「K A R Y Y N」と一致するもの

DJ SHO (Luv&Dub Paradise) - ele-king

82年よりキャリアをスタート。
高橋透氏、曽根氏らが在籍した伝説のDISCO六本木「TSUBAKI BALL(玉椿)」時代に「ラリー・レヴァン&ガラージサウンド」に出会い感銘を受ける。当時レジデンツだった「TSUBAKI BALL」にて85年よりDJ SONEと共にハウスサウンドオンリーの1オフパーティ「HOUSENATION」を手がけその後のクラブのあり方を示す。「TSUBAKIBALL(玉椿)」閉店後は活躍の場を求め全国を渡り歩き90年に念願のニューヨークへ移住。高橋透氏、DJ NORI氏がNY時代在籍した事で知られる「FUJIYAMA MAMA」にて長年レジテントDJとして活躍。15年のNEW YORKでのDJプレーを経て2005年に帰国後は「Luv&Dub Paradise」@神宮前bonoboを始め、実に20年以上ぶりに「HOUSE NATION since 1985」を静岡CLUB fourにて再開。また故郷姫路では「彩音」にもスタッフとして参加し、地元のCLUBでもレギュラーパーティーをスタートさせる。その経験からくる文脈に囚われない選曲と確かな技術で各地方にファンを増幅させ続けている。

Ring Of Fire Eclipse & Music 2012.5.26


1
Will Azada - Easy Does It - Mystical Disco

2
Shackleton - Touched - Woe To The Septic Heart !

3
Manmade Science - Phase - Philpot

4
Fushiming/Mamazu - Ride Music EP - Hole and Holland Recordings

5
Pirupa - Party Non Stop(DJ QU Remix) - Desolat

6
IORI - Moon - Phonica White

7
Rhauder - Acid Jam - Polymorph

8
DEADBEAT - Lazy Jane - Blkrtz

9
Mind Fair Presents....No Stress Express - Reach The Stars - Rough Cat Sounds

10
Psychemagik - Valley Of Paradise(Toby Tobias Remix) - Psychemagik

Visioneers - ele-king

 4ヒーローのマーク・マックによるファンク・プロジェクトが6年ぶりとなる2作目をリリース(オリジナル・フォーマットは最近、流行りの7インチ×5枚組)。前作同様、ドラムスと管楽器以外はすべてマーク・クレア自身による演奏で、あまりにファンキーで、いったい、どこからこんな明るい気持ちが湧いてくるのかと......(今日もDVDでマッテオ・ガローネ監督『ゴモラ』を観てしまった......。ダニー・ボイル監督『スラムドッグ・ミリオネア』やジャン=ステファーヌ・ソヴェール監督『ジョニー・マッド・ドッグ』は仮りにも途上国が舞台だったけど、これは先進国で起きていることだからな~)。

 ......そして、最後まで同じテンションで押し切ってしまったのである。いつか空々しくなるだろうと思っていたのに、聴きば聴くほど引き込まれるw。攻め立てないで低音を溜めるようなベースがいいのか、ジェイムズ・ブレイクは時代の音ではないという確信でもあるのか、だいたい、ニュー・エラでもマキシマム・スタイルの名義でもセカンドはなかったのに、前作のリミックス盤も数えれば3枚もつくっている辺りが「やる気」を感じさせる。半分ぐらいの収録曲で適度にスウィング感があるところもたまらない。

 なぜかカヴァーが多く、ナズやスウィッチ......というよりセカンド・サマー・オブ・ラヴ世代にとってはRSWがサンプリングしまくったインクリディブル・ボンゴ・バンド「アパッチ」(73)やジョニー・ペイト「シャフト・イン・アフリカ」(73)は初期のカーティス・メイフィールドを思わせるスリリングな展開。『フリーフライト』や『アルハンブラ』で知られるジャズ・ベテランのアハマド・ジャマル「スワヒリランド」(74)は一転してしっとりと聴かせ、アメリカのTVシリーズで有名なキース・マンスフィールド「ファンキー・ファンファーレ」(69)も最高にファンキーだし、変わったところではステレオラブ「カム・アンド・プレイ・イン・ザ・ミルキー・ナイト」(99)が予想外に甘ったるいシンセサイザーを響かせる。70年代初頭の雰囲気をいまに伝えようとしてこうなったのか。それともほとんどのミュージシャンと同じく何ひとつ考えていないのか(この時期のものでは、入手不可能とされていたオーウェン・マーシャル『キャプテン・パフ・イン・ザ・ネイキッド・トゥルース』が〈ジャズマン〉および〈Pヴァイン〉から再発されたばかりで、〈Pヴァイン〉といえば水谷社長に顔がそっくりなKRTSもデリック・メイがヒップホップをやっているとしか思えないミニ・アルバム『ホールド・オン』を昨秋、リリースしたですね)。

 そして、ノルウェーのオスロからは世界最大の短時間大量殺人犯となったアンネシュ・ブレイビクだけではなく、オウテカがシューゲイザーに走ったようなクリスチャン・トゥケイセンもアルバム・デビュー。これがまた、ヒップホップのグループに在籍していた経験がそのまま音に出たようで、寂しげなメロディ・ラインを裏切るかのようにリズムがこってりとファンキー・テイスト。それこそエレクトロニカだと言い張るのはとても無理でw、透き通るような質感で貫かれた「シルヴァー」はともかく、「波長」と題された曲のエンディングでシンセサイザーがどこまでも広がっていくような感じは神経症的なIDMファンの逆鱗に触れること間違いないでしょう(その前に聴かないか)。

 表立ってはいないけれど、どうやらクラシック・ピアノの素養があるらしく......ということはオウル・ビーツと似た部分があるかと思えば、それよりはもっと下世話なところでまとめていて、全体的には(まだ)ファンクであることをざっくばらんに楽しんでいるといった様子。気に障る一歩手前で可愛らしく聴こえる電子音が耳から離れない「ア・フレンド」はいかにも北欧的で(フラ・リッポ・リッピとかレクショップとか)、同曲に限らず、リズムがどれだけファンキーになってもドリーミーなムードを絶対に揺るがさないところはけっこうスキルあり。デンマークのタラゲネ・ピジャラーマが「オーシャン」1曲でコンパクトに拾われた例もあるし、このままセカンドまでつなげれば、大化けするかもしれません(?)。

 全曲試聴→https://soundcloud.com/nofearofpop-net/sets/torkelsen-torkelsen

Sun Araw, M. Geddes Gengras Meet The Congos - ele-king

 ザ・コンゴスの『ハート・オブ・コンゴス』という1977年にリリースされたアルバムは、リー・ペリーの代表作のひとつに挙げられる。ブラック・アーク・スタジオで録音されたこのルーツ・ダブの作品は、ダブという瞑想的な効果をサイケデリックな領域にまで引き伸ばしている。美しいコーラス、ナイヤビンギのドラミング(そう、コンゴの響き)、そしてペリーの呪文のようなダブミキシング......もし誰かがリー・ペリーを知りたければ、最初に聴くべき5枚に入る大大大名盤である。そうした歴史的なコーラス・グループ、ザ・コンゴスをコラボレーションの相手に選ぶサン・アロウとゲド・ゲングラスの度胸、そしてそのセンスは見上げたものだと言えるのかもしれない。もっともこのレーベルは、昨年は、イクエ・モリ(元DNA)とジュリアナ・バーウィックとのコラボレーションを仕組んでいるので、サン・アロウとゲド・ゲングラスのセンスというよりも、真実はレーベル主導の企画であるという可能性も高い。いずれにせよ、今日のUSインディの革新派を代表するふたりと70年代のジャマイカの伝説が邂逅するのは、ひとつの事件と言える。

 ところが、『ハート・オブ・コンゴス』を愛するリスナーが『アイコン・ギヴ・サンク』を同じように愛する可能性は低いと僕はみる。ダブというスタイルは、英語圏内では、昔は、X-レイ・ミュージックという異名があった。レントゲンを通して骨が見えるように、ダブ・ミキシングによって曲のドラム&ベースが浮き彫りになるからだ。そういう観点で言えば、サン・アロウとゲド・ゲングラスのミキシングはダブとしての体をなしていない。ロサンジェルス流とでも言うのか、出音のほぼすべてにエフェクトをかますミキシングでは、曲の骨格はさらに茫漠とする。シャキっとしたところがなく、だらしないのだ。ベースがないし、これほどのナイヤビンギを録音しながら、そのポリリズミックなビートを際だたせようと考えていない。享楽的だが、やかましいほど過剰なエフェクトとギターが反響している。船酔いしたような気分になるのだ。
 当たり前だが、『アイコン・ギヴ・サンク』にもそれなりの良さがある。アマンダ・ブラウンがDJスクリューに影響を受けたという話は前にも書いたが、結局、あのドロッとした感覚、つまりテンポを遅くすることで得られる幻覚性がダブへと行き着くのは、まあ、あまりにも自然な成り行きだとも言える。2010年のポカホーンティッドの最後のアルバム『メイク・イット・リアル』にはサン・アロウが参加しているが、そこにもリー・ペリー的なダブのセンスが注がれている。

 それにしても『アイコン・ギヴ・サンク』を聴いていると、「MEDICAL MARIHUANA PROGRAM」と記された身分証明書と同サイズのカードが思い浮かぶのは何故だろう。アメリカに普及しつつある医療目的(関節炎の痛み止め、不眠症など)のウィードの合法化、医療大麻購入の許可証だ。カリフォルニア州、ミシガン州、ニュージャージー州、アリゾナ州......、なんでも16の州で大麻は医療用に合法化されている。アメリカ人の友人は「これで私たちは吸うことができる」と自慢したものだが、少なからずこの動きは音楽に影響を与えているんじゃないだろうか。いまなぜスクリューなのか、ドローンなのか、ダンスなのか、クラウド・ラップなのか、まあ、誰もが大麻を好きなわけではないので、すべてをそこに集約することはできないけれど、軽視すべき話もでもないだろう。
 僕はアメリカの友人に、とりあえずは「I'm jealous!」とは言ったものの、医療目的の大麻の普及には政治権力の影もちらついている。かつてはオバマ大統領も「私も吸ったことがある」と正直に言って好感を得たものだが、そのオバマを今年の秋に控えた選挙でどうしても大統領の座から降ろしたい共和党のひとり、ロン・ポールが医療大麻の合法化に積極的だ。大麻にネガティヴな態度を見せはじめているオバマはすでにいち部のアフリカ系から「traitor(裏切り者)」などと言われている。ことモスリムからは、オバマが「同性婚を認めたこと」と大麻の合法化に乗り気でないことが重なって(モスリムは戒律として酒は飲めない)、オバマ離れをおこしている。そして、オバマがもっとも警戒しているロムニー(右傾化する共和党においては当然、同性婚反対)が支持を集め出しているらしい。
 つい先日もアメリカのあるニュース番組で大麻特集が組まれたそうだ。番組中にカリフォルニアの大麻ショップの店員は、思わず「オバマよりもブッシュのほうがマシだ」とさえ口走ってしまったという。景気回復のために富裕層への増税/中流以下への減税をはじめ、低所得者への医療的な配慮などに取り組んでいる現大統領よりも、あれだけの金、そして命を無駄にしながら意味のない戦争をした前大統領を称えている。これが、越智道雄の(入門書というにはあまりにもエモーショナルな)『大統領選からアメリカを知るための57章』が言うところの「貧すれば鈍す」であり、目的のためには手段を選ばない共和党に仕組まれた戦略なのだろうか。かつてオバマ支持層の主成分だったアフリカ系やミレニアルズは分裂をはじめている(次号、紙エレキングのローレル・ヘイローのインタヴュー参照)。
 いや、逆に、オバマの同性婚支持も人気取りのひとつの戦略と受け止める向きもあるようだが、『大統領選からアメリカを知るための57章』を読んでいる限りは、世界恐慌をおこしてまでもオバマを降ろしたがっている共和党が巻き返すよりはオバマ再選のほうがまだいいんじゃないかといまの僕には思える。『ハート・オブ・コンゴス』には骨があり、言ってみれば植民地主義への反論があった。『アイコン・ギヴ・サンク』にはそのどれもが見あたらない。ただ、酩酊している。

 サン・アロウはアメリカではすごい人気者なんだそうで、SXSWに行った菊地佑樹君は、リキッドルーム・クラスのヴェニューに開場3時間前に並んでも入れなかったと言っていた(興味深い話だが、サン・アロウの前作は東京ではわりと売れたのに、関西ではさっぱり売れなかったそうだ)。その点においては、はっきりと、「I'm jealous!」だね。

Desultory Choices 2012/5/29


1
Bruno Sacco - Deformed - Gravite

2
Alexey Volkov - Dust - Planete Rouge

3
Mike Dehnert - Avec - Fachwerk

4
Svreca - Obscur(Silent Servant Remix) - Semantica

5
Pillow Talk - The Real Thing - Wolf Aan Lamb

6
Katzuma - Life In The City - Kinjo Music

7
Dakini9 - Human Existence - Plan B

8
Alexey Volkov - Dust - Planete Rouge

9
Iori - Plateau - Bitta

10
Emilio Haro - Prrr Prrr - Radiaciones Armonicas

Here We Go Magic - ele-king

 これを買うのならファースト・アルバム『ヒア・ウィ・ゴー・マジック』もぜひとも聴いていただきたいと思うのは、筆者がそれをとても好んで聴いたからだというだけではなく、この完成度の高い『ア・ディファレント・シップ』だけではヒア・ウィ・ゴー・マジックという体験にとって完全ではないと思うからだ。それは、ぺイヴメントを聴くのに『テラー・トワイライト』からはじめるだろうか? という疑問と相似している。『テラー・トワイライト』はとても素晴らしい作品だが、それをもっとも好むという筆者はぺイヴメント・ファンの異端であろう。レディオヘッドやベックの音を作り上げ、いわゆるオルタナ・ロックの知的な側面を支えてきたカリスマ・プロデューサー、ナイジェル・ゴドリッチが手掛けたことで、『テラー・トワイライト』の音はスマートに切り分けられ、クリアに磨かれ、独特の浮遊感をえた。しかしそれは、ローファイという方法をコテとして音楽ファンに大きな影響を及ぼしたぺイヴメントの、その中心を聴くということとは少し異なる。本作『ア・ディファレント・シップ』もゴドリッチをプロデューサーとして迎えることとなった作品である(2010年のグラストンベリーでトム・ヨークとゴドリッチに多大なインパクトを与えたとのこと)。そしてまず筆者の率直な感想は、これはヒア・ウィ・ゴー・マジックにとっての『テラー・トワイライト』になった、ということだ。彼らはまだ3枚めではあるけれど。

 ヒア・ウィ・ゴー・マジックといえば、筆者にとってはまずなによりサウンド・プロダクションであり、ミニマルでパーカッシヴなスタイルのギター・ワークである。空間のオーヴァーダブとでも言おうか、あの独特すぎるローファイ感は、空気の上に空気を録ってそれを何トラックも重ねたような、なんともいえない質量と体積を持っている。アコースティック・ギターがそのたくさんの空気の向こうに聴こえている。遠くにみえる村の灯、それがちらちらとふるえているような音だ。空気じたいは冬のそれのようにつめたく澄み、緊張している。旋律を奏でるベースは、アフリカンなビートを淡々と鳴らすリズム・パートとともにとてもさりげなく、しかしアディクショナルに身体を縛る。なんという体験だろう......ルーク・テンプルの消え入りそうなヴォーカルが聴こえてくるころには、意識が澄みすぎて、自分の鼓動がうるさいほどだ。同時に妙な高揚感もある。そこには大気中のおびただしい分子たちがせわしなく動き回るようなエネルギーも充満しているからだ。これは、たとえば"ファンゲラ"(『ヒア・ウィ・ゴー・マジック』収録)の場合である。

 そこで"オーヴァー・ジ・オーシャン"(本作収録)を聴いてみる。いきなりアコギの音がゴドリッチである。つづく"メイド・トゥ・ビー・オールド"もそうだ。そして重ね録りした空気と空気の、その境目をすべてつなげて磨き上げたというような具合に、あの異様な質量を持ったローファイ感が無菌的でクリアな、洗練された音へと変化している。"イントロ"にもっとも顕著かもしれない。ゴドリッチが彼らの奇妙な音響に魅力を感じていたであろうことは、このセッションをトラックのあたまに入れていることから類推できるのだが(『ヒア・ウィ・ゴー・マジック』の冒頭"オンリー・ピーシズ"に彼はそうした魅力の粋をみたのだろう)、それは似て非なる、とても知的で上質なものになった。もちろんこれは彼らの新しい魅力だと思う。レディオヘッドの近作のファンならば"メイク・アップ・ユア・マインド"などには心おどるだろう。バンドとしての幅もゴドリッチによって大きく広げられたようだ。しかし、『ヒア・ウィ・ゴー・マジック』にわれを忘れて夢中になった経験を持つ者として、また2009年前後のブルックリン周辺のインディ・シーンの混淆としたエネルギーに突き動かされていた者として、なかなか複雑な気持ちになるのも事実なのだ。ゴドリッチと組んでゴドリッチらしくなったというだけでは、それはただ歴史の針を戻す行為ではなかったのか? よいものを作れたという充実感があるのならばそれもいい。それに、作品としてとても完成度のあるものに仕上がっていることはまちがいない。だがヒア・ウィ・ゴー・マジックにとってこれは必要なことだったのだろうか、そういう疑問が少なからず湧いてもくるのである。

 とはいえ、"オーヴァー・ジ・オーシャン"などに加わったルーク・テンプルのシンガー・ソングライターとしての艶は、彼の新しいステージをひらくようなものであるかもしれない。コーラス・ワークも"ミラクル・オブ・ラヴ"など数曲に共通して緻密さをふかめている。このうえでもし可能ならば、次作は原点から、テープでもCD-Rでもいい、もういちどあの風変わりな音を、あのマジックを聴かせてほしいと思う。

Chart by JET SET 2012.05.28 - ele-king

Shop Chart


1

Beauty

Beauty Love In The Heart Of The World Shout (Crue-l) »COMMENT GET MUSIC
チルウェイヴ以降のシンセ・インディダンス、シューゲイズ、バレアリックをレイヤーに、4adのダーク&ゴシックな美意識をコーティングした圧倒的な世界観。先行12"の期待値を遥かに超える傑作です!

2

Dave Dub

Dave Dub Treatment (Stones Throw) »COMMENT GET MUSIC
PortisheadのGeoff Barrowによるプロジェクト"Quakers"にも参加していた、サンノゼ出身のベテランMc=Dave Dub。彼が8~17年前に制作した楽曲の数々が初バイナル化!

3

La Vampires By Octo Octa

La Vampires By Octo Octa Freedom 2k (100% Silk) »COMMENT GET MUSIC
ごぞんじ100% Silk主宰者Amanda Brownのソロ名義、La Vampires。Italとの超ヒット作に続くコラボ・シリーズ第4弾。

4

The Tortoise

The Tortoise The Puffing Tortoise (Third Strike Records) »COMMENT GET MUSIC
前作"Gonna Be"でも注目を集めたメルボルンを拠点に活動を繰り広げるTorquhil AndersonによるプロジェクトTortoiseによる約1年ぶりの注目作。"Rondenion Remix"収録!

5

Ta-ku

Ta-ku 50 Days For Dilla Vol.1 (Huh What & Where) »COMMENT GET MUSIC
Laの新興レーベルHuh What & Whereより、新鋭ビートメイカーTa-kuのソロ初ヴァイナルが限定リリース! 自身のアイドルJ Dillaへのトリビュートの念を込めた全25曲を収録。

6

House Shoes

House Shoes The Time Ep (Tres) »COMMENT GET MUSIC
P.B.W.にJ Dillaを紹介した事や、All Cityからのリリース/一連のリエディット作で知られるベテランHouse Shoesが、Big Tone、Danny Brownらを迎えた強力シングル!

7

Girls We Like / D-Bo

Girls We Like / D-Bo Do-Over vol.4 (Do-Over) »COMMENT GET MUSIC
La発の野外ミュージック・パーティー『Do-Over』。そこから派生したレーベルより待望のアナログ・リリース第4弾! ゲートフォールド・ジャケット仕様。

8

Oh No

Oh No Ohnomite (Fdwbrk1975) »COMMENT GET MUSIC
黒人コメディアンRudy Ray Mooreの楽曲をサンプリングしたコンセプト・アルバム!

9

Seconds

Seconds Another Day (Above Machine) »COMMENT GET MUSIC
Is It Balearic?などの良質バレアリック・レーベルからのリリースで人気を博すThe Project ClubのSteve Lee手掛ける新レーベル"Above Machine"第二弾。才人Markus EnochsonとJackpotメンバーのLuciano Leivaによる才人スウェディッシュ・コンビ、Secondsによる傑作デビューEp!!

10

Lemonade

Lemonade Diver (True Panther) »COMMENT GET MUSIC
「Big Weekend」~ファースト・アルバムから約4年、遂に2枚目のフル・アルバムが到着。Us/True Pantherからのダウンロード・コード付きアナログ!!

San Gabriel - ele-king

 我々がダンス・アルバムに求めるものは、いろいろある。うきうきした気分、セクシャルな夜のサウンドトラック、あるいはフットワークのサディスティックな殺気、あるいはミニマルの催眠状態、あるいは運動、あるいは精神、あるいは......。僕はいまでもダンスのアルバムを好んでいる。ダンスのアルバムは、身体や心をほぐしてくれるだけではなく、ときにそれは文化的記号のパズルとなる。電流が流れるシールドは、さながら国境を越えた高速道路のように運ぶ、そう、ビートという暗号化された文化を。

 シカゴの〈スリル・ジョッキー〉から何枚も作品を出しているピット・アー・パットの中心メンバー、ブッチー・フエゴは、その活動と平行して、ボアダムスの『77ボア・ドラムス』への参加、なんと今年出たナイト・ジュウェルの『ワン・セカンド・オブ・ラヴ』、そしてもうしばらくしたらレヴューを掲載する予定のサン・アロウとコンゴスとのコラボレーション・アルバム『インヴォケーション』でも活躍している。それどころか、ジュリア・ホルターの『エクスタシス』でもミキシングを手がけている。シカゴの実験派からボアダムス、そしてトレンディーなLAのインディ・ダンスを横断している。こうしたキャリアを言うだけでも彼がくせ者であり、マルチな音楽家であり、並々ならぬ才人であることは想像がつく。そのブッチー・フエゴが、この度、DJアルツの主宰する〈アルツムジカ〉からサン・ガブリエル名義でアルバムをリリースした。

 『Volfe』を特徴づけるのは、とにかくビートの多様性である。ダンス・アルバムであれば多かれ少なかれビートに凝るのは当たり前だが、凝れば良いというものでもなく、結局はある種の反射神経にも似た才能とセンスがモノを言う。アフロ、そしてグライム、そしてダブステップ、そしてデジタル・クンビア、そしてレゲエ、そしてレイヴ......などなど、『Volfe』には今日のビートのコレクションが揃っているが、そのどれもがユニークなミキシングによって色気づいている。実際のところ、このCDを編集部でかけていると、いろいろな人が興味を示す。国境を越えた電子の高速道路の上をめまぐるしく変化するビットが創出するグルーヴは、多彩な文化の暗号としていろんな人の気を引くのである。テクノでもなければグライムでもない、クンビアでもないし、ダブでもない。そのすべてでもある。ヤマタカ・アイとアルツによるリミックスも収録されている。
 エキゾティズムというほど食卓向きでもないが、しかし、ちょっとしたパーティ向きではある。叫んでみたり、踊ってみたり、音のディテールにユーモアがある。電子のジャングルのなかをはしゃいでる感じがとても良い。

interview with Tickles - ele-king


Tickles
on an endless railway track

MOTION±

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 今日の文脈で言えば、アンビエント・ポップ(そしてIDMリヴァイヴァル)に当てはめることもできるだろう。ひと言で言えばロマンティックな音楽で、ベルリンの〈モール・ミュージック〉や〈カラオケ・カーク〉、ケルンの〈コンパクト〉から出ていたとしても違和感はない。トゥ・ロココ・ロットやウンダーの叙情、あるいはクライドラーの室内楽的なエレクトロニカを思い出す。とにかく、このあたりの固有名に反応する人が好きな音である。エイフェックス・ツインのような冗談があるわけではなく、ボーズ・オブ・カナダのような幻覚症状があるわけではないが、オルゴールのようにまとまりをもった愛らしい音楽と言える。わずかな感情の変化にも敏感に感応するような、ピアノ、ないしはトイ・ピアノの音が心地よい。先日、イーライ・ウォークスのデビュー・アルバムを出したばかりの中目黒の〈MOTION±〉が新しくリリースするのは、「かねてから目を付けていた」という湘南在住の鎌田裕樹のプロジェクト、ティックルズの3枚目のアルバム『オン・ア・エンドレス・レイルウェイ・トラック』だ。ちなみに〈MOTION±〉レーベルをやっているのは、〈ワープ〉をライセンスしているビートインクの元スタッフと元『remix』編集部のテクノ担当者なので、おのずとレーベルが好むところの音楽性もうかがい知れよう。
 『オン・ア・エンドレス・レイルウェイ・トラック』の帯には、レーベルによる「線路は続くよ どこまでも」 というコピーがある。僕はそのコピーを最初に見たとき、あまりの身も蓋もない表現に「マジっすか!」とレーベルの人に笑ってしまったが、CDの封を切ると中面に手書きの線路があった。3拍子の曲からはじまる『オン・ア・エンドレス・レイルウェイ・トラック』は、ある意味では汚れのないイノセントなアルバムだ。それは牧歌的な情熱によって、リスナーをゆっくりとした旅に連れて行く。

逆にそんな時期だからこそ、音楽というのは感情を逆撫でするようなものではなく、単純にもっと優しさを感じ取れるようなものであっても良いのかなって。みんながみんな怒りや反発の方向を向いていてもそれはそれで芸がないというか......

インタヴュー前にいったいどんな見た目の人なのかなって想像していたんですが、想像とまったく違っていました(笑)。

tickles:はははは。どんなイメージだったんですか?

もっとシャープな線の細い感じの人をイメージしていたんですけれど。

tickles:太めです(笑)。

だははは。いい意味で裏切られたというか、敬意を込めて言いますけど、ひと仕事し終えてきたって感じっすね。ま、ビールでもどうぞ(笑)。プシュ。

tickles:ありがとうございます。プシュ。

では、さっそくですが、よろしくお願いします。

tickles:お願いします。

荒井君(レーベルのスタッフ)からティックルズのことを教えてもらって、僕の好みの音楽であるのと同時に、最近、日本のアンダーグラウンドにおいて共通した感覚が増えてきているなという印象を持っていたので、ぜひ話を聞いてみたくて。

tickles:ありがとうございます。

それを感じることってあったりしますか?

tickles:ライヴではいろいろなジャンルの人とやらせてもらうんですけれど、これまで自分と近いなって感じた経験はほとんどないですね。まあ、あくまで僕の知っている範囲では、という感じですけれども。

スタイルは違うけど、たとえばフォトディスコとか、彼もある種の穏やかさというか、平穏を表現しているアーティストなんですけれどね。

tickles:興味ありますね。今度、聴いてみます。

ポスト・ロックやエレクトロニカって聴いていましたか?

tickles:エレクトロニカはそれほどのめり込んで聴いたわけではないですが、ポスト・ロックに関しては20代の初めによく聴いていたし、ライヴもよく観にいっていました。なかでもゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーが大好きでしたね。

へえ。でも現在のティックルズの音楽性はゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーとは全然別物というか、むしろ対極じゃないですか? 初期のフォー・テットやディラン・グループのほうに近いような気がしますれけど。

tickles:もちろんフォー・テットやディラン・グループも好きでしたよ。でも自分が表現したい本当のところは、むしろゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラー寄りというか。もっと激しいものであって、それを自分なりに押し進めていった結果、現在のような音楽性に辿り着いたという感じなんです。

ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーに強く惹かれたのは、どうしてなんでしょう?

tickles:ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーのサウンドは、猛烈にアナーキーでインディペンデントな臭いがして、とにかくそれがかっこ良かったですね。その当時僕はメッセージのある音楽が好きで、音楽っていうものはファッションになってはいけないというか、もっと力強いものでなくてはいけないと思っていたので、ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーのあの強烈なメッセージ性というか、パンク的な要素がとにかく胸に突き刺さったんですよね。
 でも、その後、自分で音楽を作るようになってから考え方がちょっと変わってきて。作品をリリースしたあとは、その作品って作り手の手を離れて、リスナーのものになるじゃないですか? というか、僕はそう思っていて、そうであれば、メッセージよりも、聴き手に寄り添うような作品であればいいなと思うようになって。それでだんだんいまのような作風になっていった感じです。

ゴッドスピードって、もしかしたらレディオヘッドの『キッドA』よりも大きな影響力を持っていたかもしれない......ただ、それらがティックルズとはどうも結びつかない(笑)。

tickles:まあ(笑)。とはいえ、間違いなく自分のルーツだし、大きな影響を受けていることはたしかです。いつかはゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーのような大所帯バンドで、いまの音楽をライヴでやってみたいなって思ったりしますね。

ゴッドスピードには有名な、"ザ・デッド・フラッグ・ブルース"の「車は燃えている、運転手はいない。下水道は孤独な自殺者で溢れている......」というフレーズがあるじゃないですか。彼らはこの世がいかに絶望的か、それをとことん表現したバンドでしたよね。でも、ティックルズは、リスナーに暗い現実を叩きつけるようなことはしないじゃないですか?

tickles:それはそうですね。むしろいまはそうあるべきじゃないと思っています。

その意味では、対極であるとも言えますよね?

tickles:なるほど。そういう意味では、まさに対極ですね。暗い現実を叩きつけるなんて、やりたくないですからね。

それはなぜですか?

tickles:いま、時代的になのかもしれませんが、いろんなことに反感を持ったり、強いメッセージを持った曲が多いという印象を持っているんです。自分としてはそればっかりになってしまっては表現としては面白くないなと思っていて。逆にそんな時期だからこそ、音楽というのは感情を逆撫でするようなものではなく、単純にもっと優しさを感じ取れるようなものであっても良いのかなって。みんながみんな怒りや反発の方向を向いていてもそれはそれで芸がないというか。ティックルズとしての表現は、いまはそういうものだと考えています。

ティックルズの音楽にはパンク的な要素がどのような形で存在していますか?

tickles:サウンドというよりはむしろ活動のスタイルや精神的な部分ですね。これまで2枚アルバムを自分のレーベル〈マダガスカル〉から出しているんですけど、それは音作りはもちろん、流通やプロモーションも可能な限りすべて自分たちの手でコントロール出来るようにやっていました。そうしたDIY的なやりかたで音楽を世に送り出すということが、僕にとってのパンクかなと思いますね。今回は本当に信頼できる仲間たちと一緒にやれるチャンスだったので、〈MOTION±〉からリリースすることになりましたけど。

本作も制作においては、ほとんど自分ひとりでやっているわけですよね?

tickles:そうですね。

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フォー・テットやディラン・グループも好きでしたよ。でも自分が表現したい本当のところは、むしろゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラー寄りというか。もっと激しいものであって......


Tickles
on an endless railway track

MOTION±

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そもそもticklesはいつ頃にスタートしたんですか?

tickles:ファースト・アルバム『ア・シネマ・フォー・イヤーズ』を出したのが2006年。で、2008年にセカンド・アルバム『トゥデイ・ザ・スカイ・イズ・ブルー・アンド・スペクタキュラー・ヴュー』を出して、4年空いて今回の『オン・アン・エンドレス・レイルウェイ・トラック』ですね。

はじめた当時と比較して、現在はどういう部分が変化していると思いますか?

tickles:最初はメンバーがふたりいて、いまほど生楽器を使わない、打ち込み主体のサウンドだったんですよ。

時間が経つにつれて、どんどん生楽器が増えて、今回のような温かみのあるサウンドに変わってきた感じなんですね。

tickles:そうですね。

本作ではどんな楽器を使っていますか?

tickles:ピアノ、ギター、トイピアノ、ピアニカ、ベース......。

鍵盤が多いんですね。

tickles:家にある楽器は鍵盤が多いですね。あとドラムはサンプリングですけど、ほとんど自分で叩いてます。

基本的にはご自宅で録られているんですか?

tickles:ピアノとドラムはスタジオで録りましたけど、あとはすべて自宅です。

『オン・アン・エンドレス・レイルウェイ・トラック』(線路は続くよ どこまでも)というタイトルには、どのような意味が込められていますか?

tickles:アルバムを作っている途中で、僕たちが昔から知っている「線路は続くよ どこまでも」というフレーズを英語にしたものにしようと思っていたんです。英語にすると、字面がちょっと淡白な感じになってしまうんですけど、わりと楽観的な意味合いで、これからも楽しくやっていけたらいいね、というような意味合いで付けました。このジャケットは友だちにお願いしたんですけど、彼が僕に持っているイメージがこんな感じなんだと思います(笑)。

これは絵なんですか?

tickles:アクリル板を5枚ぐらい重ねて、立体にした絵なんです。それをさらに箱に入れたという。なかなか伝わりにくいかもですけど。

へー、面白いジャケットですよね。これを最初に見たときに、ある種、宮沢賢治的というか、童謡的なイメージを連想したんですけど、どういうコンセプトで作ったのですか?

tickles:実はこの手法は、ユーリ・ノルシュテインというロシアのアニメーション作家が作品を展示する時に使うやりかたを真似したものなんです。ユーリ・ノルシュテインが童話的な作品を作る人だし、ロシアやチェコのアニメーションが好きだったりもするので、そういう感じは出てるかもしれないですね。

そうした童話的な世界観とティックルズの音楽にはどのような関連性がありますか?

tickles:そうですね。アニメをアニメイトする(命を吹き込む)という行為と、音楽に自分の魂を吹き込むという行為は似てるのかなって思いますね。電子音楽なんですけど、そこに有機的なものを入れたいというのは常々思っていることでもありますし。

なるほど。ちなみにピアノをずっとやられていたんですよね?

tickles:幼稚園くらいから、10年ちょっとやっていましたね。

じゃあ鍵盤は昔から得意なんですね。

tickles:最初に触れた楽器だし、いまでも曲を作るときに最初に触るのは鍵盤であることが多いですね。

とてもリズミカルな演奏だなって思ったんです。ハウスやテクノのプロデューサーが作るリズムとも違うし、ロックをバックボーンに持つ人の感じともまた違う。とても独特なリズム感があるなと思いました。

tickles:そこは完全に無意識というか、ある種の手癖みたいなものだと思います。シーケンサーにパチパチと打ち込むんじゃなくて、手打ちで打っていくので。メロディ先行で、後からリズムを付けていくので、そういう感じになっているのかもしれないですね。

ゴッドスピード以外で、インパクトのあった音楽ってどんなものですか?

tickles:いろいろありますけれど、シガー・ロスのライヴを観たときはかなり感動しました。うーん、あとは何かなあ。

シガー・ロスもゴッドスピードもとてつもなく壮大なサウンドだけど、ティックルズはもっと身近な感じがしますよね。

tickles:そうですね。僕がスタイルだけシガー・ロスやゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーのようなサウンドをやっても何の説得力もないというか。僕ができる音楽というのは、現在のティックルズのようなサウンドっていうことなんだと思います。

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楽観的な意味合いで、これからも楽しくやっていけたらいいね、というような意味合いで付けました。このジャケットは友だちにお願いしたんですけど、彼が僕に持っているイメージがこんな感じなんだと思います(笑)。


Tickles
on an endless railway track

MOTION±

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なるほど。ティックルズ以前にはどんな音楽活動をしていたんですか?

tickles:中学から高校くらいまでバンドをやっていて、その後にパンクのDJをやりはじめました。で、DJをやるようになってから次第にいろいろなジャンルの音楽を聴くようになって、テクノやエレクトロニカをメインにプレイするようになり、自分たちでもエレクトロニック・ミュージックをやってみようということで、ティックルズをはじめたという感じです。

パンクのDJってどんな感じの?

tickles:基本、自分の好きな曲をかけるだけっていう感じでした。70年代のパンクもかけるし、90年代のハードコアとかも。envyとか大好きだったので。

なぜDJをやろうと思ったんですか?

tickles:友だちに知らない新しい曲を聴かせたいとか、そういうたわいもない理由だったと思います。

地元の藤沢のクラブでDJをしていたんですか?

tickles:主に藤沢や横浜のクラブ、ライヴハウスですね。いまもうなくなってしまったお店も多いですけど。

パンクをやっていた人が、こういう音楽にどうやって辿り着くのかというのが、とても興味あるんですよ。

tickles:自分のなかではまったく別のものをやっているという意識はなくて、表現の仕方が変わったとしか言えないんですよね~(笑)。

日本のパンクも好きでしたか?

tickles:よくライヴを観に行ってましたよ。それこそenvyとかスメリング・カンツ(toeの前身となるハードコア・バンド)とか。

めまぐるしくトレンドが変わるこのご時世ですが、新しい音楽は積極的にチェックしているほうですか?

tickles:いや、しているほうではないと思いますが、どうですかね。

インターネットはあまり見ないですか?

tickles:見ますけど、音楽の情報を得るために使うことは多くはないと思いますね。

最近、面白かった音って何かありますか?

tickles:〈コンパクト〉から出ているウォールズは好きでした。

いいですよね。

tickles:あとは〈ニンジャ・チューン〉から出ていたボノボの『ブラック・サンズ』とか好きでしたね。

なるほど。ああいう音楽を聴くと、自分のやっている音楽もあながち間違っていなかったのかなって思います?

tickles:あまりそういう感じで考えたことはないですけど、好きなので共通するものはあるんだと思いますね。

曲のタイトルはどのように付けるんですか?

tickles:いろいろですよ。曲を作ってから、それを聴いてみて自分のなかに生まれたイメージを基に付けることもあるし、曲を作っている途中で付けちゃうこともあります。

曲のタイトルについて重視しているほうですか?

tickles:重視しているほうだと思います。

なぜですか?

tickles:昔からかっこいいタイトルって好きなんですよね。昔、メッセージのある曲が好きだったと言いましたけど、タイトルってその象徴だと思うんですね。かっこいいタイトルは、もうそれだけで胸に刺さるじゃないですか。だから自分もタイトルにはこだわりたいですね。

普段はどんな生活をしているんですか?

tickles:CMの制作会社からの発注を受けたり、他の音楽の仕事とかもしてます。

ライヴはひとりでやっているんですか?

tickles:いまはそうですね。ラップトップにシンセサイザー、サンプラー、エレピなどの音を入れてオーヴァーダブしていくような感じです。

ティックルズとしてのこの先のヴィジョンはどんな感じですか?

tickles:できればなるべく早く、次のアルバムを出したいなって思っています。もっとシンプルな楽曲のものを出したいです。あと別名義でミニマルなタイプの作品も出してみたいですね。今回はかなり生音を入れているので、まったく別のタイプの曲の構想もあるので、それをかたちにしてみたいですね。

contrarede presents SCHOOL OF SEVEN BELLS JAPAN TOUR 2012
東京・FEVER公演

2012/6/14 (Thu)
Shindaita, FEVER(03-6304-7899) OPEN 19:00 / START 20:00
LIVE: SCHOOL OF SEVEN BELLS, tickles
ADV ¥4,700 / DOOR ¥5,200 (+1drink)

主催: contrarede 企画制作: contrarede
協力: Plancha / Art Union, Shibuya Television
TOTAL INFO: contrarede 03-5773-5061 https://www.contrarede.com

googolplex - ele-king

 2年前、秋の武道館に安全地帯のライヴを観に行ったとき、まったくといいほどMCはなく、唯一、ステージで語ったことが、その年の6月に自殺したパク・ヨンハのことだった。根も葉もないネットの中傷を苦にして自殺したチェ・ジンシルや撮影を拒否してアメリカまで逃げたハン・イェスルもそうだけど、勝ち負けがはっきりと出てしまう韓国で芸能活動を持続するのはかなりのプレッシャーがあるらしく、なかなか玉置浩二のように意味不明な行動は取れないらしい(すぐ斜め前に青田典子がいて、アンコールで飛び出してきた玉置浩二に窒息しそうなほどディープ・キスをされていたw)。

 とはいえ、3大事務所(SM、YG、JYP)が牛耳る芸能界に反発する動きも強くなっているそうで、ソウルに「空中キャンプ」というライヴ・ハウスを設立したメンバーのひとりから5~6年前に聞いた話では、政治的なテーマを歌詞にしてはいけないなど、まだまだ規制も多いなか、細々とインディ・ロックも表現をやめてはいないということだった。どんなバンドがいるのか尋ねたところ「モノマネの域は出ていない」と彼も正直に言うので、あえて聴いてみたものはなかった。そのことを、いま、少し悔いている。グーゴルプレックスというバンドのことを知ってしまったからである(ソウルのライヴ・ハウス「空中キャンプ」に関しては『すばらしいフィッシュマンズの本』(INFAS)に収録された前田毅氏のリポートに詳しい)。

 韓国の〈ファウンデイション・レコーズ〉というレーベルがどういったものなのかさっぱりわからないんだけど、昨年、3枚目となるコンピレイション・アルバムに(個人的にはダグラス・ベンフォードのレシピなどを思い出す)〈エル・レコーズ〉風の柔らかくて春の日差しのような"シーブリーズ"を提供したグーゴルプレックスは、前後して4曲入りEP「エンドレスリー・ハイ&ディープ」でデビューし、それらから1曲を除いてすべてを採録し、新曲を5曲加えたデビュー・アルバムを今年の初めにリリース。これをオクターヴ・ソウルが国内盤としてライセンスしたということになるのかな。レーベルの謳い文句はウーリッヒ・シュナウスなどを引き合いに出したグローファイ・ドリーム・ポップ・ユニット、もしくは韓国版の逆輸入チルウェイヴとか。......まあ、最初はそうかなと思って聴いていて、韓国語で「夢」と題された5曲目で......ちょっと待てよ。

 フィッシュマンズに対する韓国からのアンサー......とは言わない。言わないけれど、中盤辺りから、あれッと思う箇所が何回も出てくる。「夢」に出てくるリフはまさかサンプリングじゃないかと思うほどそれっぽいし、"レット・イット・フロウ"から(韓国語で)"愚痴(ゲット・ロスト)"に変わる辺りもそうとしか聴こえない......。空耳アワーだろう。レバノンにもフィッシュマンズを思わせるスカ・バンドはいるし、空耳といえば、トーキング・ヘッズが叫ぶ「マッド・クラブ!」が......いや。そういえば、最近、人間ドックに入って......聴力には何も異常はなかった。しかし、ぜんぜんあり得る話ではないだろうか。ソウルの「空中キャンプ」では毎年、フィッシュマンズ・ナイトが開かれ、いつも100人ぐらいは集まると言っていた。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを聴きに来た客が全員、楽器を持って演奏しはじめた......じゃないけれど、韓国のフィッシュマンズ・ナイトから生まれたバンドがいてもおかしくはない。ユニバーサル・コーリアが一回は対訳つきでフィッシュマンズのバック・カタログをリリースしようとしたこともあったぐらいで、佐藤伸治の歌詞がわからなくても音楽だけで伝わるものもあるということだろうから(フランスにもフィッシュマンズを神と仰ぐサイトがある)。

 とはいえ、フィッシュマンズと何ひとつ関係がなくても、"エンドレスリー・ハイ・アンド・ディープ"の夢見るような感覚や"チャーピング・バーズ"のトロピカル気分はそれだけで充分に素敵な気分をもたらしてくれる。グローファイ・ドリーム・ポップでもチルウェイヴでもなんでもいい。いまは、この甘ったるいシンセサイザーに少しでも長く包まれていたい(......って、それじゃ橋元UFOと同じじゃん!)。

 全曲試聴→https://soundcloud.com/fndt/sets/googolplex-behind-the-eyes

 DJとギターの男性二人組み(?)→https://blog.naver.com/

 *80年代の広島でハードコアをやっていた同名バンドに注意

Chart by JET SET 2012.05.22 - ele-king

Shop Chart


1

Cos/Mes

Cos/Mes Sadistic ep#2 (Funiki Ene) »COMMENT GET MUSIC
『Sadistic Skatepark - 2011 Re-master Ver.』からのアナログ・カット第二弾は既に世界中から問い合わせ殺到中のボムを収録した1枚。

2

Kaoru Inoue

Kaoru Inoue Ramafar C/W Ground Rhythm - The Backwoods Remix (Seeds And Ground) »COMMENT GET MUSIC
井上薫主宰、Seeds And Groundの2012年リリース第一弾は超強力な12インチ!Kaoru Inoueによる新曲+"Backwoods Remix"収録!

3

The Backwoods

The Backwoods Flying Bugz - Kaoru Inoue Remix (Ene) »COMMENT GET MUSIC
Kaoru Inoue Remix収録!The Backwoodsアナログ・カット第四弾!ロング・セラーを記録中の1stアルバムから、キラー・トラック"Flying Bugz"が待望の12インチ化!

4

Units

Units Connections Ep (Opilec Music) »COMMENT GET MUSIC
'78年に結成されたサンフランシスコの伝説的シンセ・ポップ・バンドThe Unitsによる貴重音源を、リエディット・シーンの雄Todd Terjeと当レーベルの首領Gianluca Pandullo A.K.A. I-Robotsがリミックス。

5

Reboot Joy Confession

Reboot Joy Confession Absolute Iii Way Harmonious Enterprise (Philpot) »COMMENT GET MUSIC
Dj KozeやBruno Pronsatoらのリリースでもお馴染みディープ・テック名門Philpotから、共同主宰を務めるシーン帝王Soulphictionの変名プロジェクトが衝撃の傑作アルバムをリリース!!

6

Dela

Dela Translation Lost (Drink Water Music) »COMMENT GET MUSIC
本作はインスト曲が約半分を占めるなど、テーマ、ストーリー性がより濃く出た懇親のニュー・アルバム。

7

Drop Out Orchestra

Drop Out Orchestra It Will Never Be The Same Again (Eskimo) »COMMENT GET MUSIC
Sex Pistols" Pretty Vacant" ネタのバレアリック・エディットがヒットしたスェーデンの要注目アクト、Drop Out Orchestraによる最新epが名門Eskimoより登場!!

8

Midland

Midland Placement (Remixes) Ep (Aus Music) »COMMENT GET MUSIC
ポスト・ダブステップ天才Ramadanmanとのコラボ盤も大ヒットした美麗音響ミニマリストMidland。ジャンル越境ヒット中の『Placement Ep』に続いて強力リミックス盤が登場です!!

9

Pains Of Being Pure At Heart

Pains Of Being Pure At Heart Acid Reflex (Pias) »COMMENT GET MUSIC
【Record Store Day限定盤】Washed Out、Violens、Saint Etienne、Twin Shadowによるリミックスを収録した超限定12インチ!!

10

Visioneers

Visioneers Hipology (Bbe) »COMMENT GET MUSIC
Nas"World Is Yours"のリメイク、続くアルバム『Dirty Old Hip Hop』で世界を魅了した4heroのMarc Macによるヒップホップ・プロジェクト=Visioneers最新アルバムが2lpで到着!
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