「K A R Y Y N」と一致するもの

山本精一 - ele-king

 まいどまいど、とりあげるのが遅くなったのを詫びてばかりいるので今回はあやまらない。とりあげる時期で作品の価値が変わるわけでなし、もし変わると思うならあなたはメディアリテラシーという言葉にいいように踊らされた半可通にすぎないとか偉そうなこといってもうしわけありません。
 このアルバムが出たとき、私はレヴューを一本も書けないほど忙しかったのだろうか、もう思い出せない。何日か前のことはおろか、昨晩何を食べたかのかもあやふやになっている。私は子どもが保育園に通うので、園に渡す日誌を書くが、そこに昨晩何を食べたか書く欄があり、そこで筆が止まり、「昨日の夜何食べたっけかね?」と訊ねてみると娘はムッツリだまっている。気分を害したのではない。質問の意味が飲み込めないのだ。「昨日」という概念が定かでないのである。子どもにとっては2日前も3日前も過去として等しく昨日であるようである。一昨年、日弁連が出した子どもの司法参加を求める意見書にも「誘導・暗示に陥りやすい子どもの特性に配慮し、子どもからの聴取りは専門的訓練を受けた面接者が行う」という一文がある。外的要因に左右されがちな子どもの供述を司法に組み入れるための指針が提案されているが、大人だからといってつねに記憶が定かなわけではあるまい。

 山本精一がカヴァー・アルバムをつくろうと思ったとき、彼の記憶のどこからこれらの歌は呼ばれてきたのだろうか。『山本精一カバー・アルバム第一集』と題した本作の収録曲は"ターン・ターン・ターン"(ピート・シーガー)、"アイ・ビリーヴ・イン・ユー"(ニール・ヤング)、"サークル・ゲーム"(ジョニ・ミッチェル)、"フォー・アブセント・フレンズ"(ジェネシス)、"オーブル街"(ザ・フォーク・クルセイダーズ)、"失業手当"(高田渡)、"そして船は行くだろう"(あがた森魚/岡田徹)、"ランブリン・ボーイ"(トム・パクストン/高石友也/岡林信康)、"からっぽの世界"(ジャックス)、"ウィ・シャル・オーヴァーカム"(ピート・シーガー)の10曲、ライヴでもおなじみの曲を洋楽/邦楽(とひさしぶりに書いたが)半々選んでいる。フォーク・ソングといい条、それは音楽のスタイルとしてだけでなく、フォークをより言葉の元の意味に近い場所へ、匿名の民衆の歌であり、プロテスト・ソングであるフォークへと遡行させていくことは、本作がピート・シーガーではじまり終わることをほのめかしている。間に入る曲は50~60年代中心だが70年代初頭もある。たとえば「そして船は行くだろう」は去年、岡田徹のムーンライダーズ休止後の初のアルバム『架空映画音楽集II erehwonの麓で』の収録曲で、さきごろ岡田とYa-To-Iを再開した山本精一もこのアルバムに参加している。だからこのカヴァー・アルバムは第一集と銘打っているが厳密には愛唱歌を古い順にまとめたものではない。私は「カバー」の「第一集」とうたわれることで、自然とそれが編年的なものであるかのごとく、気をまわしてしまうが、むしろ一貫しているのはフォークに範をとった演奏による音の響きであり、山本精一は70年代をひとつの境に、今日ではとくに、オリジナリティを求めるがゆえに語りの主体と方法とを問題にせざるを得ないフォークの潮流を、50~60年代のそれと向き合わせることで異化するかにみえる。単にノスタルジーであれば昭和を懐かしむ輩と変わらない。たしかにシンプルだが。かそけ さを帯びている。フラットな歌唱と抑制したギターの底でハレーションを起こしかけた音の粒が泡立っている。基調となるのは「白」であり、「光」であり、だから「昼」である、と私は思う。そんなもの曲解だ、とおっしゃらないでいただきたい。いやむしろ山本精一の解釈が光をあてる。

 ジャックスの"からっぽの世界"は彼らのファースト『ジャックスの世界』(1968年)の収録曲で、山本のカヴァー・アルバムでも山になっている。『ジャックスの世界』はいうまでもなく日本のロック史上もっとも重要な作品のひとつである、ということになっている。私も学生のころから何度となく聴いた。だけでなく、2011年の湯浅学氏監修によるファースト・アルバムを復刻するシリーズ「EMI ROCKS The First」ではライナーさえ書いた。そのときも聴き直したが、印象は昔とさほど変わらなかった。というか、白状すると重たくも感じた。それはこのアルバムが早川義夫の「嵐の晩が好きさー」("マリアンヌ")ではじまるからであり、この距離感のない、森敦流にいえば密蔽した世界に入って行くには私には余裕がなかった。つまり「夜」が広がっていて、その後の"時計を止めて"のいかにも60年代フォーク的な抒情性、"からっぽの世界"の歌詞と相反する洒脱なアンサンブルに耳が届く前に、黒々とした闇に塗り込められ鼻をつままれてもわからない気がした。それが山本精一のフィルターを通すと白々と明けてくる。茶谷雅之とのカオス・ジョッキーの"Asph"を思わせる潮の満ち引きのような山本のエレクトリック・ギターとフラットな歌唱は混沌としてサイケデリックではあるが、70年代以降、つまりブルース/ハード・ロック的なファズを利かせたサイケではなく、ヴェルヴェッツや西海岸の60年代のそれに近い。だが歌詞にはラヴもピースもあらわれない。むしろ愛と平和に対抗するように死をあつかっている。ジャックスの、早川義夫の歌唱では死が鈍器のようであった。ジャックスのころの世界ではその現状に対抗するためにそのように声を上げなければならなかったのはよくわかる。ところが山本精一のヴァージョンでは歌詞はサラリと歌い過ぎ、歌い手のエモーションが蒸発した"からっぽの世界"の真空状態はニヒリズムさえたやすく招き寄せない。
 まるでジャケットにあしらった山本精一が撮った写真のように山本精一はそこで影になっているようである。影は実体と相似だが実体そのものではない。そして影はまた昼の産物であるが昼のなかに闇をうむ。

 山本精一はカヴァー・アルバムという形式を利いた風に使うのではなく、歌に主導権を譲りわたし、しかし存在の痕跡をそこに刻み、歌の歌うがままにする。もちろん曲を選んだのも歌も演奏も山本精一であるのだから彼らしささはゆるがないが、曲はそれぞれ自律している。そして響き合っている。すべてが移ろうと歌った"ターン・ターン・ターン"からニール・ヤングの"アイ・ビリーヴ・イン・ユー"へ。さらにヤングと同じ時期トロントに居合わせたジョニ・ミッチェルの"サークル・ゲーム"へ歌はめぐり、「For Absent Friends(不在の友のために)」歌ったジェネシスへ。2009年にみずから世を去った加藤和彦の「オーブル街」から、多くのフォーク・ソングを日本語の息吹をあたえた高田渡の"失業手当"(この曲も原曲はラングストン・ヒューズである)へ。"ランブリン・ボーイ"は"失業手当"と共鳴し、"失業手当"のひしゃげたギターが"からっぽの世界"の先触れとなる。
 歌に何かを託し言葉がメッセージとなることを、私たちはよく知っているが、生と死を遍歴し彷徨する山本精一の世界はひとつの価値観に収斂するものではない。19世紀初頭、老境のゲーテが人妻マリアンネと、14世紀のペルシャの詩人ハーフィズの詩を元に交わした詩が『西東詩集』となったように、過去とも現在とも、そして未来とも唱和し暗示する。そしてこのアルバムが"ウィ・シャル・オーヴァーカム"で終わるとき、私は去年、紙「エレキング」の水玉対談で水越さんが「"ウィ・シャル・オーヴァーカム"は『We Shall Overcome』のところじゃなくて『Some Day』ってのがいいんだよ」といっていたのを思いだした。
 いますぐ実現しっこないと思えたことがいつか実現するとき、そこから過去になった現在をふりかえった私のおぼつかない記憶はこのアルバムを聴いている今日をどのように思いだすだろうか。
 今日は3月11日である。

shinjuku LOFT presents SHIN-JUKE vol.2 - ele-king

 控えめに言っても野菜マシマシ。このイヴェントのヴォリュームは、近隣のラーメン二郎(歌舞伎町店)を遥かに超えた大きさだった。
 まず、会場は日本のジュークシーンを成さんとするひとたちの集大成。日本でジュークを着実に広めている〈ブーティー・チューン〉のひとたちはもちろんのこと、昨年の『ゲットー・ギャラクシー』が最高に笑かしてくれたペイズリー・パークス/『アブソルート・シットライフ』が発売したばかりの主役であるクレイジーケニー(CRZKNY)/ジュークスタイルの自作曲から選り抜きしたコンピレーション『AtoZ!!!!!AlphabetBusterS!!!!!』がリリースされたばかりでなぜか入手困難になっているサタニックポルノカルトショップ(Satanicpornocultshop)らミュージシャンをはじめ、ジュークのイヴェントでは必ず見かける若いフットワーカー(ダンサー)たちも踊っていた。
 それだけではない。このイヴェントの特徴は、ジューク勢だけでなくスタイルの異なる出演陣が混合している点にある。ザ・モーニングス/掟ポルシェ/どついたるねんといったライヴハウスでは名の知れたバンドをはじめ、炭酸を抜ききったコーラで踊り狂ってみる感じのディスコ・バンド=ハヴ・ア・ナイス・デイ!/ハイパーヨーヨ(hy4_4yh)という女性アイドル・ユニットまで混ぜこぜになって出演していた。

 開場から3時間も遅刻して僕が到着したすると、ホール・ステージでは〈Shinkaron〉のDJフルーティーがジュークの爆低音を唸らせている。そのままバー・ステージを覗いてみる。3人の女性が無味乾燥のギターロックに合わせて元気に歌って踊っている(註1)。おお.....訳が分からない。その2つの風景がクロスオーヴァ―もなにもなく分断していたのは明らかだったが、そこから先の心配は杞憂であった。

 程なくしてホール・ステージには、日本においてゴルジェ(#gorge)を先駆けたハナリがライヴを開始した。以前、六本木ではゴルジェ勢とジューク勢が訳もなく抗争を繰り広げていたことは本誌でも伝えたが、おなじくゴルジェの作家であり〈アナシー〉の主宰=ウッチェリーも今回駆けつけていたものの、今回ゴルジェの出演者はハナリのみ。
 ゴルジェを自称するルールのひとつとしてタムを用いるという条件があり、それがゴルジェというタグ概念をサウンドの面で特徴づけている。ハナリのサウンドも然り、体育館で大量のバスケットボールを一斉にドリブルしたかのようなタムの乱れ打ちは山岳や岸壁の険しさを表現しているといわれるが、そのゴツさと険しさはインダストリアルなノイズの延長線上で生まれた音にも聞こえる。
 ハナリが両手でMPCを叩き打ち、シンバルやSEが騒がしく響き渡る。一切の照明を消した暗闇の奥、何台ものデカいウーファー・スピーカーの向こう側でヘッドスコープを着用しているハナリは、洞窟のなかを進むように、ポスト・ダブステップ的なビートやジュークのテイストをそれとなく織り交ぜながら、ひたすらMPCでノイズを出し続けていた。そのコミカルさに、オーディエンスも呆れ半分、こういうものかと見守り始める雰囲気があった。
 思うに、デス・グリップスやレッド・ツェッペリンのドラムソロにまでゴルジェと言ってしまうくらい貪欲なタグなのだから、ジュークとしてタグ付けされプレイされる音楽のパターンがより多様性を得て、そのライヴやDJぼんやり見ている層まで惹きつけるようになったとき、ゴルジェはより予期しない方向に発展する.....かもしれない。ゴルジューク(Gorjuke)などいう試みは、踊れるという意味でも、そのよい例であるのではないだろうか。僕からすれば、ジャム・シティなんかとも遠からず共振する無機質な合成感がゴルジェにはあるのではと思う。

 DJヤーマンのドラムンベース/レゲエのあとには、どついたるねんがいつも通りといった感じの悪ノリでフロアの湿度を上げていた。途中、唐突にジュークタイムを2分ほど挟んでフロアを駆けずり暴れていたのはとても分かりやすく、つまりはジュークのサウンド/リズムエディットに悪ノリっぽさを見出し、幼稚な意匠として利用したということだ。と同時に、音楽的な味わいどころをまったく放棄して「俺の友達面白いっしょ!」と押しつけがましく暴れてるどついたるねんのステージのなか、ジュークが音楽としていかにフレッシュで刺激的であるかが浮き彫りになった瞬間にも見えた。

 DJクロキ・コウイチがニーナ・シモンの名曲"シンナーマン"のジューク・エディットなどでホール・フロアをクールに煽り、機材準備の完了したペイズリー・パークスにそのままの勢いでなだれ込んだ。
 MPCやルーパーでザクザクとジュークを料理していくライヴ・エディットを披露した。レコーディング音源にも共通していえることだが、ペイズリー・パークスのエディットは、高速のBPMでダンス・ミュージックとしてフィジカル(脚)を直接ダンスへ鼓舞するというよりも、ダークかつ扇動的なサウンドと、脳味噌を右左に揺さぶり方向感覚を失わせる不安定なエディットで、訳のわからないトランス感のなか脚をガタガタさせるような作用があり、いわば脊髄反射ではないという意味においてはヘッド・ミュージック的に楽しませるところがある。リスナーの脳をぶっ壊さんばかりのエディットは、トランス感とダンスへの昂揚を同時にオーディエンスに湧き立たせる。フロアの多くのひとが熱狂していたというのに、わずか10数分あまりで終わってしまったことが本当に惜しいが、そう欲しがりにさせるほど、ペイズリーのトラックは中毒性が高い。アルバムを制作中だというが、ガッチリ完成させて、一刻も早くリリースしてほしい。

 その後のサタポ、ステージ上に現れたのは5人。全員が仮面を終始被っており、名の通り、ややカルティックな気味の悪さを演出している。ジョークめいたラップと歌を披露する2人と、トラックマスター1人、ほかにステージ上をゆっくり動きまわりながら、突如ほかのメンバーをプロレスよろしく張り倒しはじめる2人(どうやらDJフルトノとクレイジーケニーだったらしい)。
 急に仰々しいバラードを熱唱し始めたり、ひよこのオモチャを弾きまくったり、練習中っぽいフットワークを披露したり、アンダーワールドの"ボーン・スリッピー"を堂々とジュークエディットしていたり、ちゃらんぽらんの英語で歌ったり、歌の途中、うろつくメンバーにいきなり張り倒されたり、チーズのお菓子を気まぐれに投げ始めたり、尻に貼っていた湿布を渡されたり(受け取ってしまったが、心の底から要らなかった).....およそ1時間、大阪弁のMCも含めとにかく笑わせてくれたし、音楽もしっかり聴かせる、素晴らしいショーケースだった。
 これはペイズリー・パークスにもすこし言えることだが、サタポがポップな諧謔性をジュークに見出しているのがよくわかった。まだまだフレッシュなジュークの音楽にのっかって、これからも多くの人にライヴで発見されていってほしい。あなたの街にサタポが来たら、とにかく腹筋のトレーニングだと思って観てほしい。

 オーディエンスも長丁場と連続する低音にかなり疲れていた様子のなか、ペイスリー・パークスのケントに煽られながらクレイジーケニーは登壇した、が、いきなり機材トラブルで音が出ない。酔っ払いながらここぞとばかりに本気出せよと捲くしたてるケント。広島弁のヤクザな態度で怒鳴り返すケニーは、愛嬌はありながらも、もしかしてマジでその筋から出てきた人なのではと思ってしまうほど恐かった。
 新譜のなかの"ナスティー・ティーチャー"に顕著だが、徹底的にロー(ベース)に腰を据えたサウンドは、この日の聴いた中で最もシブく逞しいものだった。一番むさかったとも言える。
 ローの熱く張り詰めた空気と中和するように、本人がイジラれキレる様子はとてもコミカル。サンプリングもユニークで、『キューピー3分クッキング』のテーマ曲がリズミカルに乗っかっていたり("3minute 2K13")、ヤクザ映画の言葉を織り交ぜたり("Midnight")、なかでも昨年の夏にツイッター上の何気ない提案から制作された"JUNJUKE"は最高に笑かしてくれた。稲川淳二の声がリズミカルにリピートされ、何重にも折り重なっていくさまは痛快だった。「ユウユウオワオワオワオワオワ」「ガタガタガタガタガタガタ」「ハアッハアッハアッハアッハアッハアッハアッハアッ」「ヒー! バババババババ」といった擬音がパーカッシヴに生かされ、ジュークのリズムをMADの枠組みとしてうまく活用している。
 サタポとおなじく、クレイジーケニーのセットにも笑いの解放感があった。

 クレイジーケニーが深々と頭を下げてイヴェントは終了した。
 特別にいくつもレンタルした低音スピーカー=ウーファーの片づけを会場に残っていたみんなで済ませ、競技を終えた体育祭のあとのような、わるくない疲労感に浸った。

 僕はこの日、気の向くままに踊り、と同時に大いに笑かされたことで、スカッとしたし、生きていてよかったなあとさえ思った。ダンスミュージックであるジュークを、笑いを生むリズムとして解釈して遊びきってしまう出演者たちの姿は、観ていて清々しいものがあった。ウーファーはいささかブーミー気味でもあったし、音響がベストだったとは思わないが、フットワーカーがよじ登り、そのスピーカーでさえステージとして活用していたのもカッコよかった。とにかく遊びきっていた。イヴェントのむさくるしさ(男臭さ)を笑う声もあったが、女性も少なくはなかったと思うし、フットワークを披露した女性もいるので、とくに気にすることもないだろう。
 それに第一、今回のイヴェントのもっとも有意義な点は、〈新宿ロフト〉というライヴハウスで、ふだんクラブに来ない人たちまでもがジューク&フットワークを目撃し体感したことだろう。どついたるねんのメンバーも、ハヴ・ア・ナイス・デイ!のメンバーも、ペイズリー・パークスやサタポのライヴ中、ジュークに感銘を受けたように踊っていたし、それこそがこのイヴェントのもっとも象徴的な画だったかもしれない。打ち込みの音楽とはいえ、バンドマンもといライヴハウスの人間を圧倒させる力がジュークには確かにある。笑って遊びきる感覚を武器に、ジュークにはこれからもどんどん広まっていってほしい。この思いきったイヴェントを主催した〈新宿ロフト〉の副店長=望月氏には拍手と感謝を送りたい。当日も現場で送ったが、まだ足りないくらいだ。

 最後に大事なことをひとつ。この日はフロアでも頻繁にフットワークのサークルができ、先に述べたように、スピーカーまでもがダンスのステージとして活用され、転換中、スクリーンにはフットワークのレッスン動画が流されるほど、フットワークへの注目が高まりつつある。
 ただし、この日フットワークを披露してい(るとこを僕は初めて観)たDJクロキ・コウイチ氏も言うように、ジュークのDJのなかでフットワークを踊るひとは少ないし、こうしてイヴェントに集まるフットワーカーもまだ多いとはいえない。筆者は、トラックスマン来日エレグラゴルジェとジュークの全面抗争につづいて、イヴェントでジュークを聴いたのは4回目。若いフットワーカーもイヴェントのたび増えている印象があるが、それでもまだ少ないダンサーが切羽詰まったローテーションで踊り、サークルの流れが途絶えてしまうのも事実。
 もちろん会場のみんなが踊れるべきだとまでは思わないけども、このジュークという音楽をすこしでも多くのひとがダンス・ミュージックとしてもエンジョイできたら、どんなに楽しいパーティになるだろうか。ダンスできる/できないの壁をどれだけ払拭していけるかが、ジュークのこれからを考えたとき、ひとつ大きなポイントであるのではないかと思う。
 
 ということで、レッスン会のようなものがないうちは、夏頃に開催されるだろう〈SHIN-JUKE vol.3〉に向けて、以下のレッスン動画でチャレンジしてみましょう。犬の声はサンプリング?
 ほかにいい動画や練習の集まりがあるぞーというひとはぜひ僕宛てに教えてください。

 

 
(註1)あのとき鳴っていたのはファンコット(FUNKOT)だったというご指摘をたくさんいただきました。筆者のまったく記憶違いでしたらまことに申し訳ありません。(斎藤辰也 3/12 13:12)

Chart - JET SET 2013.03.11 - ele-king

Shop Chart


1

Will Sessions Feat. Rickey Calloway - The Jump Back (Funk Night)
リリースする全ての作品が当店大ヒットを記録するWill Sessions。本作は再び、Rickey Callowayをフィーチャー!

2

O.s.t. - Django Unchained (-)
鬼才Quentin Tarantino手がける最新話題フィルムからのサントラがヴァイナル・カット!Rick RossやJohn Legend, Anthony Hamiltonのオリジナル楽曲に加え、James Brown Vs 2pacというナイスな組み合わせが実現したB-5、他映画からのフレーズも盛り込んだボリュームありの全23曲!

3

Skints - Part & Parcel (Soulbeats / Bomber Music)
Hollie Cookに匹敵のポップなセンスと、スカからラガまで取り込んだクロスオーバーなサウンド。Prince Fattyプロデュースの大傑作が入荷です!!

4

Gold Panda - Trust (Notown)
新世代エレクトロニカ最高の才能による新曲が待望のヴァイナル・リリース!!自身のレーベルNotownとGhostlyとの共同リリースによる限定12インチ。ダウンロード・コード封入!!

5

Tx Connect / Speculator - House Of Confusion (L.i.e.s.)
少量入荷につき即日ソールドアウトが続くus最深地下"L.i.e.s."発のリミテッド黒盤シリーズ最新作4番。Wt Records総師Willie Burns A.k.a. Speculator手掛けるカルト・エディッツ3楽曲を収録!!

6

Spinnerty - Gestures (Record Breakin)
John RobinsonやB.bravoを迎えた同レーベルからの前作も好評だった、ベイエリアのビートメイカー/DjのSpinnertの新作が登場! クロスオーバーにオススメなLil Dave, J-boogieのリミックスも必聴!

7

Space Dimension Controller - Welcome To Mikrosector - 50 (R&s)
デビュー12"『The Love Quadrant』がいきなりの当店爆裂ヒットを記録したのも記憶に新しいギャラクティック・ベース・ディスコ人気者S.d.c.が遂に待望の1st.アルバムを完成です!!

8

Lindstrom & Todd Terje - Lanzarote (Olsen)
昨年、Six Cups Of Rebel名義でのアルバムや、Smalltown Supersoundからの数々の12"でも不動の人気を魅せたLindstromと、'12年度、ディスコ/ハウス・シーンにおいて世界的なセールスを記録したと噂の絶えない大人気Todd Terjeがタッグを組んだ注目作品!

9

Four Tet - 181 (Text)
毎度即日完売する大人気レーベルTextから、主宰Four Tet自らによる3年振りの変則最新アルバムが登場。なんと'97年~'01年にかけての自作曲をメガミックスした長尺2曲を収録です!!

10

Third World All Stars - Rebel Rock (Pressure Sounds)
ジャジーなサックス、メロウなシンセ、ヘヴィなベース。Errol Dunkleyの名作『Sit And Cry Over You』を下敷きにした極上レゲエ・インストが再発!

tofubeats - ele-king

春にアルバムなどが出ます。
https://www.tofubeats.com/


1
Toro y moi - Anything In Return
何度聞いてもウオオオオオ!ウオオオオオ!ってなります。
ちなみに余談ですがボイラールームでのDJ動画で最後司会の女性と楽しそうに踊っている動画もとても最高です。Kyle Hallが95NORTHのNow It's TimeをかけているSunday Bestの動画でI loveNY TEEを着た美女が踊っている動画がそういう音楽で青春を取り戻す瞬間動画ではベストでしたがそれを超えました。

2
Esta - WhatIsGnaMake
ここ最近のベスト。単曲配信でしたがこれを書いてる2日前くらいにこれ収録のアルバム出ましたがそれも良い。

3
Gwen Stefani - Luxurious (VΞRACOM'z Egyptian Cotton C&S)
他の曲でジャンルが"gay trap"って書いてるのあったりとか、ここらへんはほん
と遊びがあっていい。

4
Symphony Hall - One Night Stand (feat.Jay Norton)
Marbleまわりが格好良すぎてつらい......

5
Ta-ku - Diamond Mouth
TRAPよりもうちょっとだけこういうノリのほうが好きっぽいのかなと思います。

6
DJ paypal - IRL
picnic womenから上品さを差っ引いた感じ。むしろ上品なDJ paypalがpicnicwomenなのかも......

7
AVAN LAVA - sisters
昨年の作品ですが落としてからずっと聞いてます。全曲いいしライヴ動画もマジ最高

8
Mirror Kisses - runaways
ほとばしるナード風なルックスも込でこういうbandcamp以降よく見かける音源は打ち込みでライブはバンドみたいなの好きです。 kickstarterで企画やってるのも今っぽい。

9
Giraffage - Close 2 Me
なにげにperfumeとか大ネタ使い多いですが原曲好きなのばっかやってくれるので好きです。

10
木原さとみ(東京パフォーマンスドール) - 銀色のシルエット(remix)
年2回くらい東京パフォーマンスドールのライブ動画を見直すシーズンがありますが今年頭のは結構長くて、持ってない音源まとめて買いました。 リミックス盤収録のナイスブギー。
. 米光美保 - あなただけ感じて[EXTENDED FULL POWER DIGITAL MIX!!]
角松氏プロデュース元TPD米光氏のアルバムのリミックストラック。イントロ以外は言うほど切れてませんが何よりこのタイトルがグッときま す。#EXTENDEDFULLPOWERDIGITALMIX

CE$ - ele-king

CE$-(MOBBIN HOOD,she luv it)
DJではBASS/TECHNO/HIPHOP/GRIME/DUBSTEP/TRAPをプレーしたりしてます。
部屋ではHARDCOREとREGGAEをよく聴きます。
MIXCDも何枚かリリースしてますので、良かったらチェックしてみて下さい。
今年は新しいMIXCDと新しいパーティーも企画中です。
&全国の友達に、いつも有り難う御座います。
https://soundcloud.com/for2empty
https://soundcloud.com/mobbinhood
https://soundcloud.com/ces-5

【Chart for ele-king 2013 Mar.】※順不同


WDsounds exclusive mix/DJ HIGHSCHOOL (WDsounds)
レーベルinfoにも書いてあったけど、HIPHOPは現在のRUDE MUSICのひとつだという事を、改めて思わせてくれるMIX。

BEDTIME BEATS VOL.3/SONETORIOUS aka DJ HIGHSCHOOL(804 Productions)
Flunking This Semesterを聴いた時の衝撃は忘れがたいです。

presidents wolf mixWOLF 24 (PRESIDENT HEIGHTS)
ふとした時に気づいたら部屋で流してます。

Wake&Bake Basics Cough,Cough,Pass/GRINGOOSE(seminishukei)
&Prillmal Dessert Delights/GRINGOOSE(seminishukei)
耳に気持ちいいBREAKBEATS/HIPHOP/SOUL/FUNKが、街の温度と共に響いてきます。

・Misty the Sound Crack/ONE-LAW(FELLOWZ)
全曲本当に素晴らしいのですが「Coltez」が一番お気に入りです。
中毒性も凄いと思います。

P-SHOCK/Mr.PUG from MONJU(DOG EAR RECORDS)
&EARR/ISSUGU FROM MONJU(DOG EAR RECORDS)
DOGEARからのこの2作品は、純粋な彼らのHIPHOPであり、二人の美学がヒシヒシと伝わってきます。

FL$8KS/FLA$HBACKS(FL$Nation & Cracks Brothers.Co,Ltd )
完全なる新世代によるSUPA FRESHな1枚。

Telephone my girlfriend on a cold dai/MASS-HOLE(MidNightMealRecords)
これまでのMASSのMIXの中でも一番エロい感じですね。最高です。

〈SPF420〉第3回目が開催 - ele-king



 以前、ヴェイパーウェイヴ界隈のフェスティヴァル〈#SPF420 FEST〉の模様を本誌でお伝えしたが、きたる3月20日にその第3回目が開催される。苗場にも幕張にも長野にも行けずとも、お手元の機器がインターネットに接続されてさえいればこのフェスには参加できるので、ご安心を。会場はこちらです。

video chat provided by Tinychat

HTTP://WWW.TINYCHAT.COM/SPF420

 とはいえ、開催時刻には気をつけてほしい。米国東部時で3月20日22:00だが、日本標準時で考えると3月21日(木曜日)12:00である。平日ではあるものの、時間がある方はぜひこの戯れに混ざってみてはいかがだろうか。
 前回の様子は、チャットも込みで、以下の動画を参照していただきたい。

Transmuteo Live @ SPF420FEST2.0 from Transmuteo on Vimeo.

 今回の出演者で注目したいのは、情報デスクVIRTUALでもなくプリズムコープ(PrismCorp)でもなく、元来の名義での登場となるヴェクトロイド。もともとトロ・イ・モアをリミックスしていたように、ヴェクトロイドはそもそもチルウェイヴの潮流のなかで名を拡げていたアーティストだ。おそらく、今回はミューザックの垂れ流しではないだろう。どのようなライヴを披露するのか楽しみである。
 ほかにも、日本のツイッタラーからも愛されている、ジューク/スクリューが得意なDJペイパル。ヴェクトロイドともギャラリーで共演しているマジック・フェイズ。そして、サウンドクラウドにも音源のない、謎のツイッタラー=コーダック・キャメオがなにをするのか気になるところである。
 なお、フライヤーデザインはホワイトバックグラウンドによるもの。

 主宰のひとり、ストレスからプレスキットが届いたので、その言葉をもとに再構成したフェスティヴァルの詳細を以下にご紹介しよう。
 ストレスがこのフェスティヴァルを積極的にプロモーションしたがっているのは明らかで、自分たちの正体を隠したがるヴェイパーウェイヴ連中が、注目を集めた後にどのように振る舞っていくのかがこのイヴェントの一番の見どころともいえる。

 やあ、〈SPF420〉に興味をもってくれてありがとう。

 〈SPF420〉はタイニーチャット(HTTP://WWW.TINYCHAT.COM/SPF420)で開催されるオーディオ/ヴィジュアルのライヴ体験です。 この私=ストレスが、チャズ・アレン(またの名をメタリック・ゴースツ)とともに、きたる3月20日の〈SPF420〉を主宰しています。

 ショーのラインナップは以下のとおりです。

DJペイパル (DJ Paypal)(https://soundcloud.com/dj-paypal
コンタクト・レンズ (Contact Lens)(https://soundcloud.com/contactlens
ヴェクトロイド (Vektroid)(https://soundcloud.com/vektroid
マジック・フェイズ (Magic Fades)(https://soundcloud.com/magicfades
ブラックドアウト (Blackedout)(https://soundcloud.com/blvckedout
コーダック・キャメオ (Kodak Cameo)(https://twitter.com/fumfar

シュガー・C(Sugar C)(https://soundcloud.com/metallicghosts)我らがハウスDJ
トランスミューティオ(Transmuteo)(https://soundcloud.com/transmuteo)アフターパーティー主宰

 フェイスブックのイヴェント・ページもあります。
https://www.facebook.com/events/136903026484461

 前回の〈SPF420〉は2013年1月3日に行われました。ラインナップは、ヴェラコム/トランスミューティオ/プリズム・コープ/ラグジュリー・エリート/クールメモリーズ/インフィニティ?・フリーケンシーズ/メタリック・ゴースツ。
 そのときのいくつかのアーティストの音声は、以下にあります。
https://soundcloud.com/spf420

 以下は、1月3日(第2回目)についての記事です。

"Vaporwave and the observer effect", written by Leor Galil for The Chicago Reader:
https://www.chicagoreader.com/chicago/vaporwave-spf420-chaz-allen-metallic-ghosts-prismcorp-veracom/Content?oid=8831558

"『#SPF420FEST 2.0』から見るヴェイパーウェイヴ @ tinychat.com" written by ele-king.net (グーグル翻訳をおすすめします):
https://www.ele-king.net/review/live/002758/

"#SPF420FEST2.0" written by Jheri Evans for Decoder Magazne:
https://www.secretdecoder.net/2013/01/spf420fest20.html

 観客動員は、135人ものリスナーたちを記録しました。私たちはセルフ・プロモーション以外なにもしていませんが、このイヴェントを拡げていきたいと思っています。私たちの世界を、喜んで併合していきます。

音楽、ドラッグ、会話
XOXO,
SPF420: Roll The Dice ™

HTTP://WWW.TINYCHAT.COM/SPF420


 ストレスのプレスキットでは本誌の記事も紹介されているが、(ヴェイパーウェイヴ連中は散々つかっているというのに)どうやら日本語を読めないらしい。
 
 大麻を意味するスラング「420」に合わせて3月20日開催なのだと思われるが、では4月20日(マリファナ・デイ)にはなにかあるのだろうか?
 どうやら、やはり、ヴェクトロイドは期待を裏切らないらしい。〈ビアー・オン・ザ・ラグ〉から新作のリリースにも期待しよう。

The Bridge 反レイシズムRemix ECDILLREME - ele-king

 ここ数年......に限ったことではないが、町やネットで、あからさまな排外主義、レイシズムが平然とのさばっている。なんでも町では、在日の外国人(とくに韓国人)に向けての「死ね」「殺せ」などといった、まったくこれはナショナル・フロントかというシュプレヒコールが起きているというではないか。何か何までサッチャー時代のUKを30年遅れでなぞっているようだが、日本のメディアではどういうわけか問題化されない(欧米では、サッカーの現場においても人種差別の撤廃は叫ばれている)。
 ご存じの方も多いかと思うが、反レイシズムのラップをECDとイルリメが作っている。これまで明るみにでなかった、一種のタブーに挑戦した勇気ある、素晴らしい曲だ。なるべく多くの人たちに届くように、友だちにも教えてあげよう。

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OCTAVE ONEをはじめ8組。 - ele-king

「日本一早い」都市型フェス、StarFes.(スターフェス)の告知動画はご覧になっただろうか? 開催まで2週間を待つばかりとなった本日、第5弾となる出演アーティストが発表となった。ズラリと並んだ面々の名を眺めるにつけ、入場料3,500円というのは破格である。さてさて......?

話題沸騰中の日本一早い夏フェス『StarFes.』
開催まであと2週間!全出演者のラインナップが決定!!

2013年3月23日(土)東扇島東公園特設会場(神奈川県川崎市)で開催する『StarFes.2013』。豪華なラインナップで話題沸騰中の本フェス。これまでに

第1弾出演アーティスト(mouse on the keys、HIFANA、AFRA、rega、Daichi)、
第2弾アーティスト(FRIENDLY FIRES-DJ SET-、JAZZANOVA feat. PAUL RANDOLPH、DJ KENTARO、DE DE MOUSE)、
第3弾アーティスト(THE ORB、電気グルーヴ、Theo Parrish、80KIDZ、[Champagne])、
第4弾アーティスト(スチャダラパー、BACK DROP BOMB、SUGIZO)と、

総勢17組の超強力なラインナップが発表された。ファイナル・アナウンスとなる第5弾出演アーティストは、フェスの盛り上がりに不可欠なダンスアクトが盛りだくさんだ。

まず1組目は、サンフランシスコを拠点に活動するDJ兼プロデューサー、Mark Farina。野外フェスのヘッドライナーを数多く務め、都内の大箱クラブをファンで満杯にする人気アーティスト。『StarFes.2013』ではさらに進化した斬新でディープなハウスを聴かせてくれるだろう。

2組目は、デトロイト・テクノ第二世代の一角、OCTAVE ONE。自身名義「I Believe」を発表後、デリック・メイ主宰のレーベル=Transmatからリミックス盤がリリースされ、世界的ヒットを記録したバーデン兄弟が、本フェスでデトロイト・テクノの神髄を披露してくれる。

3組目は、ニューヨークを拠点に活動するプロデューサー/リミキサー/DJであるSTEPHANE K。ラップトップを用いてグルーヴに満ちたトラックを縦横無尽に繰り出すそのDJセットは、ハウスといったジャンルだけに括ることのできないものだ。オリジナリティ溢れるプレイを是非とも期待したい。

4組目は、ご存知、TOKYO No.1 SOUL SETのDJでありサウンド・プロダクションを担当する川辺ヒロシ。クラブDJとして長いキャリアを誇り、ハウスやテクノのフィールドでオリジナル・センスを駆使したミックスを展開し、多くのファンに支持される巨匠だ。その熟練されたスキルに一層の磨きがかかっていることだろう。

5組目は、世界を舞台に活躍を続ける日本人クリエイター兼DJのKaito aka Hiroshi Watanabe。ドイツの名門レーベル=KOMPAKTに所属する日本人アーティストであり、様々な名義で活動し、世界中からプロップスを得る人気アーティストだ。数々のビッグ・イベントに出演した経験を本フェスで披露してくれるに違いない。

6組目は、いわずと知られたストリートの申し子、DEXPISTOLS。エレクトロ・ダンス・ミュージックを軸に、ヒップホップ、ロック、ハウスを織り交ぜたその音楽感覚で、本フェスの熱気を最高値まで上げてくれることだろう。

7組目は、都内の主要クラブや、HACIENDA OISA FESTIVAL、Rainbow Disco Clubといった話題のフェスティバルなどに出演しているNaoki Serizawa。ダンサブルなニュー・ディスコやディープ・ハウス、ヒップホップなどの要素を取り入れたプレイは必見だ。

8組目は、代官山AIRの看板イベントであるEDENのレジデントDJのひとりとして、Global UndergroundやSeriousなど、世界規模のパーティーとのコラボレーションを成功させたRYO TSUTSUI。ダンス・ミュージックの衝撃的なムーヴメントを作りつつある氏のプレイは観客を熱狂の渦に誘い込むだろう。

『StarFes.』は、「信念や探究心を持ち、それぞれに独自の世界を突き詰めたプロフェッショナルな男達、哲学を持ち、文化を創造してきた多様なアーティスト達が一堂に集結し、オーディエンスの新たな感性やモチベーションを刺激する機会を提供する」というコンセプトのもと、「新旧、国内外、アンダーグラウンドとオーバーグラウンドなど多様性があり、かつ独自の世界観を追求しているなどの共通性を持ったアーティスト」が多数ラインナップ。出演アーティストのタイムテーブルは来週中に発表する予定だが、まずは一足先にステージ割を発表。

メインステージとなる「Star Stage」はその名の通り、国内外のレジェンダリー・スターやニュー・スターがパフォーマンスする“スター”のステージ。こちらにはTHE ORB、JAZZANOVA feat. PAUL RANDOLPH、スチャダラパー、電気グルーヴ、SUGIZO、BACK DROP BOMB、[Champagne]、RYO TSUTSUI(順不同)が登場。

セカンドステージの「Star Floor」は、国内外アンダーグラウンドからクラブシーンを賑わすスターが出演するダンス・ミュージックのステージで、野外でありながらダンスフロアを想起させるネーミングになっている。こちらにはTheo Parrish、Mark Farina、OCTAVE ONE、FRIENDLY FIRES、DE DE MOUSE、Naoki Serizawa、STEPHANE K、Kaito aka Hiroshi Watanabe(順不同)が登場。

サードステージの「Star Jam」は、独自の音楽スタイルを突き詰める多様なアーティストがオーディエンスと共鳴する音楽空間。『StarFes.』ならではのアーティストの魅力を伝えるため“ジャム”という言葉を用いている。ライブ・パフォーマンスを中心としたアーティスト・ラインナップでもあり、ライブ感のある“ジャム”に相応しい、DJ KENTARO、HIFANA、川辺ヒロシ、AFRA、80KIDZ、DEXPISTOLS、mouse on the keys、Daichi、rega(順不同)が登場。

総勢25組の豪華ラインナップと3つのステージでお贈りする『StarFes.2013』は、前売チケットが3,500円と大変リーズナブルなフェスティバル。冬の寒さから解放され、気候も暖かくなってきた3月23日(土)、今年最初の都市型屋外フェスを是非とも楽しんで欲しい。

■StarFes.
開催日時:2013年3月23日(土)
会場:東扇島東公園(神奈川県 川崎市)
出演:ジ・オーブ、電気グルーヴ、80KIDZ、セオ・パリッシュ他
チケット;¥3,500(前売り)発売中
公式サイト:https://star-fes.net


 野菜割引とは何だろう......? ローカル×超ローカル、ジャンル×超ジャンル、熊本の秘境に遊び、食べ、憩い、踊り、泊まる、地元エコ・ヴィレッジ主催のユニークな音楽イヴェントをご紹介しよう。風光明媚な土地柄に豪華なラインナップ、スローフードにトリップな音楽ショーまで加わり、浮世の垢を落としコリをほぐす「音楽マッサージ」が体験できそうだ。

【熊本 イベント】 ∞∞∞saihate 3 DAYS Gathering∞∞∞

敷地面積10,000坪。熊本県宇城市三角の山の上にある「三角エコビレッジサイハテ」。グラフィックデザイナー、パーマカルチャーデザイナー、タイル作家、料理人、DJなど10名ほどの住人と日々訪ねてくる来訪者によって衣食住+文化循環型のエコビレッジを作っています。

そんな秘境「サイハテ」で3/9〜3/11に「∞∞∞saihate 3 DAYS Gathering∞∞∞」が開催。九州はもとより関東・関西から多数のアーティストがサイハテに集まります。

1日目、3/9はライヴとDJの宴「ALL LIGHT,ALL RIGHT」。熊本初ライヴとなる関西の鬼才「オオルタイチ」。元CANのダモ鈴木やDJGonnoとのコラボレーションなどで多彩な活躍をする宇宙ギタリスト「MANDOG」。九州勢は熊本を代表するバンド「Doit Science」、熊本のビートメイカー「ILL THE ESSENCE」。大牟田の誇る女子高生ドラマー杏ちゃん所属のバンド「電子たくあん」、大分からサックス・インプロヴァイザー**「山内桂」。そしてDJは中原昌也、ALTZ、BING aka TOSHIO KAJIWARA、EGGという九州、関西、関東がミックスされたラインナップです。
 
2日目、3/10は各地で宇宙マッサージを出店しファンを増やし続けているプリミ恥部が主催する「ニューサイハテシャンバラデイ∞∞∞プリミ恥部な全宇宙○」。これは宇宙音と宇宙映像と宇宙ダンスの渦の中心で宇宙マッサージを体感できる「ニューシャンバラデイ」に会場が映画化されていく映画ショー「プリミ恥部な世界」がリミックスされる超絶宇宙ショー!!! 九州初開催です。「これはいったい何!?」という方もぜひイメージを膨らませてみてください。

そしてこの日のDJはTOWA TEIとYOGURT!!!! まさかこんな秘境にこのメンツ......という豪華さだと思います。
多数のミュージシャン、DJ、ダンサー、デコ、VJ、参加したすべての人で作り上げる宇宙フロア。「たった今は、全宇宙だ!!!」をサイハテで体感してください。

3日目3/11もパーティーとワークショップが決定しています。が、こちらの内容はシークレット。期間中のフードは全国のローフード愛好者から支持されている京都のCacao∞Magicや狩猟肉推進チームHUNTなど珍しい出店が揃います。

また、チケットもユニークな仕組みを採用。ドネーション制度を導入した33人限定の「自由料金チケット」は3日間のイベント参加と会場への宿泊がセットになっており、ディープにギャザリング参加したい人にもってこいです。また、この他に1日ごとの参加チケットも設定されています。

会場のサイハテまではJR熊本駅から電車利用や熊本市内から車で約1時間。JR三角駅と会場の送迎車も用意していますので、車で来られない方や遠方から遊びにくる方も安心です。サイハテの広大な敷地には豊富で美味しい柑橘類の木々が茂り、最近は住人とワークショップ参加者で作り上げたアースバックハウスも1棟完成したばかり。いくつかのチルアウトスペースもあり、イベント以外でも充実した時間を過ごせるはず。この機会に山の上の桃源郷に遊びに行きませんか?

∞∞∞saihate 3 DAYS Gathering∞∞∞

■ジャンル
HOUSE, ELECTRONICA, ROCK

■開催場所
三角エコビレッジサイハテ(熊本県宇城市三角町中村1901-17)

■入場料金
(1)宿泊&3日間のイベント参加ができるスペシャルチケット(完全予約制。33人限定。自由料金制(参加後、ドネーションをお願いします)

(2)1日チケット(1日ごとの参加チケット・宿泊不可)(上記の33人限定チケットとは別枠で用意しています)
【一般】3000円
【県外割引】2500円(熊本県外からお越しの方が対象)
【学割&野菜割引】2000円

■出演者

3/9 (土)「ALL LIGHT,ALL RIGHT」OPEN15:00
【LIVE】オオルタイチ/電子たくあん(大牟田) /ILL THE ESSENCE(熊本)/山内桂(大分)/MANDOG/Doit Science(熊本)
【DJ】ALTZ/BING aka TOSHIO KAJIWARA /中原昌也/EGG
【COSMIC MASSAGE】プリミ恥部
【FOOD】HUNT/Cacao∞Magic/スナックまゆみ/三角エコビレッジサイハテ
【SHOP】ぺーどろりーの

3/10(日)「ニューサイハテシャンバラデイ∞∞∞プリミ恥部な全宇宙○」
プリミ恥部 /平岡香純 /白井多有 /Akashic/朝日太一/ありひるあ/歩き巫女/ALTZ/池田社長/ウタモ/うっちー/wzmakimaw/オオルタイチ /COLORgung/工藤真工/熊谷然/熊谷もん/KEITA/ケンジルビエン/千住宗臣(COMBOPIANO/DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN/KOMAなど)/竹永省吾/TADA(SPOOKY)/デイヴィッド(生意気)/トンチ/中原昌也/東野祥子(BABY-Q)/HiraLion/BING aka TOSHIO KAJIWARA/pee/Heaven Hug/MANDOG/みなみりょうへい/村里杏/メガネ/ 山内桂/YAMAT
【DJ】/TOWA TEI /YOGURT
【FOOD】HUNT/Cacao∞Magic/スナックまゆみ/三角エコビレッジサイハテ
【SHOP】ぺーどろりーの
【fliyer】WhiteWhole(河野未彩+佐藤拓人)

▼特設サイト
https://saihatesambhala.tumblr.com/
▼三角エコビレッジサイハテ
https://www.village.saihate.com/

Andy Stott - ele-king

 すぐ隣で踊っているのがゲンイチで、その隣には渡辺健吾が......って、こ、これは......いったい、そしてライヴの最後にスピーカーからはジャングルが飛び出す。
 おい、いまは何年だ!? 1992年? 2013年だ。が、しかし......。
 ここにあるのが実はポスト・ハードコア・レイヴだと言ったら君は一笑に付すだろう。1991年~1992年のUKハードコアすなわちレイヴ伝説はもう過去こと。だが、レイヴの亡霊はブリアルのエレジーを介して、まばゆい太陽から寒々しい暗黒に姿を変えて甦った。それをインダストリアル・ミニマルと人は呼んでいる。アンディ・ストットはこの動きの火付け役であり、キーパーソンだ。昨年の『ラグジュアリー・プロブレムス』は日本でも異例のヒット作となって、リキッドルームという大きなキャパでライヴをやるくらいの注目と人気を集めるにいたったわけである。オリジナル世代もいたが、フロアには若い世代も混じっていた。

 まずはこの現象に関して簡単に説明してみよう。たとえば1991年~1992年あたりのテクノの作品のジャケを並べてみる。ジ・オーブでもサン・エレクトリックでもエイフェックス・ツインでも良い。初期のオウテカでも〈トランスマット〉のコンピでも、その時代にものなら何でも。続けて、アンディ・ストットの「パスド・ミー・バイ」「ウィ・ステイ・オールトゲザー」あるいはデムダイク・ステアやブラッケスト・エヴァー・ブラックあたりのジャケを並べてみる。ほら、20年前の色彩豊かなアートワークは灰色の美学へと、太陽の物語は血みどろの惨劇へと転換されたのがわかるでしょう。
 この新しい世代の美学に近しいものが20年前にもある。初期のジェフ・ミルズや初期のベーシック・チャンネル、あるいはアンディ・ストットのフェイヴァリットのひとつであるドレクシアなど......(ストットの初期の影響とマンチェスターのシーンについては紙ele-kingのvol.9に掲載の彼のインタヴューを参照)。

 かつて花田清輝が指摘しているような、風俗化したアヴァンギャルドのなれの果てとしてのホラー映画、『死霊のはらわた』のごとき、おぞましい映像の断片をバックに、スローなピッチのミニマル・ビートが脈打っている。ベーシック・チャンネルをマイナス8でミックスしながら、上物はアインシュツルツェンデ・ノイバウテンめいた不吉極まりない音響が飛んでいる。『ラグジュアリー・プロブレムス』で聴けるあの女性の声がなければ世界は永遠の闇に閉ざされていたかもしれない。が、この誇張されたアンダーグラウンド感覚は、今日の明るいクラブ文化が失ったものかもしれないな......と思った。そう、この怪しさ、このスリル、この不健全さ。ビートルズからブラック・サバスへ、ピンク・フロイドからスロッビング・グリッスルへ、23スキドゥーからシャックルトンへ、レイヴからインダストリアル・ミニマルへ......。

 会場で会ったベテラン・クラバーのY君が言った通りだった。これはサイケデリック・ミュージックであり、レイヴ・カルチャーであり......、いや、もちろんメタファーとして言うが、異教徒のそれ、亡霊として生き延びているそれだった。筆者も生ける屍体(社会から抹殺された者たち)のひとりして踊った。なるほど、身体が勝手に動く。これはマンチェスターからのアンダーグラウンド宣言だった。ゴシックでもインダストリアルでもなんでもいいではないか、そこにレイヴがあるのなら。もうこうなると、デムダイク・ステアも行きたい!

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