)。
ニュー・エイジというキーワードの復活にはOPNもひと役買っているところがあるとは思うけれど、2011年のみならずアンビエント・ミュージック全体でもベスト10内には必ず入ってしまうに違いないアリオ・ダイ&ツァイトの3作目『イル・ジャルディーノ・エルメノイティコ(解釈学的庭)』から半年ほど後にリリースされたダイのソロ18作目にもニュー・エイジとの危ない橋を渡ろうとする傾向は聴き取れる。ツァイトとのコラボレイションでは華やかで明るく、人生への祝福に満ちたファンタジーが基調をなしていたのに対し、『ハニーサックル』では同じように慈しみと類まれなる穏やかさを感じさせながら、どこかに抑制された情念や漠然とした不安を潜ませている。「悪い予感のかけら」とでもいうのだろうか、作風の落ち着かない人なので、近作との関連性や反動といったものから生まれたものではないと思うものの、『イル・ジャルディーノ・エルメノイティコ』ほど誰彼にでも薦めたいものではなく、この感じが必要な人に上手く伝わればいいなと思うだけである(こんな書き方ではとても無理だろうけれど......)。
ハウ・トゥ・ドレス・ウェル......、これは穴馬、ダークホースですよ。〈トライ・アングル〉というレーベルは、oOoOOをはじめ、ハウ・トゥ・ドレス・ウェル、ホリー・アザーといった怪しげな連中の作品をリリース、いわゆるダークウェイヴ/ウィッチハウスの発火点となっている。ハウ・トゥ・ドレス・ウェルの音楽は、たとえるならサイケデリックな幽霊屋敷のR&B、嗚咽のような、すすり泣くダークウェイヴ/ウィッチ・ハウス。彼のアルバム『ラヴ・リメイン』は、恐ろしい作品である。
そしてアクティヴ・チャイルド、チルウェイヴ/シンセ・ポップの現在ですね。今年はファースト・アルバム『ユー・アー・オール・アイ・シー』もリリースされました。もうこの人は、歌が素晴らしいです。アクティヴ・チャイルドの登場とともにソフト・セルやアソシエイツの中古もいっきに品薄になりました。
そんなわけで、12月12日は代官山 UNITに現実逃避してください。
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