「K A R Y Y N」と一致するもの

No Age - ele-king

 シットゲイズとはよくいったもので、彼らが見つめるのはクツではなくてクソ。いわゆるシューゲイザーは、過剰な歪みと軋みによって、純粋性を守ろうという音であり態度である。オリジナル世代はもちろん、忠実なるフォロワー「ネオ・シューゲイザー」にしても同様だ。汚れた世界をシャット・アウトし、深く自分のなかへ潜り込むためのフィード・バック・ギター。ノー・エイジのノイズはそれとは対照的だ。クソのような世界そのもの、である。

 『ノウンズ』に続くサード・フルとなる本作だが、ヴォーカルのレヴェルが全体的に上がっている。曲にもよるが、以前はもっと音に埋もれていた。相変わらず音程の上下の少ない、祝詞のように平板なメロディだが、歌の輪郭が前面に出てくるというのはひとつの変化だ。タイムズ・ニュー・ヴァイキングほど割れてはいないが、ノイジーでストレートなパンク・チューンが目立ち、前作でいえば"ヒア・シュッド・ビー・マイ・ホーム"や"リップト・ニーズ"といった曲の傾向が、より素直に瑞々しく伸ばされている。"フィーバー・ドリーミング"のハードコア、"ディプリーション"の切ない疾走感、他の音を圧倒的に凌駕していくアンセミックなギター・ソロ、寄せてはかえす波のようなギター・ノイズは、滋養と生命に溢れた濁流にも、現代の混沌にも聴こえる。"キャタピラー"などアンビエント・テイストのインタールードもアルバムによい表情を加えている。がアルバムの折り返し点となっている"スキンド"や"ダスティッド"の繊細な叙情性にも驚かされる。
 『ピッチフォーク』に掲載されたインタヴューによれば、昨年の『ルージング・フィーリング・EP』以来長い期間をかけて作ってきたのが本作で、マスタリング・ルームでヴォーカルを録り直すほど、細かく手がかけられているそうだ。こうした試行錯誤がふたりを成長させたという実感も述べられている『エヴリシング・イン・ビトウィーン』、『その期間のすべて』である。

 彼らの活動拠点であるロサンゼルスのアート・スペース〈ザ・スメル〉や、ディーンが運営する〈ポスト・プレゼント・ミディアム〉の周辺を見渡せばわかるように、ブルックリンのアーティなインディ・シーンとも共振する西海岸の沃野......エイヴ・ヴィゴーダやミカ・ミコやラッキー・ドラゴンズ、シルク・フラワーズやハイ・プレイシズ、〈ザ・スメル〉のほうならギャング・ギャング・ダンスや横浜トリエンナーレでも異彩を放ったマルチ・クリエイター、ミランダ・ジュライまで繋がっている一大アンダー・グラウンド・サークル......この豊穣さを思えば、アルバム1枚の評価など相対的にはさして重要なものではないかもしれない。あるいは、彼らの動機と比べたら。
 2年前に彼らは『タイニー・ミックス・テープス』の取材ではこうも語っている。「音楽をやるのはストレートな資本主義に対抗する行為だ。自分たちは決して金のためにバンドをはじめたのではない。ほんの少しでも経済的に見返りがあればラッキーだ。だがそれがなくても続ける。これはやらなくてはならないことなんだ。音楽をやらなくてはならない」
 これはゼロ年代インディ・ミュージック・シーンのムードのひとつを的確に捉え、象徴する発言である。

Shop Chart


1

HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS / Tan Sedan/Throwdown

HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS / Tan Sedan/Throwdown INTERNATIONAL FEEL / URG »COMMENT GET MUSIC
まもなくリリースされる限定コンピCDもかなりの反響を得ているInternational FeelからDJ HarveyのプロジェクトLocussolusによる1枚。ダンサブルに仕上げられたロックなAサイドと、スモーキーに仕上げられたBサイドはヴォーカルとダブ調のインストを収録。限定ジャケット付、お早めにチェックを!

2

DORIAN / ドリアン

DORIAN / ドリアン Melodies Memories FELICITY / JPN »COMMENT GET MUSIC
七尾旅人&やけのはらに続き、アルバムのリリースが熱望されたドリアン待望の1stは、抜群のセンスとポップさで80'sフレイヴァーを散りばめた珠玉のアルバム。完成度の高いトラックは聴けば聴くほど心地よく、どれもが奇跡的なハーモニーとグルーヴを放っています。(今ならディスクユニオン限定CD-Rも付いています)

3

CALM

CALM Calm MUSIC CONCEPTION / JPN »COMMENT GET MUSIC
13年に渡る活動のなかで初のS/Tとしてリリースされる通算6枚目のアルバムは、アーティストというよりも1人の人間の芯の、そのまた奥の部分を共鳴させた60分のやわらかい空間を表現した作品に。ゆったりと流れる時間を意識させ、心を強くヴァイヴさせられるCalm独特の音の揺らめきは間違いなく過去最高の仕上がり、タイムレスに聴くことが出来る1枚。(今ならディスクユニオン限定Live音源収録CD-Rが特典として付きます)

4

EYヨ

EYヨ Sky Size Sea JPN / CD »COMMENT GET MUSIC
昨年リリースの『Cassette Acid Garage Punk Mix』に続きメタモルフォーゼ先行リリースとなったこの1枚はEYEさん本人が言うようにDJ光光光の延長線上に位置する1枚。ジャンルとかではなくて、好き放題にキャンバスからはみ出したようなアーティスティックな選曲をコラージュ的にミックス、使われているトラックが生命を帯びとても躍動的。定位置を決めて聴くことが許されないこの振りの広さを、是非手にして体験してみてください。

5

TERRENCE PARKER

TERRENCE PARKER Detroit Lost Mix Tapes Vol #2 TPARKER MUSIC / US »COMMENT GET MUSIC
デトロイトを代表するオールドスクールDJ TERRENCE PARKERによるローカルオンリー&独占入荷MIX-CD第2弾!本作は96年(今から14年前!)にレコーディングした貴重な音源のCD化。限定100枚とのこと、お早めに!

6

JAMIE 3:26

JAMIE 3:26 Live@Da House Spot Chicago CD1 »COMMENT GET MUSIC
シカゴローカル流通CD入荷!Da House Spot Chicagoで行われたパーティをライヴレコーディングしたミックスCD。アンリリースドEdit満載!3枚同時リリース!Theo Parrishの友人でもあるJAMIE 3:26は80年代のシカゴ"Club AKA'S","Warehouse 3", "The Basement"他、多くの伝説的なクラブにてDJを務め、またMUSIC BOXのパトロンとしてRON HARDYと密接な関係にあり、現在はRobert Williams氏(Music Boxオーナー)がホストを行うシカゴのアンダーグラウンドなパーティーにてDJを務めている、シカゴにおいてその名を知らぬ者はいない重鎮。JAMIEはソウルやディスコが衰退した80年代中期、シカゴハウス形成期とディスコからシカゴハウスへの橋渡し役としてDJとして、様々な形でシーンをサポートし続けてきた重要人物。

7

JAMIE 3:26

JAMIE 3:26 Live@Da House Spot Chicago CD2 JAMIE 3:26 / US »COMMENT GET MUSIC
シカゴローカル流通CD入荷!Da House Spot Chicagoで行われたパーティをライヴレコーディングしたミックスCD。アンリリースドEdit満載!3枚同時リリース!Theo Parrishの友人でもあるJAMIE 3:26は80年代のシカゴ"Club AKA'S","Warehouse 3", "The Basement"他、多くの伝説的なクラブにてDJを務め、またMUSIC BOXのパトロンとしてRON HARDYと密接な関係にあり、現在はRobert Williams氏(Music Boxオーナー)がホストを行うシカゴのアンダーグラウンドなパーティーにてDJを務めている、シカゴにおいてその名を知らぬ者はいない重鎮。JAMIEはソウルやディスコが衰退した80年代中期、シカゴハウス形成期とディスコからシカゴハウスへの橋渡し役としてDJとして、様々な形でシーンをサポートし続けてきた重要人物。

8

JAMIE 3:26

JAMIE 3:26 Live@Da House Spot Chicago CD1 JAMIE 3:26 / US »COMMENT GET MUSIC
シカゴローカル流通CD入荷!Da House Spot Chicagoで行われたパーティをライヴレコーディングしたミックスCD。アンリリースドEdit満載!3枚同時リリース!Theo Parrishの友人でもあるJAMIE 3:26は80年代のシカゴ"Club AKA'S","Warehouse 3", "The Basement"他、多くの伝説的なクラブにてDJを務め、またMUSIC BOXのパトロンとしてRON HARDYと密接な関係にあり、現在はRobert Williams氏(Music Boxオーナー)がホストを行うシカゴのアンダーグラウンドなパーティーにてDJを務めている、シカゴにおいてその名を知らぬ者はいない重鎮。JAMIEはソウルやディスコが衰退した80年代中期、シカゴハウス形成期とディスコからシカゴハウスへの橋渡し役としてDJとして、様々な形でシーンをサポートし続けてきた重要人物。

9

MODESELEKTOR/MODERAT

MODESELEKTOR/MODERAT 50 Weapons Of Choice #2-9 FIFTY WEAPONS / UK »COMMENT GET MUSIC
RadioheadのThom Yorkeからファンだと公言され多方面でブレイクしているModeselektor、またそのModeselektorとApparatのユニットModeratの音源をミステリアスなホワイト盤でリリースするFifty Weaponsから限定盤コンピレーションCDが登場!Boysnoize Recordsからもリリースする次世代アーチストSiriusmoによるダブステップ・リミックスを筆頭に、Housemeister(BPitch Control)鬼才Shackleton(Skull Disco)、Torsten Profrock(exe. Monolake)のユニットT++、M.I.A.のリミキサーも務めるSBTRKTなど豪華なメンツが名を連ねる強力な1枚!

10

RON HARDY

RON HARDY Music Box Classics Collection Volume One PARTEHARDY / US »COMMENT GET MUSIC
庫に眠っていたオープンリールからアナログ化されるも現在廃盤となってしまったRon Hardyの秘蔵エディットMusic Box Vol.1~Vol.4に収録された音源に、今回初蔵出しとなる音源を2曲追加収録したCDコンピレーション!First ChoiceのエディットはTheo ParrishやLarry Heardもプレイ!

Jules Chaz - ele-king

 コブルストーン・ジャズや最近ではディンキーがリクルートしてきたことでも知られるカナダのテック-ハウス・レーベルが方向転換でも考えているのか、アブストラクト系ヒップホップのデビュー・ミニ・アルバムをリリース。全体に映画的な雰囲気が強く漂うインストゥルメンタル・トラックが(アナログでは10曲ほど)並べられ、30分にも満たないヴォリウムにもかかわらず独特の世界観を印象付ける。どこかファンタスティックで、しかし、基調はあくまでもしっとりとしていて、すぐに消えてしまう夢でも見ているような。

『ツイン・ピークス』から様々な断片を縦横にサンプリングした"ブラック・ロッジ"はオリジナルの妖しいムードを活かしたパートがあるかと思えばトロピカルな要素を上手く取り出したりと、かのTVドラマが持っていた多面性をそのまま曲にも移し替えている。また、上がり過ぎないカリビアン・テイストを練りこんだスレンテン風の"ウィピッツ"やどう説明していいのかわからない"93ミリオン・マイルズ"などユーモアのセンスには非常に優れたものがあり、インド映画か何かをカット・アップしたらしい"セイ・サムシン..."やモンド風の発想ではとくに冴え渡るものがある。見世物小屋的な感性といえばいいのか、予想外のヒップホップ・サウンドが見せてくれる素敵なイリュージョンは聴いても聴いてもどんどん耳からこぼれ落ちていく。

 アナログとダウンロードを併用するというリリース形態が定着してきたからか、これまでCDのキャパシティに引きづられてきたような収録時間のアルバム・リリースは減ってきて、今年の初めに話題になったウォッシュト・アウトもそうだったけれど、パースウィート・グルーヴスやUSガールズなど、自由気ままな長さでアルバムをつくる人が増えてきた(石野卓球の判断もこれらと似たようなものか)。作品にはそれぞれ適正なスケールがあるはずで、それらがマッチしているに越したことはない。短いからといって、それだけでインパクトが落ちてしまうわけでもない。
 
 ちなみに今年はスターキーやオリオールなど従来通りのフル・サイズでつくられたアルバムでも期待外れのものは少なくなく、とくにヒップホップではオンラに思いっきり肩透かしを食らわされてしまったので、どの辺りを注意して見ていればいいのかよくわからなくなって、それがまた楽しいなーという感じもありましたけれど、とりあえず、この人とポール・ホワイト、それからシュロウモはもっと聴きたいかも。

pAradice (DUNE / △) - ele-king

DUNEで聴く10曲


1
Kip Hanrahan - A Poker Game; Luck Inverts Itself; Four Swimmers - American Clave

2
Dorothy Ashby - The moving finger - Cadet

3
Fumi - Better Way(Mustardspoon Mix) - Tongue & Groove

4
Jah Wobble - Amor - Island

5
Jorge Ben Jor - Ponta de lanca africano (Umbabarauma) - Universal Music

6
Lalo Schifrin - No One Home - Tabu

7
Kotey Extra Band - Sooner Or Later(Original Mix) - Bear Funk

8
Montana Sextex Featuring Nadiyah - Who Needs Enemies (With a Friend Like You) (Club Mix) - Virgin

9
Rah Band - Perfumed Garden

10
Jennifer Lara - Love and Harmony - Studio One

DJ mew - ele-king

CURRENT TOP 10 CHART


1
V.A. - Kompakt Total 11 - Kompakt

2
Latin Playboys - Same Brown Earth - Warner Bros.

3
Lay Low & Big Robot - Nordisc Split E.P. - I'm Single

4
Linval Thompson - I Love Marijuana - Trojan

5
Tom Tom Club - As Above, So Below - Sire

6
Laid Back - White horse - Sire

7
Daniel Lanois - Shine - Epitaph

8
Andres - II Part 2 - Mahogani

9
Hey-O-Hansen - Zulu - Pingipung

10
Juana Molina - Un Dia - Domino

Gold Panda - ele-king

 2010年にエイフェックス・ツインの『セレクテッド・アンビエント・ワークス85-92』を聴くことは、1992年に『E2-E4』を聴くようなものかもしれない。より激しく、よりやかましく、ベースばかりが強調されていくダンス・カルチャーにおいてある種の"歌"を求める、という点において。当時、『E2-E4』の再評価と平行して湧き上がったのがデトロイト・テクノ・リヴァイヴァルであったことを思い出せばいい。デトロイト・テクノにより強調されてあったもの、そのひとつは"メロディ"だ。
 あるいは、2010年にマウス・オン・マーズの『ヴァルヴァランド』を聴くことは、1992年にクラスターの『ツイッカー・ツァイト』を聴くようなものかもしれない。汗ばかりが噴き出て笑顔を忘れたダンスフロアに背を向けるという点において。クラウトロックの陽気な実験精神が、マンネリ化したダンスフロアにどれほどの自由を与えたのかを思い出せばいい。
 
 ダーウィン・パンダにとって初めての新録アルバム(前作『コンパニオン』は既発曲の編集盤)『ラッキー・シャイナー』は、ダブステップのいかめしさからそそくさと離れていく。日本語堪能なこのエセックス・ボーイは、ハドルをしっかりと握りながら、やかましいダンスフロアを尻目に、進むべき向きを変えている。彼方に見えるのは『セレクテッド・アンビエント・ワークス85-92』やなんか、メロディアスで楽しげなIDMスタイル......といったところだ。が、それは1992年に戻ることではない。2011年に進もうとすることだ。
 
 先日来日したクラスターのライヴではずいぶんと女性の姿が見られたそうだ。90年代に初めて彼らが来日したときは、僕のようなクラウトロック好きのテクノ・リスナーか、さもなければ僕よりもさらに年上のマニアックな連中ばかりが集まって、狭い場内においても女性の姿を探すのは困難だったものだが、時代は変わったのだ、「クラスターの柔らかい側面がエレクトロニカを聴いている女性にも受けたのでしょう」とはある関係者の弁である。だとしたら......『ラッキー・シャイナー』は昨今のエレクトロニカ・リヴァイヴァルに反応する女性たちにも受け入れられる作品となるだろう。彼女たちに好奇心と、パンダの悪戯心を受け入れるぐらいの寛容さがあれば。もし『ラッキー・シャイナー』の音楽性を問われればこう答える。「とってもかわいらしいIDMスタイルですよ」と。それでもわからなければこう付け足す。「初期のマウス・オン・マーズと初期のエイフェックス・ツインが一緒にスタジオに入ったと想像してみてください」
 
 まずは1曲目、先にシングル・カットされた"ユー"が素晴らしい。過剰にチョップするヴォイス・サンプリングで歌われる歌は、いわばジェームス・ブレイクらのポスト・ダブステップ・サウンドのポップ・アート・ヴァージョン......いや、3歳児のよるポスト・ダブステップ・サウンドのようである。
 サンプラーを主体に曲作りをしているこの青年は"ペアレンツ"ではアコギの音を鳴らし、生まれて初めてギターに触る子供が出すような(要するにヘタッピーな)音を加える。"セイム・ドリーム・チャイナ"では中国の楽器の音を変調させ、あるいは"インディア・レイトリー"ではインドの楽器をいじくり倒し、それぞれ陽気でエキゾティックなハウスに変換する。"ビフォア・ウィ・トークド(僕たちが話す前に)"と"アフター・ウィ・トークド(僕たちが話したあとに)"は初期のマウス・オン・マーズのような悪戯っぽいエレクトロニカで、"ヴァニラ"や"スノー&テキサス"、"アイム・ウィズ・ユー・バット・アイム・ロンリー(君と一緒でも僕は淋しい)"にいたってはまさしく『アンビエント・ワークス』のモダン・ヴァージョンだと言える。
 
 僕は『コンパニオン』をたしかに気に入ったし、よく聴いた。しかし『ラッキー・シャイナー』は気に入ったなんてもんじゃない。嬉しい驚きであり、ダブステップのネクストにおける重要な1枚だと思っている。下手したら流れを変えるかもよ。マユリちゃんもこのアルバムを聴いたら、来年の〈メタモルフォーゼ〉にパンダを呼ぶことを決断するんじゃないだろうか......。

 なお、10月6日、dommuneにゴールド・パンダが出演します。時間は7時からです。みんなで彼の最新ライヴを聴きましょう。

Chart by JETSET 2010.09.20 - ele-king

Shop Chart


1

HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS

HARVEY PRESENTS LOCUSSOLUS TAN SEDAN / THROWDOWN »COMMENT GET MUSIC
DJ Harvey Presents Locussolus第二弾!!ジャケ付き&重量盤でのリミテッドプレスになります。その圧倒的なクォリティで現行バレアリック・シーンの先頭に踊り出たウルグアイ International Feelから、前作"Gunship"も爆発的ヒットのDJ Harveyによるプロジェクト"Locussolus"待望の第2弾が登場。Prins Thomas, Eric Duncan, Tim Sweeney, Balearic Mike等々、今回もサポートがハンパないです!!

2

DAM FUNK

DAM FUNK HOOD PASS INTACT »COMMENT GET MUSIC
Toeachizown収録のあの曲にMC Eihtが参加した12"が到着!更にSteve Arringtonを迎えた"4 My Homies"、アルバムから"Come On Outside"のDevonwhoリミックスなど充実過ぎる一枚です!

3

FALTY DL

FALTY DL ENDEAVOUR »COMMENT GET MUSIC
☆特大推薦☆バカラック・フレーズからヘッズ直撃のブレイクビーツまで飛び出します!!Cosmin TRGとの相互リミックス・スプリットもヒット中、NYを拠点に活躍する美麗UKGマスターFalty DLが、本拠地Planet Muから特大傑作をリリース!!

4

ITALIC INDIAN

ITALIC INDIAN DROWSY BRUISE »COMMENT GET MUSIC
Antn Hrkwkをリリースするカリフォルニアのグレイト・レーベル、Life's Bloodから。Antn HrkwkとRangersを足してドロドロに煮詰めたようなヘヴィ・エクスペリメンタル・サンプリング・サウンド。RangersやSampsの裏側を見るようです。グレイト!!

5

RUSKO

RUSKO HOLD ON »COMMENT GET MUSIC
☆特大推薦☆ぶち上げつつ込み上げ倒す胸キュン死ボムが遂にリミックス・カット!!ご存知天才ダブステッパーRuskoがDiplo率いるMad Decentからぶっ放した傑作1st.アルバム"OMG"収録のフィメール・ヴォーカルUKG大人気曲が遂にリミックス・カット!!

6

TOTALLY ENORMOUS EXTINCT DINOSAURS

TOTALLY ENORMOUS EXTINCT DINOSAURS GARDEN »COMMENT GET MUSIC
☆大推薦☆Hot Chipに見出された新星をJesse Roseがスウィンギン・リミックス!!盟友Oliver $とZombie Disco Squadによる1、2番が連続ヒットし話題沸騰中、Jesse Rose率いる名門Made To PlayのオフシュートPlay It Downからの第3弾!!

7

FLYING LOTUS

FLYING LOTUS PATTERN + GRID WORLD »COMMENT GET MUSIC
早くも到着!また新たな境地へと歩み入る、これが第一歩!先日リリースされ、各方面で絶賛されたアルバム"Cosmogramma"に続いて、早くも新作EPが到着。アルバムのアウトテイクでも続編でも無い、まったく新たな世界が広がる全7曲。

8

KUNIYUKI

KUNIYUKI SET ME FREE »COMMENT GET MUSIC
アルバム『Walking In The Naked City』からの新カット!!両面共にアルバム収録曲とはヴァージョン違い。よりアブストラクトでアシッドな質感を打ち出した"Set Me Free Dub"は鳥肌の立つカッコヨサ!! DJ ChidaもBeats In Spaceのプログラムにてプレイ済み。

9

WES COATS / BLACKJOY

WES COATS / BLACKJOY WHATCHAWANNADO VOL.4 »COMMENT GET MUSIC
もうお馴染みのリエデット・シリーズ"Whatchawannado"第4弾が登場!今作にはWes Coatsと、新作アルバム"Erotis"も好調なBlack Joyによる極上ニュー・ディスコ・トラックを収録!

10

ANTN HRKWK

ANTN HRKWK THOROUGHBRED »COMMENT GET MUSIC
メチャクチャ最高です。SampsとGold Pandaつなぐ直通弾丸列車インディ・ダンス・キラー!!SampsばりのサンプリングとGold PandaなビートでDomに通じるポップ・センスを爆発させるニュータイプ・サンプリング・ミュージック、Antn Hrkwk。全10曲収録のデビュー・アルバム!!

Free The Robots - ele-king

 金持ちたちが税金の不払いを宣言したことで有名になったカリフォルニア州オレンジ郡からクリス・アルファーロによるアブストラクト・ヒップホップのファースト・アルバム(08年にリリースされたセルフ・タイトルの『フリー・ザ・ロボッツ』は初期作のコンピレイション)。バスドライヴァーやデイダラスをリリースしてきたフランスのレーベルからで、デザイン・センスがそれまでとはまったく違う(......ので、気になった)。

 全体にB級趣味をスマートに聴かせるというか、一歩間違えば下世話になりそうなジャズ・サウンドからのサンプリングが耳を引き、オープニンングからしてクールなピアノがカッコいい。そうかと思えば"ジ・アイ"や"グローバル・ウォーニング"はかなりサイケデリックで、後半に向かってどんどんアグレッシヴになっていく。あるいは音の組み立てに関してはデプス・チャージの大味な部分をDJシャドウが起用に整えていったとでもいえばいいだろうか("ヴォイシズ"はストレートに初期のDJシャドウを思わせる)、エレクトロニクスを強調した曲はなぜかコミカルな印象を与える傾向があり、それを含めて随所でモンドなセンスにも光るものがある。ダブステップとの境界を取っ払った曲も悪くないし、地味ながら野心的という感じ。いつしかロボットたちを自由にしてあげようという気になってきます......。

 実はこのアルバム、1ヶ月ぐらい前に聴いた時はあまりいいとは思えず、何度かしつこく聴き直しているうちに印象ががらりと変わってきた。おそらくアンビエント本の作業があまりにキツキツでダンス・ミュージックにおける今年の気分というものがよくわかっていなかったのだろう。ロスカのデビュー・アルバムを聴いて、一時期よりはクラブ・ミュージックに心も戻ってきたので(笑)、今年前半のリリースを改めて総ざらいしてみると、2010年前半期ベストはレインジャーズ『サバーバン・ツアー』、続いてワンオウトリックス・ポイント・ネヴァー『リターナル』、3位がポール・ホワイト『パープル・ブレイン』という感じでしょうか。次点でサン・アローか前述のロスカ。ヴォルフガング・フォイト『フライラント・クラフィエムジーク』(裏アンビエントP189)もなかなかよかったなー。

 さて、後半はどんなことになるのか。音楽家の皆さん、もっと楽しませて下さいよ。

Eccy(Slye Records) - ele-king

MILK IT CHART


1
G41(Rustie Remix) - 8Bitch - Slit Jockey

2
Drive By - Afrojack - White

3
GTAC - Zinc - Zinc Music

4
It's That Bass - Machinedrum - LuckyMe

5
Work Them - Ramadanman - Swamp81

6
Crew (Instrumental) - Bok Bok - Rinse

7
What You Talking About!? feat.Ms Dynamite - Redlight - MTA

8
Barbie Weed - Sam Tiba - Top Billin

9
Louder - Katy B - Rinse

10
The Flow (Bakongo Remix) - Wonder - Dizturbed Records

S.L.A.C.K. - ele-king

 8月に限定リリースされた通算4枚目(うち1枚はブダムンキーとの共作)で、amazonを見たら早くも中古で4000円以上で出品されている。いつの世にもせこい商売をしている輩がいるものだが、それだけスラックの作品が強い関心を集めているとも言える。PPPクルーのアルバムにも参加していたし、最近では曽我部恵一のシングルにもパンピーとともに参加している、あっという間に売れたらしいが......。彼は、紛れもなくいまもっとも注目されているラッパーのひとりなのだ。

 6月にdommuneに出演したときもスラックは格好良かった。出演時間ギリギリにやって来て、ふらっとその場に寄ってみたと言わんばかりの風情でマイクを握り、街を吹き抜ける一陣の風のようなライヴをやって、そして消えていった。その颯爽とした身軽な振る舞いは、人生という重力のうえを涼しそうに滑っていくような彼の音楽と見事に結びつく。

 『Swes Swes Cheap』は計9曲が収録され、うち6曲をスラック自身がトラックを作り、3曲をブダムンキーが手掛けている。前作で組んだタッグが活かされている本作は、スラックの作風の微妙な変化を捉えているようである。
 とくに印象深いのは、"伝えな"と"この道はどこへ"だ。"伝えな"は過去のどんな曲よりもメランコリックで、"弱さ"をテーマにしているように聴こえる。「どんな感じ?」という問いかけと空虚な笑い声が、この曲が内包する複雑な感情(憐憫、嫌悪、などなど)を乾いたものにする。
 メランコリーは"この道はどこへ"にも引き継がれる。グライミーなトラックと「東京ゲットーウェイ、面倒くせー」というコーラスは彼らのやりきれなさを強調すると同時に、まるでザ・スペシャルズの"ゴーストタウン"のように、この街の死臭を嗅ぎ取っているようでもある。
 
 他にも聴きどころはある。"夢と現実の間"やブダムンキーによる"夕方"のような曲を聴いていると、ジェイ・ディラを思い出さずにはいられない。メロウなスモーキー・ビートがスラックの催眠的なフローと空中で溶け合っている。宙づりになった言葉は、そのまま大気のなかへと消えていくようだ。そして、レゲエを解体して組み直したような"A Luv"からドープなインストの"余韻"を経て、ウェッサイ風の野太さを持った最後の曲、"なんで欲が出る"がはじまる。仙人掌がフィーチャーされたこのトラックは『Swes Swes Cheap』において唯一アッパーなフィーリングを持っている。
 
 スラックは昨年デビューして以来、いまのところ1年で2枚のペースを守っている。瑞々しい言葉と音の『My Space』、実験精神が注がれた『Whalabout?』、音の冒険『BUDA SPACE』、そしてメランコリーが強調された『Swes Swes Cheap』、4枚にはそれぞれの輝きがあり、同じことを繰り返していない。どこまで歩けるか、彼は試しているのだろうか。

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