「K A R Y Y N」と一致するもの

interview with Egyptian Hip Hop - ele-king

E王
Egyptian Hip Hop Good Don't Sleep
R&S Records/ビート

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 ドラムがいてベースがいてギターがいてヴォーカルがいて......ロック・バンドというスタイルがポップのデフォルトではなくなってすでに久しい。欧米においてはそうだ。メディアはギター・バンド時代の到来を煽っている。来年は本当にそうなるかもしれない、が、しかし現状でポップを代表するのはR&Bだ。ダンスであり、アンダーグラウンドではエレクトロニック・ミュージックである。

 エジプシャン・ヒップホップとはカイロのキッズによるラップ・グループではない。マンチェスターの4人の白人の若者によるロック・バンドだ。メンバーのひとりは、ジョニー・マーからギターを習っている。それだけでひとつの物語がひとり歩きしているが、彼らの音楽がストーン・ローゼズやザ・スミスやジョイ・ディヴィジョンのように、激しいまでに言いたいことを内包している音楽というわけではない。
 エジプシャン・ヒップホップの音楽はまどろんでいる。夢見がちなテイストで統一されている。そして、UKではなにかとパリス・エンジェルス(マッドチェスター時代の人気バンドのひとつ)の甘いダンサブルなフィーリングを引き合いに出して説明されている。アンビエント・テイストがあれば「ドゥルッティ・コラムみたいだ」と言われ、ファンクのリズムを取り入れれば「クアンド・クアンゴみたいだ」と書かれる。「マンチェスターのロック・バンド」というだけで夢を見れるというのも、若い彼らには迷惑な話だろうが、ある意味すごいと言えばすごい。
 17歳で結成されたこのバンドは、なにせその2年後にはハドソン・モホークをプロデューサーに迎えた12インチ・シングルを2010年に〈Moshi Moshi〉から発表している。それは15年前で言えば、エイフェックス・ツインがジェントル・ピープルを後押ししたようなものだ。

 エジプシャン・ヒップホップのデビュー・アルバムは結局、〈R&S〉からリリースされることになった。〈Moshi Moshi〉からの12インチではエレクトロ・タッチの、わりと真っ当なインディ・ダンス的側面を見せた彼らだが、アルバムでは思い切りよく方向転換をしている。
 タイトルは『グッド・ドント・スリープ』=「良きモノは眠らない」、そう、おわかりでしょう、これはおそらく、「チルウェイヴ」や「ヒプナゴジック」や「ダルステップ」なるモードへの反発だと思われる。連中は先手を打っているのだ。

 ところが、先述したように、夢見る『グッド・ドント・スリープ』にはポスト・チルウェイヴへのリアクションだと思われるフシがある。ファンクに挑戦しつつも、アルバムは気体のようなアレックス・ヒューイットのヴォーカリゼーションと心地よいダンサブルなビートをともなって、基本、柔らかく、ドーリミーに展開する。カインドネスをトロ・イ・モワへのUKからの回答と呼べるなら、エジプシャン・ヒップホップはウォッシュト・アウトに喩えられるかもしれない。

 いやいや、とはいえ、このバンドにはチルウェイヴの中道路線にはないサイケデリックと呼びうる音響がある。"Alalon"──僕には2004年のアニマル・コレクティヴの名曲"ザ・ソフィティスト・ヴォイス"を思い出させる──は最高の1曲だし、最後の曲"Iltoise"では甘美なアンビエントで着地させる。そこには、みんなと一緒に何度も何度も繰り返しトリップした、あの永遠の夏が待っている。
 それはサン・アロウないしは一時期のディアハンター/アトラス・サウンドのフィーリングとも重なるだろう。ただし、エジプシャン・ヒップホップのそれはUKらしくスタイリッシュで、とにかく録音が素晴らしい(USインディの商標であるローファイではない)。
 取材に答えてくれたのは、アレックス・ヒューイット。このバンドを作った張本人でもある。

Egyptian Hip Hop - Alalon
https://soundcloud.com/r-srecords/egyptian-hip-hop-alalon/s-gYPdV


僕たちの音も聴かずにどこから来たか訊いて「マンチェスター」とわかると「あ、マンチェススターね」って感じで音も聴いてもないのにひとくくりにされる。しかし、僕たちの音はマンチェスターの音じゃないと思う。

まずは結成までの経緯を教えてください。メンバー4人はどのように出会ったのでしょう?

アレックス・(以下、AH):会った場所はみんなバラバラなんだけど、最初に僕とアレックス(ピアース)が学校で同じ音楽の授業を受けて仲良くなったんだ。でもその後僕たちは違うカレッジに進んだんだけど、カレッジに行くちょっと前にニックと僕が知りあって、アレックス(・ピアス)は自分が進学したカレッジでルイスに会って、でもそれとは別で僕はルイスと知り合った。でもそのとき僕は音楽とはまだやってなかったんだけど、その出会いをきっかけに一緒に音楽をやるようになって、ルイスもアレックスを知っていたことから一緒にやろうって声をかけて、そこにニックも加わってみんなでやるようになったんだ。

4人ともマンチェスターで育ったんですか?

AH:うん、僕たち全員マンチェスターっ子だよ。

17歳のときバンドを結成したそうですが、最初はどのような共通意識のもとにバンドはじまったんですか?

AH:最初はただ面白そうだからっていう理由だったんだ。EHHの初期のステージは、僕とルイスのふたりでやってんだけど......。あ、もちろん他にも友だちに手伝ってもらってステージにはもっと人はいたけど、別にメンバーではなかったしね。
 でも本当にただ楽しいからやってただけで、それによって自分たちで曲を作っていたから披露してみたいのもあったしね。バンドの結成のいきさつってみんなそんな感じではじまってるんじゃないかな。

今日、ベッドルームでPCを使って音楽を作っている人たちが多いなかで、バンドという形態を選んだ理由は?

AH:4人で集まった時点で、コンピュータなんかやるより生で演奏したっていう気持ちが強かったんだ。もちろんコンピュータも使うけど、バンドのほうが楽しいからね。

ジョニー・マーからギターを教えてもらったという話は本当ですか?

AH:うん、本当だよ。ニックが12歳くらいのときジョニー・マーの息子と一緒にバンドをやってたんだよ。活動期間は短かったんだけどね。ニックはジョニー・マーと一緒に数回遊んでてもらったりしてたし、それにニックはザ・スミスの大ファンだしね。もちろんニックはすでにギターを弾けていたから弾き方というよりテクニックを教えてもらってた感じだね。

マンチェスターといえば、他にも、バズコックス、マガジン、ジョイ・ディヴィジョン、ザ・フォール、ドゥルッティ・コラム、ザ・スミス、ストーン・ローゼズ、ハッピー・マンデーズ、808ステイト、オアシス、オウテカなどなど、たくさんの素晴らしいバンドや歴史的な作品を出している街ですが......。

AH:すごいとは思うけど、時々そのことが面倒くさいと思ったりもする。僕たちEHHの音も聴かずにどこから来たか訊いて「マンチェスター」とわかると「あ、マンチェススターね」って感じで音も聴いてもないのにひとくくりにされる。
 僕が思うのは、僕たちの音はマンチェスターの音じゃないと思うんだ。僕たちだけじゃないと思うけど、とくにマンチェスターのようにムーヴメントがあったような都市の出身だったりすると勝手にそこにくくられるっていうのがある。聴けば全然違うのにさ。もちろんマンチェスターのバンドでいいバンドもたくさんいるんだけどね。
 例えば僕たちのアルバムの最後の曲とか結構エレクトロなナンバーで、これは808ステイトやジャロっていうアーティストとも近い音だと思うんだよね。よくマンチェスターだからってニュー・オーダーとも比較さえるけど、いちどだってインスパイアされたことはないんだ。

とくに好きなバンド、目標としたいようなバンドはいますか? 

AH:うーん、そうだなぁ、BE MY NERDはいいバンドだよね。あといま自分がすごい好きなのがWeird Jeroっていうバンドなんだけど、シューゲイザーっぽい、ニューグランジっぽい感じなんだ。あとはGreat Wavesっていうバンドも好きなんだ。彼らはとくにライヴがすごいんだよ。いま僕のお気に入りはこのバンドかな。

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正直言えば、DJの曲にも仕事にもとくに興味がないんだ。魅力もそんな感じないし。エレクトロミュージックは好きだけど、DJについては本当によくわからないんだ。

E王
Egyptian Hip Hop Good Don't Sleep
R&S Records/ビート

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とてもユニークなバンド名だと思うのですが、エジプト人でもないし、ヒップホップでもないのに、なぜエジプシャン・ヒップホップなんですか? その名前はどこから取ったのでしょう?

AH:最近よく名前について考えることがあるんだ。自分たちでも気付かなかったけど、実はけっこう深い意味があるんじゃないかと思ってるんだ。もちろんつけたときは、とくに考えずに付けたんだけど。いま思うと普通のバンドと違う名前だよね。通常は誰かの名前とか、なんか単語でつけたりするんだけど思うし、みんなもそういうもんだと思ってると思うけどね。ジャンルによってなんとなくバンド名も予想できるしね。
 たしかに変な名前だと思うけど......最初に付けた時はただ面白いからつけただけなんだけどさ。このバンド名でみんな、音を聴いたら混乱するだろうなって思ったのもあるんだけどね(笑)。だって僕たちがEgyptian Hip Hopという名前で音楽をやっているんだから、何にだってなれると思ったんだ。だって僕たちの音楽を聴いて音を想像できないでしょ? だから僕たちの哲学としては名前に囚われないってことだね。

2年前に〈Moshi Moshi〉と契約して、ハドソン・モホークをプロデューサーに迎えて1枚の12インチ・シングルを出しましたが、そのいきさつを教えてください。

AH:以前から僕たちはハドソンの作品をよく聴いていたし、すごく好きだったんだけど、僕たちのマネージャーが彼のマネージャーを知っていて、最初はREMIXを依頼したんだ。でも結局一緒に作ってみようって話になったんだけど。
 〈Moshi Moshi〉に関しては「一緒にやらないか?」と打診をもらってて、彼らの実績がすごくいいし、いろいろいいバンドの音源をリリースしてたからいいなって思って。ハドソンのスタジオは凄い設備でいい機材が揃ってて本当に有名なすスタジオなんだなって思ったし、そういうところでやるにもいい経験だったよ。

ダウンロードで音楽を聴くことが常識であるあなたがた世代にとって、ああいう風にレコードを出すことは特別な意味があるのでしょうか?

AH:レコードを作ること自体とても重要なことだと思うんだ。クオリティの問題もあると思うけど、「盤」と言うこと自体が僕は重要だと思ってるんだ。たしかにインターネットだと誰でも手に取れるし、探すことができる。でもレコードやCDってそれ自体がアートだと思うんだよね。ジャケットとかもそうだけど、僕たちにとっても自分たちがどういう音楽をやりたいかっていうことを証明してくれる大事なものだと思ってるよ、インターネットで音楽を流すよりずっとね。それにレコードを持っていれば後で聴き返したりして聴き返すこともできて、音楽に感謝できる瞬間でもあると思うしね。

最終的に〈R&S〉と契約したのはどうしてでしょうか?

AH:最初はユニバーサルと契約する予定だったんだ。でもいろいろあって話が流れて。〈R&S〉はいいアーティストをいっぱい抱えているし、僕たちがやりたいと思ったことを全部理解してくれて、僕たちにとっても〈R&S〉こそが僕たちが求めていたレコード会社なんじゃないかと思ったから契約したんだ。

あの12インチ・シングルを出したあと、しばらく音沙汰がなかったのは何だったのでしょうか? 自分たちの納得するサウンドが完成するのに時間がかかったということなんですか? とても完成度の高いデビュー・アルバムだと思いました。

AH:正直僕たちもなんで2年になってしまったのかはよくわからないんだけど......最初のEPを作ったとき、有名なプロデューサーやエンジニア、すごいスタジオ、とにかく過度な期待のなかで作業をしなくちゃなんなくて、その上結構すぐにその環境に溶け込まなきゃいけなかったんだ。出来上がりはもちろんよかったけど、自分たちが想像していたものとはかなりちがう感じに仕上がったんだ。
 その後、前作よりクオリティが下がってもいいから「自分たちらしい音」にできないかってことをずっと考えていて。もっといろいろインスピレーションを受けたものを反映したりね。それにライヴで新しい曲もやりたいなって思ってたし、もっとアートっぽく、自分たちらしい音楽が詰まった1stアルバムにしたいと考えてて。
 だから急がずに自分たちがやりたいことをじっくりやりながら、自分たちらしさが詰まったアルバムを作ろうと思って、時間とかをあまり考えず作業をはじめたんだ。決して経済的には長期化するレコーディングはいいことではなかったけれど、いいものを作りたいと再度クオリティを重視する方向で作業していたんだ。だからこんなに長くかかってしまったっていうのはあるんだけどね。

すごく独特の音の質感を持っていると思いました。独特の反響音、夢のなかにいるような質感、こうしたある種別世界的な音を創出することに関して、どのような考えをもってるのか、ちょっとコメント願います。

AH:いままで聴いてきたいろいろな音楽に影響されてできた音っていうことはあると思うんだ。何の音楽と比べてそういう質問をされているのわからないけど、いろんな音を研究してもっと音でスケールを広げられないかと試行錯誤してきたから、そういう特殊な音を出せるようになったのかもしれないけどね。独特のヴァイヴを出すこととかね。

録音がとても良いですよね。ベースラインもドラムも綺麗に鳴っています。自分たちのサウンドを探求するのに時間がかかったんじゃないですか?

AH:そうだね、いろいろ試したりして時間はかかったかもしれないね。もちろんこれからたくさん変わっていくとは思うけれど、まずは自分たちらしい音を出すことが重要だと思ってたから、その音を探すまでにけっこう試行錯誤を重ねた部分があったかな。僕たちはどんどん変わっていきたいし、それってすごく重要なことだと思うしね。

好きなDJがいたら教えてください。

AH:リミックス以外であんまりDJに興味がないんだ。エロル・アルカンは好きだけど、彼以外にとくに知らないっていうのが本音かな。正直言えば、DJの曲にも仕事にもとくに興味がないんだ。魅力もそんな感じないし。エレクトロミュージックは好きだけど、DJについては本当によくわからないんだ。

THE ORB JAPAN TOUR 2012 - ele-king

 アレックス・パターソンとトーマス・フェルマンすなわちジ・オーブがリー・ペリーと共作した『ジ・オブザーヴァー・イン・ザ・スター・ハウス』は、リー・ペリーのファンにとっても興味深い作品だったんじゃないだろうか。これまでペリーが創出したダブへの敬意、ただそれを模倣するのではなく、彼らのレゲエへの造詣の深さをモダンに転換した作品、そして、その発展型としての今日のエレクトロニック・ミュージックがよく見えた作品だったように思う。もちろん初期のジ・オーブを知っている世代にとっても嬉しい作品だった。ペリーの魅力を損なうことなく、ジ・オーブは少しばかりユーモラスな味付けで、新しい島を発見した船長のように、未開の領域に進入した。
 今週はリー・ペリーがあるが、来週はジ・オーブがライヴ公演のために来日する。トーマス・フェルマンも駆けつける(DJもやります)。

https://soundcloud.com/factmag/fact-mix-341-the-orb-lee

root & branch presents THE ORB JAPAN TOUR 2012

10.19 (FRI) @ 大阪 心斎橋 CONPASS
Live: THE ORB
Opening DJ: ALEX PATERSON (THE ORB), THOMAS FEHLMANN (THE ORB, KOMPAKT)
Open/ Start 20:00
¥3,500 (Advance), ¥4,000 (Door) 共に別途1ドリンク
Information: 06-6243-1666 (CONPASS) conpass.jp

10.20 (SAT) UBIK supported by BLAFMA
@ 東京 西麻布 eleven

Live: THE ORB
DJs: ALEX PATERSON (THE ORB), THOMAS FEHLMANN (THE ORB, KOMPAKT), GONNO (WC, Merkur, International Feel), dsitb (BLAFMA, bloom)
Lounge Floor: Taddy (BLAFMA, 無幻), chivarhythm (BLAFMA, FBWC), JAVA (RYTHMHOLIC, Silent Music), Ryota Nakazono (無幻), OcB (BLAFMA)
Open/ Start 22:00
¥3,000 (Before 23:30), ¥3,500 (w/ Flyer), ¥4,000 (Door)
Information: 03-5775-6206 (eleven) go-to-eleven.com




THE ORB (ALEX PATERSON & THOMAS FEHLMANN) www.theorb.com
 UKダンス・ミュージック・シーンの黎明期から現在に至るまで、移り変わりの激しいエレクトロニック・ミュージック・シーンに於いて、常に時代の最先端で革新的な作品を送り出し続けているジ・オーブことアレックス・パターソンは、UKダンス・ミュージックの歴史そのものと言っても過言ではないだろう。代表作は『The Orb's Adventures Beyond The Ultraworld』『U.F.Orb』 『Orbus Terrarum』など数知れない。「アンビエント・ハウス」というチルアウト・ミュージックのジャンルを事実上具現化したマエストロであり、その後のエレクトロニック・ミュージックに多大な影響を与えたアーティストである。近年はファースト・アルバム以来の盟友でありジャーマン・エレクトロニック・ミュージック界の重鎮トーマス・フェルマンとの共同作業が多く、2005年にはヨーロッパに於ける最優良テクノ・レーベルKOMPAKTから『Okie Dokie It's The Orb On Kompakt』、2009年にはドキュメンタリー映画「Plastic Planet」のサウンドトラック『Baghdad Batteries』を送り出している。2010年には元ピンク・フロイドの伝説的ギターリスト、デヴィッド・ギルモアをフィーチャーした『Metallic Spheres』をリリースして、新旧のファンからロック・ファンまでを驚かせた。ミニマル~クリック以降のテクノを独自解釈しながらも、The Orb本来のサウンドスケープを継承する珠玉の作品を精力的にリリースしている。そして、かねてから噂されていたレゲエ~ダブのパイオニアであるリー・スクラッチ・ペリーと全面コラボ・アルバム『THE ORBSERVER in the star house』をリリースしたばかりである。

THOMAS FEHLMANN (THE ORB, KOMPAKT) www.flowing.de
 1979年にドイツのハンブルグでHOLGER HILLERやMORITZ VON OSWALDと共にカルト的人気を誇ったバンドPALAIS SCHAUMBURGを結成。1984年ベルリン移住~バンド解散後、ソロ活動を開始する。1988年には自身のレーベル<TEUTONIC BEATS>を始め、そこで現在の活動にも繋がる<KOMPAKT>の創始者WOLFGANG VOIGTやJORG BURGER、<BASIC CHANNEL>を設立したMORITZ VON OSWALD等をフィーチャーしたコンピレーションをリリース、ドイツ・テクノ史に大きな貢献を果たした。そのレーベル活動を通して、THE ORBのALEX PATERSONと知り合い、その後THE ORBのメンバーとして現在まで積極的に制作に関わる。アーティスト活動のみならず、THOMAS FEHLMANNがドイツのクラブ・シーンに貢献した功績は非常に大きい。伝説のクラブTRESORに於いて、90年代にはMORITZ VON OSWALDとJUAN ATKINSと一緒にレジデントを務め、デトロイト・テクノをドイツへ広めるのに重要な役割を果たした。ソロ活動としては90年代に<R&S>などからリリースを重ね、<KOMPAKT>からは『VISIONS OF BLAH』『HONIGPUMPE』をリリースしている。ベルリンのドキュメンタリーTV番組『24h BERLIN』のサウンド・トラックを担当、そこに書き下ろされた作品を中心に2010年にアルバム『GUTE LUFT』としてリリースしている。

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VIKN Ft. BES,GUINNESS,A-THUG & NIPPS - "STARTING 5"
(Produced by HIROSHIMA&B-MONEY)



 負けを認めるからこそ踏み出すことのできる新しい一歩というものがある。新たなゲームを開始し、ルールを設定し直すために、負けを受け入れなければならないときもある。そもそも誰もが強く、逞しく、信念を曲げず、前向きにい続けられるわけではない。ときには迷い、嫉妬や憎しみを抱き、つまずき、辛酸をなめるときもある。負けているのにもかかわらず、負けていないと意地を張り続ける意固地な態度が道を見失わせることもある。やさぐれた人間のやさぐれた言葉は、ときとして、人の心の深いところに突き刺さったりする。と、そんなことをこのラップ・ミュージックを聴いた直後、僕は漠然と思った。

 トップバッターのBESの強烈な哀しみの歌が僕にそういう思考を促したのか、それともHIROSHIMA&B-MONEYの制作したバックトラックの泣きのストリングスに感情を揺さぶられたのだろうか。それだけではないと思う。5人とも同じ内容をラップしているわけではなく、むしろ5人それぞれが異なるベクトルに向かっているものの、5人のマイク・リレーはある一つのムードを作り上げている(例えば、"GOD BIRD"がそうであったように)。そのムードは言うなれば、いま、とくに東京近郊の街に漂う"負の兆し"みたいなもので、これほど見事に"負の兆し"を捉えたマイク・リレーを僕は久々に聴いた気がして、ゾクゾクしてしまったのだ。その兆しの正体はなんなのか、性急に言葉にしたくないし、できるものでもない。だから、この曲における、5人のラップと身振りは圧倒的にクールであるともいえる。

 ハードコア・ラップ、あるいはハスリング・ラップ、もしくはギャングスタ・ラップ。サブジャンルの呼び名はなんでもいい。SWANKY SWIPEのBESはサウス・ヒップホップ以降のオブ・ビート感覚とNYのラッパーの硬派なスタイルをミックスしたようなフロウで実体験に基づいた痛みと哀しみのストーリーを紡いでいく。それに続く、SEEDAとのビーフで話題を呼んだGUINNESSのより糸が絡み合っていくようなフロウは、こんがらがった内面そのものであるように感じられる。さらに、SCARSのリーダー、A-THUGは、「天国じゃないここはHELL/地獄の炎はメラメラ燃える」「ラップじゃなくても金を稼いでいる」というパンチライン、その間をつなぐ赤裸々なリリックで彼らの剥き出しの現実感覚を鼻先に突きつけ、NIPPSは自問自答と風格のある佇まいでブルースを滲ませる。そして最後に登場するTETRAD THE GANG OF FOURのVIKNが、この曲に、微かな、しかしたしかな光を当てている。

 「STARTING 5」は、ミュージック・ヴィデオの透き通る映像美も大きく影響しているのだろうが、北野武の撮るヤクザ映画に通じる叙情と哀愁、あるいは感傷に満ちている。それらは男のロマンやダンディズムから表出されるもので、その意味で彼らはヒップホップのマッチョイズムに忠実ともいえる。が、ここにある、どうしようもない乾きは、それだけではどうにも説明できない特別なものだ。

 最後になってしまったが、この曲はVIKNが10月発売予定のソロ・アルバム『CAPITAL』からの先行ミュージック・ヴィデオとなる。この曲は、この手のラップ・ミュージックのほんの入口かもしれない。CDが売り切れていなければ、BES『BES ILL LOUNGE:THE MIX』、A-THUG『HEAT CITY MIXED BY DJ SPACEKID』の2枚も合わせて聴くといいだろう。

第2回:イミグランツ・イン・ザ・UK - ele-king

 五輪閉会式にはあれだけ多くの英国のバンドやミュージシャンが出演していたというのに、うちの息子が最も強烈な印象を受けたのはなぜかエリック・アイドルだったらしく、夏以来、頻繁に『Always Look On The Bright Side Of Life』を歌っているので母親としては困惑する。
 というのも、『Life of Brian』というモンティ・パイソンの名作映画で使われたこの楽曲の歌詞には、「Life is a piece of shit」、すなわち「人生は一片のクソ」というわたしの座右の銘が含まれているからであり、なにげに血の呪いのようなものを感じてしまうからだ。しかも、この曲が英国民を対象とした「自分の葬儀にかけたい曲」調査で上位に選ばれていることを鑑みれば、何も6歳児が葬式用の歌を気に入らなくともいいんじゃないかと思うのだが、どうやら彼が気に入ったのは、歌そのものではなかったらしい。

 「Always look on the bright side of life, dada-dada-dada-dada-dada, で、ここでインド人の人たちが入って来て、だんだんだららら、だだんだんだんって腰振って踊るんだよ」
 と言って、息子はボリウッド風のダンスを真似、きゃらきゃら笑いながら腰を振りはじめる。海外であの演出がどう受け止められたのかはわからないが、あれはロンドンを象徴したものであり、ひいては英国全体を象徴したものだったと言えるだろう。

 モンティ・パイソン。という古い時代を代表する英国人が、金銀原色の衣装に身を包んだボリウッド系ダンサーたちに囲まれて、「What the hell is going on here?」みたいな困惑した表情をするシーン。あれは、ロンドンには英国人が住む家が一軒もないというストリートさえ存在し、インド・パキスタン&バングラデシュ系移民やアフリカ系移民などの台頭が著しい。という現実のメタファーであり、つまり、どんどん外国人に侵食されていく英国の姿を象徴していたのである。
 その侵食している外国人のひとりであるわたしとしては、あんなシーンを作って笑いを取ろうとした制作側や、あれを見て自宅で「ははは」と笑っている英国人の諦念まみれの寛容性というものを改めて思い知らされたのであり、「ファッキン・チンク」と往来でどやされることがある身にしても、その点は認めずにはいられない。
 あれを見て笑っている英国人は自虐的なのではない。
 リアリストなのである。

 んなわけで、この国に暮らしていると、いろんな国からいろんな事情で移住して来た外国人と触れ合うことになるわけだが、わたしにも懇意にしているイラン人の友人がいる。彼女は、ほんの4年前までテヘランの私立のお嬢様学校で小学部教員をしていたそうだが、英国では自国の教員資格が使えないため、とりあえず短期間で取れる保育士の資格を取って労働している。彼女の夫は、政府に睨まれるようなことを書いたジャーナリストだったそうだが、英国では大学院に籍を置く傍ら、バーガーキングでバイトしている。
 ボブ・ディランが大好きだという彼女は、例えば保育コースで配布されるプリントが彼女の席まで届かなかったりすると、「これは私に対する政治的制裁ですか」とブラックジョークを飛ばして周囲を爆笑させるような人で、気が合うのでコメディや音楽の話はよくするが、政治については何故か話したことがない。
 
 わたしはそれが彼女や彼女の夫にとって一番大きなサブジェクトであることを知っている。というか、それが彼らのライフを決定している要因であることを知っている。
 だからこそ、訊けない。物見遊山のわたしには、彼女と政治を語り合うことはできないような気がする。
 そんなわけで、彼女とは一度もイラン情勢について話したことがなかった。が、つい先日、3週間イランに里帰りして来た彼女が、ふと言ったのである。
 「一番おかしいのは、どんなコメディ・スケッチより、自国の庶民だということを再確認した」
 闇雲にそんな言葉を投げられたので沈黙していると、彼女は言う。
 「怒りとか、絶望とかを通り越して、もう笑える。何なんだろう、こいつらは。って」
 「・・・・・」
 「おいしいものを食べて駄弁って盛り上がるのが大好きなの。あの国の人びとは。そして、そういう時間さえ持てれば、後のことはもう見なくていい。何か辛いこととか、不当に扱われているんじゃないかっていう引っかかりがあったとしても、ま、いっかー。みたいな感じでうやむやになる」
 「・・・・・」
 「外側からいくら干渉したところで、人びとの内側からそれがはじまらない限り、あの国は変わらない。でも、それがいま、マジで食えなくなって来ているから、ようやく何かが起きるのかもしれない。もう、そこまで行かないと物を考えないのか、と思うとね、本当に気が抜けるっていうか、ただもう、笑える」
 疲れた笑顔を浮かべて言う彼女に、わたしは意を決して尋ねてみる。
 「......だから、あなたたちは出て来たんでしょ。娘さんのために」
 彼女はすんと澄んだ目でわたしを見て、ため息をつき、頷いた。
 「英国でも、日本でも、わたしたちは政治についてぶーたれる。けど、そこで自分の子供を育てたくないという理由だけのために、素っ裸で外に出て行く人なんて、いない。だから、それを本気でしなきゃならない国。という感覚は、正直言ってわからない」
 わたしが言うと、彼女は学校の先生の顔になって、きりっと言った。
 「ポリティクスというより、ピープルなのよ。自分で物を考えられる人間をつくるのは、インフォメーションとエデュケーションだ。私の国では、一方は遮断されて、もう一方は腐っている」

 テヘランで暮らしていた頃の彼女たちの写真を見れば、祖国では何不自由ないミドルクラスのインテリゲンチャだったのだろうが、何の因果かいまはわたしと薄汚れたマクドナルドでコーヒーをすすりながら、カップホルダーについた特典シールを集めて「やった! 次回のコーヒー無料」などと言っている。
 「イランっていえば、こないだ面白い記事が『ガーディアン』のブログに出てたんだけど」
 「ああ、あのパンク記事でしょ。旦那が翻訳してたわ。彼もああいうの好きだから」
 「Punk's not dead - it just emigrated...」というタイトルのその記事は、パンクは英国では懐古する対象になってしまったが、キューバやイランなどの国では生きている。という論旨の書き物であった。
 「けど、映画監督とか、そういう人間だけを取り上げられてもね。庶民レヴェルでは全然違うもん。あれも外からイランを見ている人の幻想だと思う」
 醒めた口調で彼女は言った。
 「でも、音楽はとても大切。私たちのような国に住む人間にとって、外国の音楽はインフォメーションだ。だから、若い人たちに興味を持ってもらうきっかけになればと思って、旦那はあれを訳してたみたい」
 と言いながら、彼女はコーヒー無料特典シールが6枚貼られたカードを財布に入れた。
 そろそろ彼女もわたしも別々の保育施設に出勤する時間である。
 「ところで、Kは元気にしてる?」
 彼女は椅子から立ち上がりつつ、うちの息子について訊いた。うちの息子は彼女には妙になついていて、時々ベビーシッターになってもらっている。
 「まだエリック・アイドルになって歌ってるよ」
 「いいセンスしてるよ。あの閉会式でリアルだったのは、あの部分だけだったもん」
 彼女はそう言って逞しく笑い、
 「Always walk on the Brighten side of life......」
 というベタな替え歌をからからと歌いながらブライトンの往来を歩くもんだから、すれ違う人びとが振り返って笑っている。きっと母国では、ひょうきんでリベラルな先生だったんだろう。と思う。

 反吐が出るほど母国に絶望していても、彼らはひたすら英文記事を訳して、ブロックされない発信法を模索し、試行錯誤しながら送り続ける。
 愛国者だけが国を愛しているとは限らない。
 愛国者とは違う立場を取りながら、国を思い切れない人たちもいる。
 「イングリッシュという人種が嫌いだからという理由で、あんな歌は書かない。あんな歌を書く理由は、彼らを愛しているからだ」
 ジョン・ライドンは"God Save the Queen"についてそう語ったことがある。ある朝、起き抜けにビーンズ・オン・トーストを食べながら一気に書きあげたのが"God Save the Queen"の歌詞だったそうだが、それをライドンに書かせたものと友人夫婦が捨てきれないものは、それほど違わないように思える。
 国家というアイデンティティを愛する人間と、たまたまそこに住んでいる人びとを愛する人間。それは、幻想を愛するロマンチストと、実存を愛するリアリストと言い換えることもできる。
 結局、ポリティカルな立ち位置というものは、各人の愛のベクトルで決まるのかもしれない。

 きーんと晴れた秋空の下、わたしたちはハグを交わして別れた。
 「いいね、こんな日は、すべてが良い方向に向かうような気がする」
 そう言って背後からサンシャインを浴びていた友人の姿が印象に残ったが、ここはやはり英国なので、5分後にはざばざば大雨が降っていた。
 豪雨が車窓を叩きつけ、遠くで雷まで鳴りはじめた現状を眺めながら、別ルートのバスに乗った友人がやっぱり大笑いしているだろうことをわたしは知っていた。

 1972年に発足した〈ベルウッド・レコード〉。歌謡曲とアイドルが席巻する当時の音楽シーンにおいて、いわゆるニュー・ミュージックの確立と発展をめざし、初のメジャー系インディ・レーベルとしてリスペクトを受けつづける存在である。今年は創立40周年を迎える年となり、同レーベルのカタログ40タイトルが再発されることとなった。これまで紙ジャケット化されていなかった11タイトルも別途限定プレスで同時発売。超高音質盤と謳われるHRカッティング仕様だ。


紙ジャケット・コレクションでは、ジャケット、帯、インナー・スリーヴ他当時のLPそのままにミニチュア化されている。うしろの40タイトルふくめ、51タイトルが並ぶと壮観だ。

 今回最大の注目を集めるのは、発売当時収録楽曲が問題視され、発売中止となっていた山平和彦の『放送禁止歌』、そして幻のオリジナル・ヴァージョン復刻版をはじめとした計4タイトル(『ライブ! 山平和彦』『ライブ! 山平和彦(完全限定プレス盤)』『風景(完全限定プレス盤)』)の初CD化である。レーベルの設立者にして名プロデューサー、三浦光紀氏が総監修を務める。

 そのほかの注目作はというと、どうだろう? リアル・タイムではないリスナーににとって、ほかに聴きどころはないだろうか。

 「現在高田漣さんがミュージシャンとして第一線で活躍し、同世代はもとより、若い世代にも大きな影響を与えていると思うんですが、父である高田渡さんも唯一無二の素晴らしいシンガーでした。」と担当者は語る。

 「漣さんの鳴らすスティールギターを愛してやまないファンたちに、今回再発される『系図』『石』『ごあいさつ』は、彼のルーツを探るつもりで聴いてもらいたいです。」

 アーカイヴィングという点でも本リリースは貴重な機会を提供している。現在のポップ・ミュージックのルーツを細部に聴きとることができるのではないだろうか。

関連サイト : 「Bellwood 40th Anniversary Collection」

Various Artists - ele-king

 ロックステディがいつ聴いても良いのは、ある社会に生きる人びと(あくまで複数形)の高揚する気持ちが音楽に与える影響の大きさゆえだろう。1966年から1968年という本当にわずかな期間、ジャマイカの人びとが明るい夢を見れた時代、いまだに蒐集家たちを夢中にさせるロックステディのレコードが大量に作られ、売られている。
 2005年、UKのレゲエ・リイシュー・レーベル〈プレッシャー・サウンズ〉は、『セイフ・トラヴェル』というタイトルで、良く出回っている有名なコンピレーション盤ではまず聴けない、レア音源の編集盤をリリースした。その多くは、プロデューサーのフィル・プラットがトミー・マクック(sax)やリン・テイト(g)という、ロックステディ時代の名手たちを率いて録音したものだった。『リッスン・トゥ・ザ・ミュージック』は、『セイフ・トラヴェル』に次ぐ、〈プレッシャー・サウンズ〉によるロックステディのレア音源集だ。

 『リッスン・トゥ・ザ・ミュージック』は、よほど詳しい人でなければ知らないと思われるケン・ラックという数年だけ音楽業界に携わった経営者にスポットを当てている。ソースとなっているのは、ケン・ラックが60年代後半のわずか数年のあいだ営んでいた〈カルトーン〉、〈ショック〉、〈ジョントム〉といったレーベルからリリースされたEPである。

 スカタライツのマネジャーを経験したケン・ラックには人脈があった。ライナーノーツによれば、最初はトミー・マクックとジョニー・ムーア(trum)の録音のためにレーベルをはじめたというが、実際、多くの作品はマクックとムーア、リン・テイトから提供されている。金物屋といっしょにレーベル経営をしていたというが、わずかな予算内で少数ながら有能な音楽家を雇うことができたのだろう。バニー・リーとフィル・プラットのもとで彼が手がけた音楽は、いまではヴィンテージならではの美しい輝きを発している。

 1曲目の、ピーター・オースティン&ザ・クラレンドニアンズ(スタジオ・ワンの作品で知られる)・ウィズ・ジ・アーニー・ラングリン・オールスターズによる"アイム・ソーリー"は、蜜のように甘い典型的なロックステディ・ソングで、このメンバーによる曲はさらに2曲収録されている。ほかに、有名どころではトミー・マクック&ザ・スーパーソニックやジ・ユニークス、リン・テイトのバンドの音源が数曲収録されている。心配無用の、全21曲のジャマイカ音楽のエレガントで美しい瞬間が詰まっている。

 今日は、本サイトで何度か書いているように、ことUKのキッズはR&Bに夢中だ。同じように、この時代のジャマイカ音楽には、同時代のR&B、とくにサム・クックに代表されるソウルと呼ばれたアメリカの黒人音楽からの影響が刻まれている。ロックステディの時代は1968年までなので、1969年ともなるとアーリー・レゲエの時代へと移行するわけだが、『リッスン・トゥ・ザ・ミュージック』は晩年のロックステディ色が強いように感じられる。オフビートのあいだの空間がほんのちょっとだけ開きはじめているが、しかし、まだ時代はまったりしている。
 〈プレッシャー・サウンズ〉はいったいどこからこんな古いモノを集めてくるのだろう。しかもそれらは間違いなく、良いのだ。

Chart JET SET 2012.10.01 - ele-king

Shop Chart


1

Zazen Boys - すとーりーず (Matsuri Studio) /
ダンス・ミュージックへと接近した前作『Zazen Boys 4』以来4年ぶり、Leo今井とのプロジェクトKimonosの活動を経て制作された、通算5枚目のフル・アルバム。アルバム全曲+ボーナス・トラック「無口なガール」のmp3ダウンロード・コード付!

2

Flying Lotus - Until The Quiet Comes Collectors edition / (Warp)
『Cosmogramma』から約2年振りのリリースとなる待望の最新作。引き続き参加となるThom Yorke、Niki Randaに加えて、Erykah Baduも参加です!

3

Gaslamp Killer - Breakthrough (Brainfeeder) /
単なるビートの寄せ集めではなく、10年に渡って世界を周り、各地でパフォーマンスを行ってきた自身のすべてを反映させた音楽プロジェクト。もちろんリリース元はFlying Lotus主宰レーベルBrainfeederから!

4

Kuniyuki - Earth Beats Larry Heard Remix / (Mule Musiq)
いまだ名曲として多くのファンの間でも親しまれるKuniyuki氏による傑作"Earth Beats"のライブ・ミックスをはじめ、シカゴハウス界の大ベテランLarry Heardによるリミックスを3曲収録した豪華2x12"仕様で登場!

5

Easy Star All-Stars - Easy Star's Thrillah (Easy Star) /
これまでもカヴァーものでヒットを放っていたEasy Star All-Starsが、遂にマイケルの楽曲を取り上げました。

6

Ta-ku - 50 Days For Dilla Vol.2 (Huh What & Where) /
俄然注目を集めているオーストラリアの俊英、Ta-kuによるビート集の第2弾がこちら。多大なる影響を公言して憚らない、J.Dillaへの追悼の意を込めた全25曲を収録。

7

Seahawks - Aquadisco (Ocean Moon) /
名作の数々を生み出すJon TyeとPete Fowlerによるバレアリック・ユニット、Seahawksによる2012年を代表するマスター・ピースがヴァイナルで待望のリリース!

8

Re:Freshed Orchestra - Re:Encore (Kindred Spirits ) /
大ヒット曲"Show Me What You Got"や、人気曲"Roc Boys", "Encore", Breakestra並みのメドレーカヴァーを披露した楽曲など、ファンク~ヒップホップを繋ぐ圧巻の6トラックを収録!

9

Karriem Riggins - Together (Stones Throw) /
同レーベルのFan Clubシリーズもヒット中のKarriem Rigginsですが、先日リリースのアナログ盤『Alone』に続きコチラもバイナルで登場! mp3ダウンロード・コード付。

10

Woolfy Vs Projections - The Return Of Love (Permanent Vacation) /
ドイツ名門"Permanent Vacation"よりWoolfy & Projectionsの才人タッグによる約4年振りとなる最新アルバム『The Return Of Love』が登場。2010年のインディ・ディスコ・アンセム" Coma Cat" でお馴染みのTensnakeとの合作も収録された要注目作が入荷しました!!

Orphan Fairytale - ele-king

 この6月4日に急逝したジョニー吉長さんに非公式でインタヴューをしたときのこと。僕がまだ何も質問していないのに、彼がまず「ラヴ・チャイルドって知ってるか?」と訊くので、僕は平静を装いつつ「知っています」と答えた。シュープリームスのアルバム・タイトルに興味が湧いて意味を調べたことがあったのである。ラヴ・チャイルド=私生児。ジョニーさんは「なんてヒドい言い方なんだろう」と話をつづけ、彼の父親が日本に来ていた米兵で、物心ついた頃からアイデンティティに悩みつづけたことを話してくれた。ジョニーさんは途中で何度も声をつまらせた。その夜は僕も覚悟を決めて話をききつづけた。きくしかなかった。ミュージシャンとしてひとつの答えを出そうと、『ジョニー・セカンド』(78年)で"木曽節"を取り上げ、自分は日本人なんだという思いをそれに込めたつもりが、故・中村とうように酷評され、そのときの怒りがまだ消えないとも話していた。言葉数は少なかったけれど、その気持ちはダイレクトに伝わってきた。北沢タウンホールで行われたお葬式で、祭壇に組まれたドラム・セットを見たとき、僕は当然のことながら、その口調を思い出さざるを得なかった。いつもはとてもジェントルなジョニーさんがそのときだけは汚い言葉を口にした。

 グループ・サウンズから脱線していくようにして日本にロック・ミュージックが確立していくとき、ジョニー吉長のようなラヴ・チャイルドたちは少なからず役割を果たしている。そのような歴史性について系統だった研究はなされていないと思うけれど、彼らがやってきたことの上にバンド・ブームが花開いたことは誰にも否定できないし、それなりの敬意は払われていいはずである。そのような人たちに僕が接したり、話を聴かせてもらう機会を持つことができたのはすべて忌野清志郎さんのおかげであり、清志郎がそのような人たちから愛される存在だったのも、彼自身が実の両親に育ててもらえなかったこと、そのために孤児の気持ちを歌うことができたからではないかと思う。RCサクセション"ぼくとあの娘"の歌い出しは、♪あの娘はズベ公でぼくは身なし子さ とっても似合いのふたりじゃないか~ というもので、これは公式に発表されたものよりも、『ロック画報』の付録CDで聴くことを推奨したい。太田克彦氏が70年代にジャンジャンで密かに録音していたテープから清志郎自らセレクトしたヴァージョンである(この曲の話は尽きないけれど、まずはこれまで)。

 イーファ・ファン・ドゥーレン(本名で「ドア家のイヴ」の意)による「孤児の御伽噺」というユニット名を見てやたらなことを思い出してしまった。バイオグラフィが公開されていないので彼女自身がココ・シャネルやマリリン・モンローと同じように孤児かどうかは不明だけれど、その音楽はなるほど掛け値なしにフェアリーテールである(髪型もツインテール)。『彗星は生きている』と題された(CD-Rやカセットを除くと)ソロ2作めは、どの曲も幻想的で不思議な気分を掻き立ててやまず、通して聴いているとシャガールの絵に片端から音を付けていくような作業を思わせる。ラブクラフトめいたダーク・ファンタジー。めちゃめちゃ楽しくて暗い夜。線の細いシンセ・ポップによってプログレッシヴ・ロックを再定義しながらドローンも少々という感じだろうか。紙『ele-king』でいえば6号の「エレクトロニック・レイディランド特集」7号の「ノイズ/ドローン特集」に片足ずつ突っ込んでいるため、松村編集長によってどちらからも外されてしまうような音楽性というか。

 "最後の生きる伝説""流星群(メテオ・シャワー)""牧歌的な荒野"といった曲を聴きながら、どのようなイメージが脳内を駆け巡るのか。初めからそれは限定したくないので、個々の曲についてはとくに触れない。同じ〈ブラッケスト・レインボウ〉からフォーク・ドローンを垂れ流すイーゼングラン(『ele-king』6号P63)にも通じるところはあるものの、音作りの基本がシンセサイザーなので、なんというか、タキシードムーンからニューウェイヴの呪縛を取り去って、よりフリー・フォームに落とし込んだようなシンセーポップ・ドローンというようなものになっている。たぶん、テクスチャーを新しくしているだけでヨーロッパには古くからあるオブセッションの塗り直しであり、グルーパーモーション・シックネスといったアメリカ勢との対比で、なんとなく新鮮に聴こえてしまう部分も少なからずではないかと思われる。アメリカではドローンが一大ムーヴメントになったかのような印象があるけれど、それは100%商業的な需給関係に左右されるからで、ジム・オルークに言わせればヨーロッパではそうした種類の音楽に国家からの援助が絶えたことはいちどもない......つねにその存在は保障されているという(社会的に見て、やらなくていいことをやっていることの意味合いがアメリカとヨーロッパではまったく違うということでしょう)。あるいは、どこか遊びというか(よく見るとデザインのそこかしこにヘビちゃんがあしらわれている)。

 程度の差こそあれ、ファンタジーにはやはり反社会性がつきまとう。スティーヴン・ミルハウザーの小説をニール・バーガーが映画化した『幻影師アイゼンハイム』ではそれが具体的な脅威となるプロセスが描かれていて、とても興味深かった(レイヴ・カルチャーが社会を揺るがせた瞬間にもきっと同じことが起きていたのだろう)。『彗星は生きている』で展開されているファンタジーはあまりにも手作り感覚で、そのような入り口に立つことがせいぜいかもしれない。それでもこれは、反社会性へと開かれた扉なのである(ドゥーレンはさらにドルフィンズ・イントゥー・ザ・フューチャーのリーフェン・マルテンスともブロッブスというユニットを展開。ドルフィンズも今年は春先にいつもとは趣向を変えた『カント・アーキペーラーゴ』をリリ-スし、フィールド・レコーディングとフリー・ジャズを組み合わせたり、なんかヘンなことになってきた......)。

interview with Tommy Guerrero - ele-king

 1991年の5月、ヒースロー空港の税関で、僕は、とにかく執拗な質問攻めにあった。財布の中身や手荷物の中身までぜんぶ開けられた。それはThrasherのキャップなんて被っていたからじゃないかと同行した友人に言われたが、そいつは「acid junkies」と英語で書かれたTシャツを着ていたので、もし原因があったとしたらスマイリーのほうだろう。
 昨年、『Thrasher』マガジンの共同創始者として知られる64歳の男=エリック・スウェンソンは、──一説によれば重たい病の苦しみから逃れたいがためだったというが──、警察署に入ると自らのこめかみに銃を当てて、弾きがねを引いた。
 スウェンソンは、スケートボーディングの歴史における重要人物のひとりだ。1978年にサンフランシスコでスケートボード用のトラックを作る会社を設立した彼は、それから3年後にくだんの『Thrasher』マガジンを創刊している。モットーは「skate and destroy」。スケートボーディング自体は1960年代からあったというが、『Thrasher』はそれをパンクの美学に当てはめた張本人だった。スウェンソンはパンク・ロックが大好きだったのだ。結局、このスタイルは、1980年代以降のストリート・カルチャーの代名詞になった(今日ではオッド・フューチャーもそうだ)。

 トミー・ゲレロは、海外では音楽家というよりもスケートボーダーとしての名声のほうが高い......というよりも、いまでは専門誌から「スケートボーダーのゴッドファーザー」とまで呼ばれている。いまさら言うのも何だが、トミー・ゲレロとはマーク・ゴンザレスやなんかと肩を並べるカリスマ・スケーターである。


Tommy Guerrero
No Mans Land

Rush Prodction/AWDR・LR2/BounDEE by SSNW

Amazon iTunes

 トミー・ゲレロにとってちょっと気の毒なのは、彼のスケーターとしての名声が大き過ぎるあまり音楽家としての彼が過小評価されていることにある。『ガーディアン』のエリック・スウェンソンの死亡記事においては、彼は「プロフェッショナル・スケートボーダー」として紹介され、コメントを求められている。
 翻って日本では、彼のポスト・ロックめいた控え目さと西海岸の叙情性が混ざった音楽は素直に愛され続けている。僕のまわりでもかれこれ10年以上聴き続けている人間は少なくない。ポスト・ロックと呼ぶほどジャズ寄りではなく、ヒップホップのビートから影響を受けつつ、ロックと呼ぶにはこざっぱりしている彼の音楽──ある種スタイリッシュで、ある種の清潔感をともなっているメロディアスな彼の音楽が、日本の文化土壌にハマったのだろう。

 『ノー・マンズ・ランド』はトミー・ゲレロにとって7枚目のアルバムで、マカロニ・ウェスタン調な響きを特徴としている。シンプルな構成のなかには、長いあいだファンを引き続けてやまない良いメロディとしっかりとしたグルーヴがあるが、今作では、スパニッシュ・ギターの響きを活かしながら、曲によっては一触即発な緊張感あるムードを展開している。乾いた風が吹いて、見知らぬ街のバーに入る......「誰もいない土地」という題名のように、どこか孤独なものを感じさせる作品だが、それはプロ・スケーターとして自分を安売りせず、音楽家としても完全マイペースを守っているトミー・ゲレロの生き様と重なっているように思える。

 ちなみにこの12月には、ドキュメンタリー映画『ボーンズ・ブリゲード』の公開も決まっている。ボーンズ・ブリゲードとは、1980年代のスケートボーディング・シーンに革命を起こしたスター集団でトミー・ゲレロはその主要メンバーのひとり。近いうちに若き日の彼のスキルや情熱を見ることができるだろう。

マカロニ・ウェスタンはとても細かいジャンルではあるけど、すごくユニークなんだ。彼らのサントラ・ミュージックで使用されてる楽器、メロディ、コンポジションが大好きなんだ。音響的、空間的に惹かれるところが多い。

スケーターが年齢とともに失っていくモノと得ていくモノと両方について教えてください。

TG:スケートというのは、身体を酷使するんだ。年をとると、その代償を味わうことになるんだよ。自分の理想通りのスケートができなくなる。心のなかでスケートへの情熱は相変わらず熱いんだけど、昔のようにスケートすることが肉体的に不可能なんだ。スケートをすることから得られたものは、死ぬまでサポートしてくれるコミュニティさ。他の世界にはないものだよ。

あなたの音楽のインスピレーションは昔から変わっていませんか? 計画されたものというより、わりと直感的というか、そのときのひらめきというか。

TG:そう、その瞬間のひらめきで作っているんだ。そのほうが満足感があるんだよ。

『Loose Grooves & Bastard Blues』(1998)でデビューしてから14年が経ったわけですが、ずいぶん長い活動になりましたね。長くやっていると当然、どんな人でもマンネリズムという落とし穴があるわけですが、あなたはそこを意識的に回避しようとつとめていますか?

TG:アプローチを考えすぎないようにしてる。分析的になりすぎると、身動きがとれなくなる。とにかく試してみて、どうなるか様子をみるんだ。俺の音楽は表面的にはシンプルに聴こえるんだよ。

デジタル環境の普及、インターネット文化についてどのように考えていますか? あなたのようなヴィンテージな文化を愛する人からすれば、複雑な気持ちがあるんじゃないでしょうか?

TG:ヴィデオがラジオスターを殺したように、インターネットがレコード業界を殺した。でも、活動の場はより公平になった。消費者は、レコードを作るにはたくさんの血、汗、魂を込めて作っていることを分かってほしいし、レコード制作にはお金もかかるということを覚えておいてほしい。ファンがミュージシャンをサポートしなければ、音楽は存在できなくなる。

1日のうち、インターネットを見ているのはどのくらいの時間ですか?

TG:1時間くらいかな。家ではインターネット・アクセスがないんだ。

最近の若い世代はヴァイナルとカセットを中心に作品をリリースしています。こういうアメリカの新しい動きについてはどう思いますか?

TG:素晴らしいことだよ。アナログのマーケットは決して大きくないけど、ヴァイニルがプレスされていることは嬉しい。

自身のカタログのなかで異色だなと思うのはどの作品ですか??

TG:『Loose Grooves & Bastard Blues』だろうね。純粋で無邪気な作品だからさ。

あなたにとって音楽は、最高の娯楽といったところでしょうか?

TG:音楽は本当にセラピーなんだ。ヒーリング効果があるんだよ。

たとえばひとりのリスナーとしては、ふだんはどんな風に音楽を楽しみますか? 

TG:いつもと変わらず、聴いたことがない刺激的な音楽を聴くと、それを探し出すんだ。でも新譜を買うことは少ないね。昔の音源で素晴らしいものが発掘され続けているし、その焼き直しの新しい音楽が多い。俺の音楽も例外じゃないけどね。

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日本製のフェンダーのほうが全然安いし、アメリカ製のギターより質がいいからさ良いギター・トーンを作ることにまずこだわってる。たくさんのリヴァーブとトレモロを使って、とにかくラウドにプレイするんだ。


Tommy Guerrero
No Mans Land

Rush Prodction/AWDR・LR2/BounDEE by SSNW

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新作の『ノー・マンズ・ランド』はマカロニ・ウェスタン風のアルバムになりましたが、エンニオ・モリコーネやヒューゴ・モンテネグロが手掛けたサントラなど、あなたはどんなところが好きなんですか? 

TG:とても細かいジャンルではあるけど、すごくユニークなんだ。彼らのサントラ・ミュージックで使用されてる楽器、メロディ、コンポジションが大好きなんだ。音響的、空間的に惹かれるところが多い。

『ノー・マンズ・ランド』でのギターのスパニッシュな感じはどんなきっかけがあって取り入れたんですか?

TG:自然とそうなったね。

"Hombre Sin Nombre"のようなあなたらしいメロウで、平穏な曲もありますが、『ノー・マンズ・ランド』には"Phantom Rider"や"The Gunslinger"のようなダークな曲もあります。そのダークさは、個人的なものなのでしょうか?

TG:自分でも分からないけど、レコーディングしたときのフィーリングがそのまま反映されているんだ。今回は太陽のように明るい作品を作りたいと思わなかったんだ。

あなたは自分の音楽をスタイリッシュでお洒落だと思いますか?

TG:本当? そんな風に考えたことはなかった。

アートワークを手がけたデイヴ・キンジーについてコメントをください。

TG:彼はスケート界出身のアーティストなんだ。俺の旧友であるアンディ・ハウエルやシェパード・フェアリーとも彼は友だちなんだ。デイヴ・キンジーの最近の作品が好きなんだ。彼の過去の作品よりもアブストラクトで、あまり明解ではないところが好きだよ。

日本では海好きな人たちからもあなたは人気があります。その理由をご自身ではどう理解していますか? 

TG:自分でもわからないよ。おそらく、俺の音楽がグルーヴをベースにした音楽だからだと思う。それに、リスナーが俺と俺の音楽をそうやって捉えているんだと思うよ。

日本人はみんな高いお金をはたいてUS製のフェンダーを買っているのに、あなたはなぜ日本製のフェンダーのほうを好むんですか?

TG:日本製のフェンダーのほうが全然安いし、アメリカ製のギターより質がいいからさ。

ブレイクビーツを使うのは、あなたの音楽にはやはりファンクの要素が欠かせないからなんでしょうか?

TG:俺は古いファンクやソウルのグルーヴに魅了されてるんだ。そういうグルーヴを聴いていると踊りたくなるんだ。

リヴァーブの感じとか、音色や音質にこだわりを感じたのですが、とくに今回録音で凝った点があったら教えてください。

TG:良いギター・トーンを作ることにまずこだわってる。たくさんのリヴァーブとトレモロを使って、とにかくラウドにプレイするんだ。

"Specter City"なんてドリーミーな曲で、ちょっとアンビエントな感じがしますが、アンビエント作品を作りたいとは思わないですか?

TG:つねに作ってみたいと思ってるよ。次のアルバムはまた全然違うアプローチになると思うよ。

ちなみに1曲目の"The Loner(孤独な人)"とは、あなた自身のことでしょうか?

TG:多少はそうだね。俺は基本的にソロで活動しているけど、いつもひとりでやっていると辛いこともある。

なんであなたは、アメリカのインディ・シーンにおいて異端なんでしょうか?

TG:アメリカのシーンは巨大な池なわけで、俺はそのなかにいる小さな魚なんだよ。アメリカの音楽シーンでは、俺はあまり大きな存在感はないんだ。

あなたはいまでもご自身や自分の仲間を「ビューティフル・ルーザー」という言葉にアイデンティファイできると思いますか?

TG:自分のことを"ルーザー"(負け犬)と捉えたことはない。

ありがとうございました。

TG:長年俺のことをサポートしてくれたファンに感謝!

Bones Brigade Teaser

Bones Brigade: An Autobiography - Trailer


■Tommy Guerrero Japan Tour 2012

10/11(Thu) Tokyo@ duo MUSIC EXCHANGE
問い合わせ先:03-5459-8711
詳細:https://www.duomusicexchange.com/
https://t.pia.jp/sp/tommy-guerrero/tommy-guerrero-sp.jsp

2012年10月3日(水)23:00~02:30「TOMMY GUERRERO SPECIAL~ストリートの生ける伝説」緊急配信が決定しました!
LIVE&TALK:TOMMY GUERRERO(from San Francisco)出演:野村訓市
https://www.dommune.com/

「朝霧ジャム」出演も決定!
2012年10月6 (土) 静岡県 富士宮市 朝霧アリーナ
https://smash-jpn.com/asagiri/timetable.html
OKI DUB AINU BAND、GOMA&THE JUNGLE RHYTHM SECTION、
WILKO JOHNSON、そしてLEE PERRY Bandととも出演いたします。

Tommy Guerrero Japan Tour 2012

10/4(Thu) Nagoya@ BOTTOM LINE
問い合わせ先:052-741-1620
詳細: https://www.bottomline.co.jp

10/5(Fri) Kanazawa@ MANIER
問い合わせ先:IMART 076-263-0112 / CASPER 076-232-5293
詳細: https://mairo.com/manier/

10/7(Sun) Shizuoka@ SOUND SHOWER ark
問い合わせ先:WIGWAM 054-250-2221
詳細: https://www.ark-soundshower.jp/

10/8(Mon) Kyoto@ Club METRO
問い合わせ先:075-752-2787
詳細: https://www.metro.ne.jp

10/9(Tue) UMEDA CLUB QUATTRO
問い合わせ先:06-6311-8111
詳細: https://www.club-quattro.com/umeda/
https://t.pia.jp/sp/tommy-guerrero/tommy-guerrero-sp.jsp

10/11(Thu) Tokyo@ duo MUSIC EXCHANGE
問い合わせ先:03-5459-8711
詳細:https://www.duomusicexchange.com/
https://t.pia.jp/sp/tommy-guerrero/tommy-guerrero-sp.jsp

DON LETTS JAPAN TOUR 2012 - ele-king

 ドン・レッツといえば、ロンドン・パンクの時代、セックス・ピストルズやザ・クラッシュ、ザ・スリッツといった連中にもっとも影響を与えたレゲエDJである。彼がキング・タビーをかけなければPiLは違った音になったかもしれないし、彼がホレス・アンディをかけなければアリ・アップは違った道に進んだかもしれない。
 時代の生き証人であり、パンキー・レゲエ・スタイルの体現者。迷うくらいなら行ったほうがいいですよ!

DON LETTS (DUB CARTEL SOUND STSTEM, LONDON)
 ジャマイカ移民の一世としてロンドンに生まれる。'76~77年にロンドン・パンクの拠点となった〈ROXY CLUB〉でDJを務め、集まるパンクスを相手にレゲエをかけていたことから脚光を浴び、パンクとレゲエを繋げた。
 リアルタイムで当時の映像を撮り、'79年に初のパンク・ドキュメンタリー映画『PUNK ROCK MOVIE』を制作。またブラック・パンクの先駆バンドBASEMENT 5の結成に携わり、THE SLITSのマネージャーもつとめる。
 '80年代なかばにはTHE CLASHを脱退したMICK JONESのBIG AUDIO DYNAMITEで活動、さらにBADを脱退後の'80年代末にはSCREAMING TARGET(※BIG YOUTHのアルバムより命名)を結成し、"Who Killed King Tuby?"等をヒットさせる。
 音楽活動と平行して、多くの音楽ヴィデオやBOB MARLEY、GIL SCOTT-HERON、SUN RA、GEORGE CLINTON等のドキュメンタリー・フィルムを制作、2003年にTHE CLASHのドキュメンタリー『WESTWAY TO THE WORLD』でグラミー賞を受賞する。
 '05年にはパンクの核心に迫った『PUNK:ATTITUDE』を制作。
 DUB CARTEL SOUND SYSTEMとしてスタジオワーク/DJを続け、SCIENTISTの"Step It Up"、CARL DOUGLASの"Kung Fu Fighting"等のリミックスがあるほか、〈ROXY CLUB〉期のサウンドトラックとなる『DREAD MEETS PUNK ROCKERS UPTOWN』('01年/Heavenly)、名門TROJAN RECORDSの精髄をコンパイルした『DON LETTS PRESENTS THE MIGHTY TROJAN SOUND』('03年/Trojan)、'81-82年に彼が体験したNY、ブロンクスのヒップホップ・シーンを伝える『DREAD MEETS B-BOYS DOWNTOWN』('04年/Heavenly)の各コンパイルCDを発表している。
 '07年には自伝「CULTURE CLASH-DREAD MEETS PUNK ROCKERS」を出版。BBC RADIO 6 Musicにて毎週月曜日レギュラー番組"Culture Clash Radio"を持つ。2008年にコンパイル・アルバム『Don Letts Presents Dread Meets Greensleeves: a West Side Revolution』がリリース。2010年にメタモルフォーゼ、2011年にはB.A.Dの再結成でオリジナルメンバーとしてフジロックフェスティバルに出演。
https://www.bbc.co.uk/6music/shows/don_letts/

●10/5(金) 福岡 @AIR
TIME:22:00~
PRICE:2,500yen+1drink oder
ACT:DON LETTS
LIVE:CUT/ THE EXPLOSIONS/NEO TONE
DJ: YOSHIZUMI/DJ OEC/CHACKIE MITTOO/DJ KAZUO/DJ KAZUYA
RED I SOUND

●10/6(土)東京 @club asia
TIME:23:00 ~ LATE
PRICE:DOOR--- 3,500yen/1d ADV---2500yen(ex 500yen/1d)
ACT:DON LETTS
THE HEAVYMANNERS、O.N.O(THA BLUE HERB)
DJs: myQR 、Shigeki Tanaka 、Daisuke Kitajima、Satoshi Hayashi 、Y$K、Kazuki Kudo 、KEI 、Kazuhito Takasaki 、Gaku Miyata、anzie、jyakuzure 、NAMBU
VJ: SeeMyDimple 、VJ 45 、CHRISHOLIC
Photo: Yoshihiro Yoshikawa

前売りチケット
◆e+にて販売中!!!
[for PC] [for MOBILE]
◆都内近郊diskunion各店頭でも販売中!!!
https://asia.iflyer.jp/venue/home

●10/7(日)静岡/朝霧JAM
SMASH : 03-3444-6751
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